ある日、夢を見た。
それはこんな夢。
==========
夢の中で、僕は大学の教授をしていた。
講義を聞いている大学生の中に、登山好きな女子学生がいた。
その子は、特に雪山に登るのが好きだという。
「どうしても登りたい雪山があるんですが、いつも途中で挫折してしまうんです。良かったら一緒に登ってくれませんか?教授の知識や経験をお借りしたいんです」
何だか知らないが、僕は雪山の知識がある事になっている。
そして、二人で雪山へと登る事になった。
女学生は、雪山が得意らしくスタスタと登っていく。
僕も普通に登っていく。
かなり登ったところで、道がなくなった。
先は、左が切り立った断崖、右が急斜面の岩場で雪も積っており、登る事は出来ない。
そして風は強まり、吹雪いてきている。
「ここからがいつも行けないんです」
横殴りの雪に目を細めながら、女学生は言った。
「ふ〜ん、そうか。こういう所は這いつくばって行くんだ。這いつくばれば細い道もバランスを崩さず行けるし、風にも飛ばされないんだ」
僕は得意気に言う。
雪山で這いつくばったら凍傷になりそうだが、夢の中なので大丈夫だ。
「なるほど、そうやって進んでいくんですね!さすが教授です!」
女学生は這いつくばると、断崖すれすれを先に進んでいった。
僕も這いつくばって後を追う。
山の急斜面。
しかも岩場に雪が積ったような道を這いつくばって進んでいく。
這いつくばっている道の幅は、35cm程度。。
そして、その肩幅もない道は、右上がりに30度くらい傾いているのだ。
つまり、這いつくばって進んでいる右肩が雪山の急斜面にピッタリくっつき、左肩は断崖からはみ出しているような感じだ。
女学生は肩幅が狭いので大丈夫そうだが、僕は左肩が苦しい。
女学生はどんどん進んでいく。
僕はどんどん離されていく。
「大丈夫か〜?けっこう滑るから気を付けて〜」
「大丈夫ですよ〜。まだまだ行けます〜」
女学生は元気そうだ。
僕は教授という設定だったので、弱音は吐けなかった。
本当は、今にも左腕が道からはみ出して崖下に落ちてしまいそうなのだ。
右手で掴めるものもない。そこには雪しかないのだ。
(せ…狭い…。滑る…。もう力が入らない…)
左下を見ると、崖下が吹雪に霞んでいる。
崖は岩場なので、雪が積っていても落ちたら死ぬ確率が高い。
(もし落ちるとして…、あの岩場とあの岩場を経由して落ちていけば軽傷で済むかな…?いや、落ちたら終わりだ!甘く考えるな!)
細い道は、なおも右肩上がりになり、左へとずり落ちていく。
女学生は吹雪の向こうにもう見えない。
(もうダメだ!!落ちる!!)
僕は一瞬、諦めた。意識も遠退いていく。
「教授〜、ちゃんと来てますか〜?でも、這いつくばって進めばまだ行けますよ〜。頂上まで行けるかもしれませ〜ん」
その時、女学生の声が聞こえて我に返る。
「そうか〜、油断はしないようにな〜。僕も何とか進んでいるよ〜」
僕は強がりを言った。
もう、「助けて」と言っても、どうにもならない場所にいる。
(進んでどうなるのだろう?
いつ、ここを抜けられるのか?
ここで諦めたら落ちるしかないんだ。
引き返すことも出来ないし、立ち上がることも出来ない…。
僕には雪山の知識なんてなかったんだ。
ああ、とんでもないとこに来てしまった…)
「教授〜ぅ」
(…ゴメン…)
…僕の力は及ばず、左腕は宙に浮いた。
==========
そこで夢は終わった。
落ちた先は見ていないと思う。
落ちる夢のお約束の、ビクッとは起きなかった。
起きたら、毛布がベッドの左側に落ちそうになっていたが、それが原因かな?
2007年02月24日
2007年02月22日
無
コツコツと書いていたDrive物語だったが、いつの間にかに自転車奇行が同じ記事数になってしまった。
ドライブも昔はたくさん行ったのでまだ書く事は多いのだが、写真もデジカメではないものもあって、掲載するにはスキャンしないといけないので手間がかかる。
ドライブは複数人で行く事が多いので、登場キャラも増える。
その分、会話シーンを作れるのでエピソードは楽になるが、キャラ立てしないといけないので難しくもある。
その点、一人で好き勝手に妄想できる自転車奇行は記事数が増えていってしまうようだ。
自分の書く日記は、もちろんどの記事もひとりよがりだが、ことさら自転車記事はそうなる傾向にある。
妄想の一番手は夢物語のコンテンツだが、まだ書いてない夢はたくさんある。
ほとんどが忘れてしまうが、インパクトがあると覚えている。
幽霊、戦場、過去未来、いろいろな舞台で妄想しているが、寝てる時だから自分ではどうこう出来ない。
だいたいが、嫌な展開になる。
たまには楽しい夢も見たいもんだ。
いや、それ以上に、まずは楽しい現実を送りたいもんだ。
何が楽しいかと言えば、何も楽しくないが。
ゲームを買ってもやらなくなったし、本も読まなくなったし、テレビも部屋にないのでほとんど観ない。
じっとしていても嫌な事しか考えなくなるので、旅にでも行きたい。
移動したいのかな?単に現実逃避だろう。
それで自転車で移動しているのかもしれない。
でも、自転車は気分はいいが苦痛も多い。
やはり、車での移動が楽だ。
移動+景色に専念できるとなると電車が一番だが、良い瞬間があってもその場に留まれないし、そうなるといつでも止まれる自転車がいい。
移動エネルギーは自分が作り出すものだし、エコだ。エゴか。
だが、そんなにエネルギーを消費しても体重は減らない。お腹は減る。
ドライブも昔はたくさん行ったのでまだ書く事は多いのだが、写真もデジカメではないものもあって、掲載するにはスキャンしないといけないので手間がかかる。
ドライブは複数人で行く事が多いので、登場キャラも増える。
その分、会話シーンを作れるのでエピソードは楽になるが、キャラ立てしないといけないので難しくもある。
その点、一人で好き勝手に妄想できる自転車奇行は記事数が増えていってしまうようだ。
自分の書く日記は、もちろんどの記事もひとりよがりだが、ことさら自転車記事はそうなる傾向にある。
妄想の一番手は夢物語のコンテンツだが、まだ書いてない夢はたくさんある。
ほとんどが忘れてしまうが、インパクトがあると覚えている。
幽霊、戦場、過去未来、いろいろな舞台で妄想しているが、寝てる時だから自分ではどうこう出来ない。
だいたいが、嫌な展開になる。
たまには楽しい夢も見たいもんだ。
いや、それ以上に、まずは楽しい現実を送りたいもんだ。
何が楽しいかと言えば、何も楽しくないが。
ゲームを買ってもやらなくなったし、本も読まなくなったし、テレビも部屋にないのでほとんど観ない。
じっとしていても嫌な事しか考えなくなるので、旅にでも行きたい。
移動したいのかな?単に現実逃避だろう。
それで自転車で移動しているのかもしれない。
でも、自転車は気分はいいが苦痛も多い。
やはり、車での移動が楽だ。
移動+景色に専念できるとなると電車が一番だが、良い瞬間があってもその場に留まれないし、そうなるといつでも止まれる自転車がいい。
移動エネルギーは自分が作り出すものだし、エコだ。エゴか。
だが、そんなにエネルギーを消費しても体重は減らない。お腹は減る。
2007年02月21日
どろろ
日曜に友人二人と映画『どろろ』を観に行った。
仕事中だったが、5時間ほど抜け出させてもらった。
当初は前の週に観に行く予定だった。
だが映画当日、友人の一人が二日酔いで、延期になった。
(まったく〜、肝心な時に酔ってちゃ困るな〜)
酔っていては、映画どころではない。
そして日曜日。
この日は都内では東京マラソンが開催されていたが、朝から冷たい雨が降っていた。
朝9時半、僕は仕事場から、友人二人は柏から池袋に集合して、映画館へ直行。
上映は10時から。
映画館の前に並ぶが、映画館がなかなか開かない。
「もう10時になっちゃうよ〜」
9時45分、映画館が開いた。
どろろは、11時半からの上映になっていた。
「あれ?10時じゃなかったっけ?」
「うん、ネットで調べてたら10時になってたよ」
すぐに携帯でその映画館を検索すると、やはり10時からの上映となっている。
上映時間が変更になったが、ネットの情報は書き換えられてなかったのかもしれない。
「他の映画館でもやってるかもしれない」
雨の中、池袋を歩き回ったが、やはりどろろはその映画館でしか上映してなかった。
なので映画を観る前に、映画館の前のゲームセンターで、友人の一人が以前からやりたかったというガンダムのゲームをやる事にした。
「一人でやるには勇気がいるんだよ」
友人がいう通りそのガンダムのゲームは、コックピット型の筐体に入って三面鏡のようなスクリーンに映し出されたバーチャル世界で遊ぶゲームだった。
3人で開店直後のゲーセンに乗り込み、ガンダムゲームに向かう。
店員の指示で、一人ずつ別の筐体に入り込みゲームスタート。
自分を囲うようなスクリーンに情報が表示される。
『パイロットカードを挿入して下さい』
どうやら、ゲームをやる前にカードを作らなければいけなかったようだ。
僕がコックピットから出ると、友人も出てきた。
「えへへ、カード持ってなかったです」
店員の指示でカードを作り、またコックピットに入り込む。
このゲームはネットに繋がっており、他のゲームセンターで同時刻にプレイしている人たちと、連邦軍VSジオン軍で4対4の対戦ができる。
てっきり、友人と対戦できると思っていたのだが、相手は他のゲーセンの人たちばかりだった。
いよいよゲームスタート。
僕が操るジムが、横歩きをしている。
僕は真っ直ぐ進みたいのだが、操作が難しい。
左右の操縦桿に、トリガーボタンが二つずつ。
さらにアクセルとブレーキペダルを足で操作しなければならない。
ザクに撃たれる。
倒れる僕のジム。
ザクに狙いを定めて僕も撃ち返す。
しかし、僕のジムは弾を撃つことなく空中に跳んでいった。
間違えてジャンプボタンを押したようだ。
どうにか、1機のザクを撃墜。
その後、僕のジムも破壊された。破壊されても、制限時間内ならすぐ復活する。
時間がきて、1ゲーム終了。
(やっと終わった〜)
画面の動きと、自分の予期している動きが全く噛み合わず、僕は少し3D酔いをしてしまった。
車酔いと一緒だ。
コックピットから出ようと思ったら、2ゲーム目が始まった。
500円で2ゲームという事だったらしい。
2ゲーム目。
僕は3D酔いをしている。
(横に動いたら酔うからな。まずは真っ直ぐ…)
真っ直ぐ歩いていたら、正面からザクに撃たれて倒れた。
(くそ〜、僕は横に動けないんだぞ。おのれ、見ておれ…)
僕は目を閉じた。
下手に動き回ると、目も回る。
じっと、時を待つのだ。
(見えるっ!)
目を開けてライフルを撃つが、そこには誰もいなかった。
後ろを向くと、同じ連邦軍のジムがザクにやられている。
(ジャ〜ンプ!)
僕のジムは建物を越えて、上からザクの前に下り立った。
すぐにザクのヒートホークで倒される。
(くそ…3D酔いさえしてなければ、上空からぶった斬ってやったのに)
最後の方は酔いが激しくなり、ジムを動かせなくなった。
目を閉じたまま適当に動かす。
3回も撃墜されて2ゲーム目も終わった。
コックピットから出ると、僕は屈みこんだ。
額には脂汗をかいている。
(吐きそ〜)
3D酔い恐るべし。僕は昔から三半器官が弱いのだ。
友人たちもゲームを終えコックピットから出てきた。
「いや〜、少し酔ったね」
友人たちも酔ったようだが、ひどくはないようだ。
僕はもう、歩けないほどに酔っている。
(映画までに復活できるかな〜?)
映画までは、まだ50分あった。
それまでハンズで買い物。
友人が買い物をしている間、僕はエレベーター前のベンチで休んでいた。
なおも気分は悪くなる。
手足は振るえ、お腹も痛くなってきた。
トイレにいくが、吐くことはできなかった。
上映時間が迫ってきたので、映画館へ。
席に座るが、気分は悪いまま。
(もう吐くしかない!)
僕はトイレに行って、無理やり吐いた。
少しは胃のムカつきが治まったが、映画が始まる直前にまた気分が悪くなってきた。
(マズイな…)
映画が始まった。
大きなスクリーンに映し出された景色がスクロールする。
(うっ!これは、酔う)
僕は目を閉じた。
酔っていては、映画どころではないのだ。
たまに目を開けるが、3秒以上観てられない。
目を閉じても、大きな音量が胃に響く。
(ダメだ…。ここから出ないと…)
僕は席から立つ代わりに、寝た。
なかなか眠れないが、目を閉じて呼吸回数を減らし、無理やり意識を遠退かせる事にしたのだ。
たまに意識が戻って画面を観ると、やっぱり吐きそうになる。
音だけを聞いていよう。
映画の登場キャラの体の一部が戻るたびに、「お〜!おぉあ〜!うおぁ〜」と苦しむ演技が入る。
(それ!僕も吐きそうなの!)
登場人物に共感だ。
どろろの上映時間は2時間半ほど。
僕がやっと画面を観ることが出来たのは、最後の対決シーンだった。
(おお、面白い。この映画けっこう面白いな)
そこで初めて映画を観たと言ってもいいだろう。
そのままエンディングテロップへ。
僕がどろろを観れたのは、最後の20分くらいだけだった。
「思ったより面白かったね」
「けっこう良かったじゃん」
どろろに満足した友人たち。
「妻夫木クン、アクション頑張ってたね」
僕も話を合わす。
映画館から出ると雨は止み、空は晴れ渡っていた。
しかし、僕の気分は晴れ渡らない。
映画の後は池袋でラーメンを食べる予定だったが、僕が食べれないのですぐに解散。
僕は仕事場に戻った。
仕事場に戻ると、仕事場の人たちがどろろの感想を聞いてきた。
「話せば長くなるのですが…。ええ、面白かったですよ。特に最後の20分。DVD買いたいですね(ほとんど観てないから)」
その日は、ずっと吐き気が続いていた。
3日経った今でもまだ、胃の調子が悪い。
仕事中だったが、5時間ほど抜け出させてもらった。
当初は前の週に観に行く予定だった。
だが映画当日、友人の一人が二日酔いで、延期になった。
(まったく〜、肝心な時に酔ってちゃ困るな〜)
酔っていては、映画どころではない。
そして日曜日。
この日は都内では東京マラソンが開催されていたが、朝から冷たい雨が降っていた。
朝9時半、僕は仕事場から、友人二人は柏から池袋に集合して、映画館へ直行。
上映は10時から。
映画館の前に並ぶが、映画館がなかなか開かない。
「もう10時になっちゃうよ〜」
9時45分、映画館が開いた。
どろろは、11時半からの上映になっていた。
「あれ?10時じゃなかったっけ?」
「うん、ネットで調べてたら10時になってたよ」
すぐに携帯でその映画館を検索すると、やはり10時からの上映となっている。
上映時間が変更になったが、ネットの情報は書き換えられてなかったのかもしれない。
「他の映画館でもやってるかもしれない」
雨の中、池袋を歩き回ったが、やはりどろろはその映画館でしか上映してなかった。
なので映画を観る前に、映画館の前のゲームセンターで、友人の一人が以前からやりたかったというガンダムのゲームをやる事にした。
「一人でやるには勇気がいるんだよ」
友人がいう通りそのガンダムのゲームは、コックピット型の筐体に入って三面鏡のようなスクリーンに映し出されたバーチャル世界で遊ぶゲームだった。
3人で開店直後のゲーセンに乗り込み、ガンダムゲームに向かう。
店員の指示で、一人ずつ別の筐体に入り込みゲームスタート。
自分を囲うようなスクリーンに情報が表示される。
『パイロットカードを挿入して下さい』
どうやら、ゲームをやる前にカードを作らなければいけなかったようだ。
僕がコックピットから出ると、友人も出てきた。
「えへへ、カード持ってなかったです」
店員の指示でカードを作り、またコックピットに入り込む。
このゲームはネットに繋がっており、他のゲームセンターで同時刻にプレイしている人たちと、連邦軍VSジオン軍で4対4の対戦ができる。
てっきり、友人と対戦できると思っていたのだが、相手は他のゲーセンの人たちばかりだった。
いよいよゲームスタート。
僕が操るジムが、横歩きをしている。
僕は真っ直ぐ進みたいのだが、操作が難しい。
左右の操縦桿に、トリガーボタンが二つずつ。
さらにアクセルとブレーキペダルを足で操作しなければならない。
ザクに撃たれる。
倒れる僕のジム。
ザクに狙いを定めて僕も撃ち返す。
しかし、僕のジムは弾を撃つことなく空中に跳んでいった。
間違えてジャンプボタンを押したようだ。
どうにか、1機のザクを撃墜。
その後、僕のジムも破壊された。破壊されても、制限時間内ならすぐ復活する。
時間がきて、1ゲーム終了。
(やっと終わった〜)
画面の動きと、自分の予期している動きが全く噛み合わず、僕は少し3D酔いをしてしまった。
車酔いと一緒だ。
コックピットから出ようと思ったら、2ゲーム目が始まった。
500円で2ゲームという事だったらしい。
2ゲーム目。
僕は3D酔いをしている。
(横に動いたら酔うからな。まずは真っ直ぐ…)
真っ直ぐ歩いていたら、正面からザクに撃たれて倒れた。
(くそ〜、僕は横に動けないんだぞ。おのれ、見ておれ…)
僕は目を閉じた。
下手に動き回ると、目も回る。
じっと、時を待つのだ。
(見えるっ!)
目を開けてライフルを撃つが、そこには誰もいなかった。
後ろを向くと、同じ連邦軍のジムがザクにやられている。
(ジャ〜ンプ!)
僕のジムは建物を越えて、上からザクの前に下り立った。
すぐにザクのヒートホークで倒される。
(くそ…3D酔いさえしてなければ、上空からぶった斬ってやったのに)
最後の方は酔いが激しくなり、ジムを動かせなくなった。
目を閉じたまま適当に動かす。
3回も撃墜されて2ゲーム目も終わった。
コックピットから出ると、僕は屈みこんだ。
額には脂汗をかいている。
(吐きそ〜)
3D酔い恐るべし。僕は昔から三半器官が弱いのだ。
友人たちもゲームを終えコックピットから出てきた。
「いや〜、少し酔ったね」
友人たちも酔ったようだが、ひどくはないようだ。
僕はもう、歩けないほどに酔っている。
(映画までに復活できるかな〜?)
映画までは、まだ50分あった。
それまでハンズで買い物。
友人が買い物をしている間、僕はエレベーター前のベンチで休んでいた。
なおも気分は悪くなる。
手足は振るえ、お腹も痛くなってきた。
トイレにいくが、吐くことはできなかった。
上映時間が迫ってきたので、映画館へ。
席に座るが、気分は悪いまま。
(もう吐くしかない!)
僕はトイレに行って、無理やり吐いた。
少しは胃のムカつきが治まったが、映画が始まる直前にまた気分が悪くなってきた。
(マズイな…)
映画が始まった。
大きなスクリーンに映し出された景色がスクロールする。
(うっ!これは、酔う)
僕は目を閉じた。
酔っていては、映画どころではないのだ。
たまに目を開けるが、3秒以上観てられない。
目を閉じても、大きな音量が胃に響く。
(ダメだ…。ここから出ないと…)
僕は席から立つ代わりに、寝た。
なかなか眠れないが、目を閉じて呼吸回数を減らし、無理やり意識を遠退かせる事にしたのだ。
たまに意識が戻って画面を観ると、やっぱり吐きそうになる。
音だけを聞いていよう。
映画の登場キャラの体の一部が戻るたびに、「お〜!おぉあ〜!うおぁ〜」と苦しむ演技が入る。
(それ!僕も吐きそうなの!)
登場人物に共感だ。
どろろの上映時間は2時間半ほど。
僕がやっと画面を観ることが出来たのは、最後の対決シーンだった。
(おお、面白い。この映画けっこう面白いな)
そこで初めて映画を観たと言ってもいいだろう。
そのままエンディングテロップへ。
僕がどろろを観れたのは、最後の20分くらいだけだった。
「思ったより面白かったね」
「けっこう良かったじゃん」
どろろに満足した友人たち。
「妻夫木クン、アクション頑張ってたね」
僕も話を合わす。
映画館から出ると雨は止み、空は晴れ渡っていた。
しかし、僕の気分は晴れ渡らない。
映画の後は池袋でラーメンを食べる予定だったが、僕が食べれないのですぐに解散。
僕は仕事場に戻った。
仕事場に戻ると、仕事場の人たちがどろろの感想を聞いてきた。
「話せば長くなるのですが…。ええ、面白かったですよ。特に最後の20分。DVD買いたいですね(ほとんど観てないから)」
その日は、ずっと吐き気が続いていた。
3日経った今でもまだ、胃の調子が悪い。
2007年02月16日
太る一方
高校生の頃は、毎日自転車で通学していた。
一日に往復で14kmほど走っていただろうか。
一週間で80km以上走っていたはずだ。
今はどうだろう?
長距離こそ走るものの、走るのは2週間に1回程度だ。
これでは高校時の方が走っていた。
最近は趣味のサッカーもあまりやってないし、運動不足になる一方だ。
箱根を越えに行って、三日間で300km以上走り続けても体重は減らなかった。
三日の間、食べ物もあまり食べなかったのに…。
むしろ、帰ってきてから食べたら数日で一気に増えた。
きっと、三日では足りなかったのだろう。その前後は運動してないのだから。
もう少し定期的に走れれば、体のサイクルも体重が減る方向に変わっていくはずだ。
これから2週間は、休みがない可能性が高い。
今週は走らなかったし、2週間後までに何キロ太るかな?
太ると上り坂が辛くなる…。
一日に往復で14kmほど走っていただろうか。
一週間で80km以上走っていたはずだ。
今はどうだろう?
長距離こそ走るものの、走るのは2週間に1回程度だ。
これでは高校時の方が走っていた。
最近は趣味のサッカーもあまりやってないし、運動不足になる一方だ。
箱根を越えに行って、三日間で300km以上走り続けても体重は減らなかった。
三日の間、食べ物もあまり食べなかったのに…。
むしろ、帰ってきてから食べたら数日で一気に増えた。
きっと、三日では足りなかったのだろう。その前後は運動してないのだから。
もう少し定期的に走れれば、体のサイクルも体重が減る方向に変わっていくはずだ。
これから2週間は、休みがない可能性が高い。
今週は走らなかったし、2週間後までに何キロ太るかな?
太ると上り坂が辛くなる…。
2007年02月15日
自転車奇行・宝登山編9 〜電車を乗り継いで帰宅〜
宝登山登頂と金尾峠越えで上り坂はもう懲り懲りだったが、温泉に入るには坂を上るしかない。
勾配15%以上ありそうな坂を上る。
もちろん坂の途中で足を付いた。
500mほど歩いて、かんぽの宿寄居に到着。
坂の途中で僕を追い抜いていった四駆の自動車に乗った若者4人も、同じく入浴目的のようだ。
入浴料は800円。
風呂場は6階なので、若者4人と一緒にエレベーターで6階に向かう。
彼らは車、こちらは自転車だと思うと、何だか勝った気になってくる。

脱衣所の窓から、先ほど渡ってきた橋が下に見える。
この宿までは50m分くらいしか上ってないが、ここは6階なので標高と合わせてかなり高く見える。
風呂場に入ると、先ほどの若者4人が体を洗っている。
他にも客がいて、洗い場はほぼ塞がっていた。
一つだけ空いていた端っこの洗い場で汗を流す。
暖かいお湯が心地良い。
(極楽、極楽〜♪)
もう上り坂のことは忘れた。
後は電車で帰るだけだ。
洗い終わって風呂に浸かる。
何だか体がヌルヌルする。
一瞬、石鹸を洗い流し忘れたのかと思って焦って立ち上がったが、ここの泉質によるものだった。
湯は透明度が高く、匂いもほとんどしないので、そんなに温泉っぽくないかと思ったが間違いだった。
しばらく湯に浸けてから手を出すと、ヌルヌルスベスベだ。
去年の夏に行った二つの温泉も、湯の色と匂いは凄かったが、ここまでスベスベではなかった。
(何だか溶けていくようだ〜)
次に露天に入る。
風は冷たいが、湯は適温だ。
露天からは周りの山々が見える。
そのまま、暮れゆく山並みを見ていた。
再び内湯に。今度は泡風呂だ。
泡風呂は温泉ではなく、ただのお湯と書いてあった。
泡の勢いも大したことなく物足りないが、すでに30分以上温泉に浸かっていたのでのぼせている。
立ち眩みながら風呂場から出たが、ここの泉質は湯冷めしにくいのが特徴らしく、しばらくクラクラしていた。
かんぽの宿を出ると、もう真っ暗だった。時刻は6時少し前。
急坂を一気に下るが、全然寒くない。薄着なのに。
さすが湯冷めしにくい泉質だ。
波久礼(はぐれ)という駅に着く。
隣りの寄居駅から東武東上線で帰るのが時間的には早いのだが、都内近くを通っていくと帰宅ラッシュにぶつかる。
混んだ電車内に自転車を持ち込むのはかなり迷惑になるので、秩父鉄道で埼玉県の北部を通っていく事にした。
駅の待合室で夕食代わりのカロリーメイトを食べて電車を待つ。
30分後、3両編成の秩父鉄道がやってきた。
子供の時以来の乗車だ。懐かしい。
乗車して、自転車を手擦りに括り付けて空いてる席に座った。
埼玉県北部を西から東へ熊谷市、行田市と通っていく内に僕は少しまどろみ、1時間後、羽生駅に着いた。
途中、僕の隣りに座った女子高生二人の会話を盗み聞きしていたが、面白かった。
最初は「カレシ」の話をしていたが、一人が新しい香水を制服の袖口に付けたらしく、袖の匂いを嗅いでは、「よくね?これ、よくね?」と言っている。
ス〜ハ〜
「ハァ〜、マジいいわぁ〜」
ス〜ハ〜
「マジよくね?よくね?」
何だか北関東訛りだ。
さっきまでは周りは秩父訛りだったのだが、今は北関東の訛りを聞いている。
少しだけ旅をしてるという実感が湧いてきた。
「明日のお昼、何食べる?」
「え〜、どうしよっかな〜?最近、唐揚げにハマってんだよね」
「唐揚げチョー美味しいよね」
「唐揚げにしよっかな〜。ヤベ〜、楽しみになってきた」
何だか、明日のお昼に何を食べるかで盛り上がっている。まだ前日の夜だ。
僕は目を閉じながら、女子高生たちの会話に笑いそうになった。
羽生駅からは東武伊勢崎線に乗り換える。
伊勢崎線で南に向かい、春日部駅で東武野田線に乗り換えて東に向かう。
これでやっと地元の千葉県に戻ってきた。
流山おおたかの森駅で野田線を降り、自転車を組み立てる。
午後9時。あとは自宅まで20分ほど走ればいい。
(遠回りしたから時間も電車賃もかかったな〜)
しかも、2千円分残ってたパスネットをどこかで落とした。
走っていると、自転車がギシギシ軋む。
やはり、砂利道の下山が負担だったのだろう。
僕の肘も痛いし、手に力が入らない。
ショックを和らげるのに肘を使ったし、ガタガタの道だったので握力も使った。
さらに、自転車を持ち上げて駅構内を移動したので、腕全体が疲れている。
脚はまだ大丈夫そうだ。
距離は48kmしか走っていないし。
だが、距離は短かったが、中身は充実していた。
一日であんなに多くの人と話した事はない。
(登山もいいなぁ)
そう思えた一日だった。
〜宝登山編・完〜
勾配15%以上ありそうな坂を上る。
もちろん坂の途中で足を付いた。
500mほど歩いて、かんぽの宿寄居に到着。
坂の途中で僕を追い抜いていった四駆の自動車に乗った若者4人も、同じく入浴目的のようだ。
入浴料は800円。
風呂場は6階なので、若者4人と一緒にエレベーターで6階に向かう。
彼らは車、こちらは自転車だと思うと、何だか勝った気になってくる。

脱衣所の窓から、先ほど渡ってきた橋が下に見える。
この宿までは50m分くらいしか上ってないが、ここは6階なので標高と合わせてかなり高く見える。
風呂場に入ると、先ほどの若者4人が体を洗っている。
他にも客がいて、洗い場はほぼ塞がっていた。
一つだけ空いていた端っこの洗い場で汗を流す。
暖かいお湯が心地良い。
(極楽、極楽〜♪)
もう上り坂のことは忘れた。
後は電車で帰るだけだ。
洗い終わって風呂に浸かる。
何だか体がヌルヌルする。
一瞬、石鹸を洗い流し忘れたのかと思って焦って立ち上がったが、ここの泉質によるものだった。
湯は透明度が高く、匂いもほとんどしないので、そんなに温泉っぽくないかと思ったが間違いだった。
しばらく湯に浸けてから手を出すと、ヌルヌルスベスベだ。
去年の夏に行った二つの温泉も、湯の色と匂いは凄かったが、ここまでスベスベではなかった。
(何だか溶けていくようだ〜)
次に露天に入る。
風は冷たいが、湯は適温だ。
露天からは周りの山々が見える。
そのまま、暮れゆく山並みを見ていた。
再び内湯に。今度は泡風呂だ。
泡風呂は温泉ではなく、ただのお湯と書いてあった。
泡の勢いも大したことなく物足りないが、すでに30分以上温泉に浸かっていたのでのぼせている。
立ち眩みながら風呂場から出たが、ここの泉質は湯冷めしにくいのが特徴らしく、しばらくクラクラしていた。
かんぽの宿を出ると、もう真っ暗だった。時刻は6時少し前。
急坂を一気に下るが、全然寒くない。薄着なのに。
さすが湯冷めしにくい泉質だ。
波久礼(はぐれ)という駅に着く。
隣りの寄居駅から東武東上線で帰るのが時間的には早いのだが、都内近くを通っていくと帰宅ラッシュにぶつかる。
混んだ電車内に自転車を持ち込むのはかなり迷惑になるので、秩父鉄道で埼玉県の北部を通っていく事にした。
駅の待合室で夕食代わりのカロリーメイトを食べて電車を待つ。
30分後、3両編成の秩父鉄道がやってきた。
子供の時以来の乗車だ。懐かしい。
乗車して、自転車を手擦りに括り付けて空いてる席に座った。
埼玉県北部を西から東へ熊谷市、行田市と通っていく内に僕は少しまどろみ、1時間後、羽生駅に着いた。
途中、僕の隣りに座った女子高生二人の会話を盗み聞きしていたが、面白かった。
最初は「カレシ」の話をしていたが、一人が新しい香水を制服の袖口に付けたらしく、袖の匂いを嗅いでは、「よくね?これ、よくね?」と言っている。
ス〜ハ〜
「ハァ〜、マジいいわぁ〜」
ス〜ハ〜
「マジよくね?よくね?」
何だか北関東訛りだ。
さっきまでは周りは秩父訛りだったのだが、今は北関東の訛りを聞いている。
少しだけ旅をしてるという実感が湧いてきた。
「明日のお昼、何食べる?」
「え〜、どうしよっかな〜?最近、唐揚げにハマってんだよね」
「唐揚げチョー美味しいよね」
「唐揚げにしよっかな〜。ヤベ〜、楽しみになってきた」
何だか、明日のお昼に何を食べるかで盛り上がっている。まだ前日の夜だ。
僕は目を閉じながら、女子高生たちの会話に笑いそうになった。
羽生駅からは東武伊勢崎線に乗り換える。
伊勢崎線で南に向かい、春日部駅で東武野田線に乗り換えて東に向かう。
これでやっと地元の千葉県に戻ってきた。
流山おおたかの森駅で野田線を降り、自転車を組み立てる。
午後9時。あとは自宅まで20分ほど走ればいい。
(遠回りしたから時間も電車賃もかかったな〜)
しかも、2千円分残ってたパスネットをどこかで落とした。
走っていると、自転車がギシギシ軋む。
やはり、砂利道の下山が負担だったのだろう。
僕の肘も痛いし、手に力が入らない。
ショックを和らげるのに肘を使ったし、ガタガタの道だったので握力も使った。
さらに、自転車を持ち上げて駅構内を移動したので、腕全体が疲れている。
脚はまだ大丈夫そうだ。
距離は48kmしか走っていないし。
だが、距離は短かったが、中身は充実していた。
一日であんなに多くの人と話した事はない。
(登山もいいなぁ)
そう思えた一日だった。
〜宝登山編・完〜
2007年02月14日
自転車奇行・宝登山編8 〜長瀞から寄居へ〜
宝登山のロープウェイ乗り場横の駐車場から、急坂を一気に駆け下りる。
時速45km。
ここは舗装路なので、大丈夫だ。
宝登山神社の参道との合流でブレーキを掛け減速し、そのままのんびりと長瀞(ながとろ)駅まで下っていく。

長瀞駅は宝登山帰りの人でいっぱい。
長瀞には国の天然記念物である荒川沿いの岩畳などもあるが、ほとんどはロウバイを観に訪れた人たちだろう。
僕も、この長瀞駅から電車に乗ってしまっても良かったのだが、まだ4時前なのでもう少し走っておこうと思う。
荒川沿いに北上し、川に沿って東に曲がっていくと寄居駅がある。
電車に乗るのはその辺でいいだろう。
国道140号で北上すれば迷子にはならないが、あえて川に近い裏道を行くのも良い。

ところどころ川原が見える。
どうせなら、川の向こうに渡りたい。
川は東に向かって右カーブするので、川の右側を通ればカーブの内側を通ることになり、走る距離が縮む。
どこかに橋はないかと、地図を見ながら信号で止まっていると、
「どっち〜?」
横から自転車を押して歩いてきたおじいさんが話し掛けてきた。
僕は地図を見せながらおじいさんに尋ねた。
「寄居の方へ行きたいんですけど、川の向こうの道を通って行きたいんですよ。今、この辺ですかねぇ?」
「そうね〜、ここを行けば橋がありますから〜、それを渡ると丁字路に当たるんで〜、左に行って下さい」
「そうですか、左に行けば寄居ですね」
「そうです〜、途中にカナオ峠がありますけど〜」
「ありがとうございました〜」
おじいさんに礼を言って橋を渡る。
でも、おじいさんは気になる事を言っていたな。
『カナオ峠がありますけど』
まぁ、いいか。
寄居までは10kmほど。大した事はないだろう。
僕はのんびり走っていった。

大した事あった!
途中からなんとなく道が上り始めたと思ったら、この有り様だ。
頑張って喰らいついたが、峠まであと少しで地面に足をついてしまった。
もう上る体力がない。

金尾峠からの眺め。
上った標高差は100mもないが、大した事ないと思い込んでいたので手強く感じた。
素直に、下に見える街中の国道140号を走っていれば良かった。
ショートカットのつもりが思わぬ遠回りに。
もう上りはいいです。

峠から下ると、寄居町の街中だ。
寄居橋を渡って国道140号に合流。
橋の上に見える建物は、かんぽの宿といって、温泉施設がある。
最後にそこに寄って、温泉で汗を流してから帰ろう。
いや、しかし、上に見えてるぞ。
かんぽの宿に近付くと、本日最大級の急勾配が待ち構えていた。
(これを上るのか〜)
上らなければ温泉には入れない。
〜続く〜
時速45km。
ここは舗装路なので、大丈夫だ。
宝登山神社の参道との合流でブレーキを掛け減速し、そのままのんびりと長瀞(ながとろ)駅まで下っていく。

長瀞駅は宝登山帰りの人でいっぱい。
長瀞には国の天然記念物である荒川沿いの岩畳などもあるが、ほとんどはロウバイを観に訪れた人たちだろう。
僕も、この長瀞駅から電車に乗ってしまっても良かったのだが、まだ4時前なのでもう少し走っておこうと思う。
荒川沿いに北上し、川に沿って東に曲がっていくと寄居駅がある。
電車に乗るのはその辺でいいだろう。
国道140号で北上すれば迷子にはならないが、あえて川に近い裏道を行くのも良い。

ところどころ川原が見える。
どうせなら、川の向こうに渡りたい。
川は東に向かって右カーブするので、川の右側を通ればカーブの内側を通ることになり、走る距離が縮む。
どこかに橋はないかと、地図を見ながら信号で止まっていると、
「どっち〜?」
横から自転車を押して歩いてきたおじいさんが話し掛けてきた。
僕は地図を見せながらおじいさんに尋ねた。
「寄居の方へ行きたいんですけど、川の向こうの道を通って行きたいんですよ。今、この辺ですかねぇ?」
「そうね〜、ここを行けば橋がありますから〜、それを渡ると丁字路に当たるんで〜、左に行って下さい」
「そうですか、左に行けば寄居ですね」
「そうです〜、途中にカナオ峠がありますけど〜」
「ありがとうございました〜」
おじいさんに礼を言って橋を渡る。
でも、おじいさんは気になる事を言っていたな。
『カナオ峠がありますけど』
まぁ、いいか。
寄居までは10kmほど。大した事はないだろう。
僕はのんびり走っていった。

大した事あった!
途中からなんとなく道が上り始めたと思ったら、この有り様だ。
頑張って喰らいついたが、峠まであと少しで地面に足をついてしまった。
もう上る体力がない。

金尾峠からの眺め。
上った標高差は100mもないが、大した事ないと思い込んでいたので手強く感じた。
素直に、下に見える街中の国道140号を走っていれば良かった。
ショートカットのつもりが思わぬ遠回りに。
もう上りはいいです。

峠から下ると、寄居町の街中だ。
寄居橋を渡って国道140号に合流。
橋の上に見える建物は、かんぽの宿といって、温泉施設がある。
最後にそこに寄って、温泉で汗を流してから帰ろう。
いや、しかし、上に見えてるぞ。
かんぽの宿に近付くと、本日最大級の急勾配が待ち構えていた。
(これを上るのか〜)
上らなければ温泉には入れない。
〜続く〜
自転車奇行・宝登山編7 〜下山〜
ロウバイを観た後は下山するのだが、どのルートから下山するか迷った。
山頂からさらに奥に向かって長瀞アルプスという登山道を行くか、普通に登ってきた道を下るかの選択だ。
長瀞アルプスルートは、最初は階段を下りないといけないし、その先も自転車で走れるか分からない。
時刻も午後3時半になるし、道に迷ったら日が暮れてしまう。
同じ道を戻るのは面白味がないが、たまには登ってきた道を下るのもいいだろう。
あの砂利道を下るのは、かえって面白そうだ。
というわけで、登ってきたルートを戻る事にした。
戻ろうと思ったら、山頂で話した夫婦が登山道を下りていくとこに出くわした。
「あ、どうも」
僕は挨拶した。
「帰るのかい?」
「ええ、登りは大変でしたが、下りは楽です。一回も漕がなくても戻れますね」
「帰り道はこっちでいいんだよね?」
「そうですよ、このまま下りてって右に曲がれば大丈夫です」
「今日はどこから来たの?」
「秩父から走ってきました」
「秩父の人?」
「いや、秩父までは西武線で来たんですよ、池袋から」
「へ〜、じゃあまた秩父に戻るのかい?」
「いや、北上して寄居の方に抜けようかと思います。最初は、尾根沿いに長瀞アルプスを通って野上駅に出ようと思ってたんですけど、日も暮れそうなのでやめました」
「そうだね、秩父へは上りになってるから、寄居に行って東武東上線で帰る方が楽だろうね」
夫婦は秩父方面の人だろう。話し方に秩父訛りがある。
僕が子供の頃は、田舎である秩父に休みごとに行っていたので、懐かしい訛りだ。
そんな地元の人と、地元の駅名を出して話すのも面白い。
「それじゃ、お先に」
僕は夫婦と別れると、砂利道を下り始めた。
最初は恐る恐る下っていたが、段々と慣れてくる。
しかし、慣れたからといって調子に乗ってはいけない。
路面は砂利道とは言っても、大きな石もゴロゴロしている。
尖った石を踏めばパンクしかねない。

さらに、乗っているのは折り畳み自転車である。
衝撃で折り畳み部分が壊れたら転倒確実だ。
衝撃は、腰を浮かせて肘と膝で吸収しないといけない。
スピードが出過ぎても危険だ。
登るのに、散々苦労した急勾配だ。どんどんスピードが出る。
ブレーキを掛けても、砂利ごと滑って進んでしまい止まらないのだ。
舗装路ではあり得ないような急コーナーになっているので、曲がりきれなければ急斜面に飛び出してしまう。
大きなデコボコを避ける。
例えば一個のデコボコを左に避けると、次のデコボコがあって、右には大きな石があって行けないのでまた左に避ける。
そうやってコース取りが限定されてしまい、また大きなデコボコがあって、左に。
すると、道からはみ出して崖下に落ちてしまいそうになる。
なかなか怖い道だ。
怖いが、面白い。
今まで下ったどの坂道より、面白味がある。
登山道だし、歩いて下山している人も多いので、追い抜くときは一旦2kmくらいに減速して「すいません、通りま〜す」と言って抜いていく。
若いカップルがいて、男の方は大きな三脚を担いで下山している。
なかなか大変そうだ。
女の方も、踵の高い靴で下山している。
なかなか大変そうだ。
「すいませ〜ん」
と横を通っていくと、男の方が僕の自転車を見て「スゲェ」と言っていた。
僕からすると、踵の高い靴でこの道を下りるあんたの彼女の方がすごく思えるのだが。
そうして、長々と登った道を一気に下り終えた。
山頂からの距離は3kmちょいだった。
登りは45分くらい掛かったが、下りは10分ほどだろう。

宝登山を後にする。
もう日も傾いている。
あの森の向こうはゴルフ場が広がっている。
バイバイ、宝登山。
〜続く〜
山頂からさらに奥に向かって長瀞アルプスという登山道を行くか、普通に登ってきた道を下るかの選択だ。
長瀞アルプスルートは、最初は階段を下りないといけないし、その先も自転車で走れるか分からない。
時刻も午後3時半になるし、道に迷ったら日が暮れてしまう。
同じ道を戻るのは面白味がないが、たまには登ってきた道を下るのもいいだろう。
あの砂利道を下るのは、かえって面白そうだ。
というわけで、登ってきたルートを戻る事にした。
戻ろうと思ったら、山頂で話した夫婦が登山道を下りていくとこに出くわした。
「あ、どうも」
僕は挨拶した。
「帰るのかい?」
「ええ、登りは大変でしたが、下りは楽です。一回も漕がなくても戻れますね」
「帰り道はこっちでいいんだよね?」
「そうですよ、このまま下りてって右に曲がれば大丈夫です」
「今日はどこから来たの?」
「秩父から走ってきました」
「秩父の人?」
「いや、秩父までは西武線で来たんですよ、池袋から」
「へ〜、じゃあまた秩父に戻るのかい?」
「いや、北上して寄居の方に抜けようかと思います。最初は、尾根沿いに長瀞アルプスを通って野上駅に出ようと思ってたんですけど、日も暮れそうなのでやめました」
「そうだね、秩父へは上りになってるから、寄居に行って東武東上線で帰る方が楽だろうね」
夫婦は秩父方面の人だろう。話し方に秩父訛りがある。
僕が子供の頃は、田舎である秩父に休みごとに行っていたので、懐かしい訛りだ。
そんな地元の人と、地元の駅名を出して話すのも面白い。
「それじゃ、お先に」
僕は夫婦と別れると、砂利道を下り始めた。
最初は恐る恐る下っていたが、段々と慣れてくる。
しかし、慣れたからといって調子に乗ってはいけない。
路面は砂利道とは言っても、大きな石もゴロゴロしている。
尖った石を踏めばパンクしかねない。

さらに、乗っているのは折り畳み自転車である。
衝撃で折り畳み部分が壊れたら転倒確実だ。
衝撃は、腰を浮かせて肘と膝で吸収しないといけない。
スピードが出過ぎても危険だ。
登るのに、散々苦労した急勾配だ。どんどんスピードが出る。
ブレーキを掛けても、砂利ごと滑って進んでしまい止まらないのだ。
舗装路ではあり得ないような急コーナーになっているので、曲がりきれなければ急斜面に飛び出してしまう。
大きなデコボコを避ける。
例えば一個のデコボコを左に避けると、次のデコボコがあって、右には大きな石があって行けないのでまた左に避ける。
そうやってコース取りが限定されてしまい、また大きなデコボコがあって、左に。
すると、道からはみ出して崖下に落ちてしまいそうになる。
なかなか怖い道だ。
怖いが、面白い。
今まで下ったどの坂道より、面白味がある。
登山道だし、歩いて下山している人も多いので、追い抜くときは一旦2kmくらいに減速して「すいません、通りま〜す」と言って抜いていく。
若いカップルがいて、男の方は大きな三脚を担いで下山している。
なかなか大変そうだ。
女の方も、踵の高い靴で下山している。
なかなか大変そうだ。
「すいませ〜ん」
と横を通っていくと、男の方が僕の自転車を見て「スゲェ」と言っていた。
僕からすると、踵の高い靴でこの道を下りるあんたの彼女の方がすごく思えるのだが。
そうして、長々と登った道を一気に下り終えた。
山頂からの距離は3kmちょいだった。
登りは45分くらい掛かったが、下りは10分ほどだろう。

宝登山を後にする。
もう日も傾いている。
あの森の向こうはゴルフ場が広がっている。
バイバイ、宝登山。
〜続く〜
2007年02月13日
自転車奇行・宝登山編6 〜ロウバイ〜
動物園からロープウェイ乗り場までの急坂を、助走を付けて登るも一気に失速。
ぬかるんだ路面を自転車を押して登っていく。
そのまま、宝登山神社奥宮を右上に見つつ進むと、ロープウェイの山頂駅やレストハウスが見えてくる。

ロープウェイ乗り場とロウバイ園への分岐を右に登っていく。
ここも急だが、向こうが開けている。
そこにロウバイが広がっているに違いない。
僕は高揚して疲れも吹っ飛び、自転車で登っていった。
すると嗅いだことのない甘い香りが漂ってきた。
(この匂いは?これがロウバイ?)
しかし、枯れたような木ばかりで花はどこに咲いているのか分からない。
…と思ったら…、

一面がロウバイ!
枯れ木と思っていたのは、黄色い花のせいだった。
(お〜!おお〜!)
初めて見る光景に驚く。写真では見たことあるけど…。

周りはロウバイを観に来た人で溢れてる。
みんなカメラを手にしている。
その中を僕は、申し訳なさそうに自転車を押して通ってゆく。

僕も自転車を停めてロウバイを撮った。
空と森とロウバイのコントラストが鮮やかだ。
「あれ、自転車があるわ」
「あれで登ってきたんじゃない?」
壮年の夫婦が僕の自転車を見て話していたので、話し掛けた。
「そうです、これで登ってきました」
「へ〜、すごいね〜。どこから来たの?」
「麓から来ました」
僕は、登って来た達成感でそう答えてしまったが、向こうの質問の意図は、「僕がどこに住んでいて、どこから走ってきたのか?」という事だったに違いない。
あまりにも間抜けな答えだ…。
その後も、いろんな人に話し掛けられた。
自転車と一緒でなければ、こちらからも向こうからも話す事はなかったろう。
花を観るのに邪魔ではあるが、ここまで自転車で来た甲斐があったというものだ。

ロウバイと武甲山の構図。
秩父市内からは大きく近くに見えていた武甲山だが、宝登山からは遠い。
しかし、遠くにあってこの存在感。さすが武甲山。

ロウバイ園の裏手には麓の宝登山神社の奥宮がある。
日本武尊を助けた犬が狛犬となって鎮座する。
おみくじを引いたら中吉だった。
ついでに山頂で記念撮影。
若いカップルが互いを撮り合っていたので、僕が二人一緒のを撮ってあげる。
換わりに僕も撮ってもらおうとカップルにカメラを渡した途端、おばちゃんが横から「私を撮って〜」と割り込んできた。
おばちゃんからカメラを受け取って撮ってあげようとすると、
「お〜い、早くぅ、こっちこっち〜」
仲間のおばちゃんも向こうからやってきた。
なので、おばちゃん二人を撮ってあげる。
先ほどのカップルが、僕のカメラを持ったまま横で待っていてくれたので撮ってもらおうとすると、
「換わりに撮るわよ〜」
僕のカメラはおばちゃんの手に渡った。
待っていてくれたカップルに礼を言って、自転車と共に指標の前に立ち、おばちゃんにシャッターを押してもらう。

『宝登山 497.1M』
後で見ると、おばちゃんの指がレンズに掛かって写り込んでいた。
〜続く〜
ぬかるんだ路面を自転車を押して登っていく。
そのまま、宝登山神社奥宮を右上に見つつ進むと、ロープウェイの山頂駅やレストハウスが見えてくる。

ロープウェイ乗り場とロウバイ園への分岐を右に登っていく。
ここも急だが、向こうが開けている。
そこにロウバイが広がっているに違いない。
僕は高揚して疲れも吹っ飛び、自転車で登っていった。
すると嗅いだことのない甘い香りが漂ってきた。
(この匂いは?これがロウバイ?)
しかし、枯れたような木ばかりで花はどこに咲いているのか分からない。
…と思ったら…、

一面がロウバイ!
枯れ木と思っていたのは、黄色い花のせいだった。
(お〜!おお〜!)
初めて見る光景に驚く。写真では見たことあるけど…。

周りはロウバイを観に来た人で溢れてる。
みんなカメラを手にしている。
その中を僕は、申し訳なさそうに自転車を押して通ってゆく。

僕も自転車を停めてロウバイを撮った。
空と森とロウバイのコントラストが鮮やかだ。
「あれ、自転車があるわ」
「あれで登ってきたんじゃない?」
壮年の夫婦が僕の自転車を見て話していたので、話し掛けた。
「そうです、これで登ってきました」
「へ〜、すごいね〜。どこから来たの?」
「麓から来ました」
僕は、登って来た達成感でそう答えてしまったが、向こうの質問の意図は、「僕がどこに住んでいて、どこから走ってきたのか?」という事だったに違いない。
あまりにも間抜けな答えだ…。
その後も、いろんな人に話し掛けられた。
自転車と一緒でなければ、こちらからも向こうからも話す事はなかったろう。
花を観るのに邪魔ではあるが、ここまで自転車で来た甲斐があったというものだ。

ロウバイと武甲山の構図。
秩父市内からは大きく近くに見えていた武甲山だが、宝登山からは遠い。
しかし、遠くにあってこの存在感。さすが武甲山。

ロウバイ園の裏手には麓の宝登山神社の奥宮がある。
日本武尊を助けた犬が狛犬となって鎮座する。
おみくじを引いたら中吉だった。
ついでに山頂で記念撮影。
若いカップルが互いを撮り合っていたので、僕が二人一緒のを撮ってあげる。
換わりに僕も撮ってもらおうとカップルにカメラを渡した途端、おばちゃんが横から「私を撮って〜」と割り込んできた。
おばちゃんからカメラを受け取って撮ってあげようとすると、
「お〜い、早くぅ、こっちこっち〜」
仲間のおばちゃんも向こうからやってきた。
なので、おばちゃん二人を撮ってあげる。
先ほどのカップルが、僕のカメラを持ったまま横で待っていてくれたので撮ってもらおうとすると、
「換わりに撮るわよ〜」
僕のカメラはおばちゃんの手に渡った。
待っていてくれたカップルに礼を言って、自転車と共に指標の前に立ち、おばちゃんにシャッターを押してもらう。

『宝登山 497.1M』
後で見ると、おばちゃんの指がレンズに掛かって写り込んでいた。
〜続く〜
自転車奇行・宝登山編5 〜宝登山動物園〜
激坂で下山者の長い列とすれ違って、カッコつけるために自転車を降りなかったので、心肺機能が限界を迎えた。
動悸は激しく、頭はクラクラして目が回り、手足は震えて吐き気を催してきた。
やはり睡眠不足がたたってきた。
どうにもならなくなって自転車を押しながら登っていると、またおばちゃん軍団が下ってきた。
僕を見て、
「あら、自転車。こんなとこ登れるのかしら?」
「登れるわよ、富士山とか登る人もいるんだから」
「あ〜ら、たいへんね〜」
などと、話しているのが聞こえる。
僕はもう、死にそうな顔をして俯いたままだ。
俯いた顔から汗がポタポタと落ちる。
さぞかし、気持ち悪い風体だったろう。出来れば、爽やかに登っていきたいもんだ。
少し登るとイスのある休憩所があったので、そこで座って休んだ。
寒風が汗を冷やすが、それが心地良い。
すぐに寒くなるが、体が動かない。
僕は、登山道を甘く考えていたようだ。
登山道は、舗装路より短い距離で標高を稼ぐのだ。勾配はその分キツい。
遠くの山々が見える。
向こうに見える山を平行に見ると、自分のいる標高の見当が付く。けっこう登ってきているのが分かる。
あと少し。
しかし、体がもう動かない。登る前にうどんを食べてきたのに、力が湧いてこない。
(参ったなぁ…)
僕の後から登ってきたおばちゃん軍団が、僕を抜いて登っていった。
この時点で僕はつまり、徒歩より遅く登っているという事になる。
砂利道の登山道はつづら折れになっており、ところどころ直線的に木の根の階段でショートカットできるので、おばちゃん達はそこを登ってきたのかもしれないが…。
(このままここにいても、寒くなって風邪をひくだけだな〜)
また夫婦の下山者がやってきて、少し話す。
「あら、自転車で行くの?」
「ええ、もう疲れきってしまいましたが…。あと少しで頂上ですかね?」
「う〜ん。もうちょっとあるね。でも、10分くらい登れば終わりかな。もう少しだから頑張って」
「はい…ありがとうございま〜す」
夫婦が過ぎると、僕は立ち眩みながら立ち上がった。
立ち眩みが治まると、また自転車に乗って漕ぎ出した。
少し漕いではまた降りるの繰り返しで、どうにか山頂方面と動物園への分岐に辿り着いた。
宝登山には、小動物園が設けられていて、ウサギや猿や鹿などがいる。
僕は休憩がてら動物園に立ち寄った。
動物園前には車が停まっていたので、僕が通ってきた登山道は車もギリギリ通れるようだ。

ウサギにエサをあげる。
ウサギは立ち上がって僕の手からニンジンを食んでいく。
なかなか可愛くて疲れを忘れる。
ウサギの後は、タヌキやヤギなどを見ながら猿山の方へ下りていく。
動物園は山の斜面にあるので、見晴らしが良い。
猿山では、猿がケンカをしていた。
ケンカの行く末も気になったが、そろそろまた自転車に戻ろう。
頂上までは、もうすぐだ。
〜続く〜
動悸は激しく、頭はクラクラして目が回り、手足は震えて吐き気を催してきた。
やはり睡眠不足がたたってきた。
どうにもならなくなって自転車を押しながら登っていると、またおばちゃん軍団が下ってきた。
僕を見て、
「あら、自転車。こんなとこ登れるのかしら?」
「登れるわよ、富士山とか登る人もいるんだから」
「あ〜ら、たいへんね〜」
などと、話しているのが聞こえる。
僕はもう、死にそうな顔をして俯いたままだ。
俯いた顔から汗がポタポタと落ちる。
さぞかし、気持ち悪い風体だったろう。出来れば、爽やかに登っていきたいもんだ。
少し登るとイスのある休憩所があったので、そこで座って休んだ。
寒風が汗を冷やすが、それが心地良い。
すぐに寒くなるが、体が動かない。
僕は、登山道を甘く考えていたようだ。
登山道は、舗装路より短い距離で標高を稼ぐのだ。勾配はその分キツい。
遠くの山々が見える。
向こうに見える山を平行に見ると、自分のいる標高の見当が付く。けっこう登ってきているのが分かる。
あと少し。
しかし、体がもう動かない。登る前にうどんを食べてきたのに、力が湧いてこない。
(参ったなぁ…)
僕の後から登ってきたおばちゃん軍団が、僕を抜いて登っていった。
この時点で僕はつまり、徒歩より遅く登っているという事になる。
砂利道の登山道はつづら折れになっており、ところどころ直線的に木の根の階段でショートカットできるので、おばちゃん達はそこを登ってきたのかもしれないが…。
(このままここにいても、寒くなって風邪をひくだけだな〜)
また夫婦の下山者がやってきて、少し話す。
「あら、自転車で行くの?」
「ええ、もう疲れきってしまいましたが…。あと少しで頂上ですかね?」
「う〜ん。もうちょっとあるね。でも、10分くらい登れば終わりかな。もう少しだから頑張って」
「はい…ありがとうございま〜す」
夫婦が過ぎると、僕は立ち眩みながら立ち上がった。
立ち眩みが治まると、また自転車に乗って漕ぎ出した。
少し漕いではまた降りるの繰り返しで、どうにか山頂方面と動物園への分岐に辿り着いた。
宝登山には、小動物園が設けられていて、ウサギや猿や鹿などがいる。
僕は休憩がてら動物園に立ち寄った。
動物園前には車が停まっていたので、僕が通ってきた登山道は車もギリギリ通れるようだ。

ウサギにエサをあげる。
ウサギは立ち上がって僕の手からニンジンを食んでいく。
なかなか可愛くて疲れを忘れる。
ウサギの後は、タヌキやヤギなどを見ながら猿山の方へ下りていく。
動物園は山の斜面にあるので、見晴らしが良い。
猿山では、猿がケンカをしていた。
ケンカの行く末も気になったが、そろそろまた自転車に戻ろう。
頂上までは、もうすぐだ。
〜続く〜
2007年02月09日
自転車奇行・宝登山編4 〜登山道を往く〜
勾配15%はありそうな急坂を登って、ハァハァ息を切らせて駐車場に辿り着く。
どこから登山道があるのか分からないが、ロープウェイ乗り場の横の砂利道が上り坂だ。
とりあえずそこを登っていけばいいだろう。
途中に子猫が3匹いたので、話し掛けてみたが無視された。
砂利道は、ロープウェイ乗り場と分岐し、さらに上っている。やはりこれが登山道だろう。
登山道を下りてくる人たちは多い。
みな、ロウバイを観に来た人たちだろう。
その流れに逆らって、僕は自転車で登ってゆく。
ロープウェイ乗り場からは緩やかな坂だったが、どんどん急になってくる。

道は広いものの、大きな岩などでデコボコになり、いよいよ自転車を漕げなくなった。
降りて自転車を停めると、前輪と後輪の高低差がよく分かる。
(こんなとこ登っていけるのか〜?)
案の定、自転車を漕ぎ出すと体重が後ろに掛かり、前輪が浮いて転びそうになった。
急坂で一旦止まったら、再加速するのは難しい。
素直に自転車を押していこう。
自転車を押していると、上から下りてきたおばちゃん軍団が僕に話し掛けてきた。
「あっら〜、自転車で登るの?」
「はい、何とか頂上まで行くつもりです」
「ええっ?行けるのかしら?」
「階段とかありますか?」
「階段はないけど…うん、案外行けそうねぇ」
「そうですか、まぁ階段があっても多少なら担いで登りますよ」
「そう、頑張ってね〜」
「ありがとうございま〜す」
頑張ってと言われたので、勾配が緩くなったところでまた自転車を漕ぎ始める。
少し登ると、またおばちゃん軍団とすれ違う。
「まぁ!」
「あら!」
「自転車だわ!」
僕を見て、口々に何か言っている。
登山道で登山者とすれ違う場合、自転車側が自転車を降りて道を空けてすれ違うのがマナーである。
道幅はあるが、カーブに差し掛かったとこだったので僕もそうしようと思っていた。
ところが…、
「ほらほら、頑張って!」
「こういうとこは一気に行かないとね」
逆におばちゃん達が道を空け、僕が登るのを待っている。
「ありがとうございま〜す。何とか登りきりま〜す」
そう言いながらも、そこは急坂だったので僕は自転車を降りたかった。
「わっかいわね〜。ホント若いわぁ〜」
おばちゃん達のそんな声を後ろに聞きながら、おばちゃん達が見えなくなるまで登り、自転車を降りた。
トットットットット
脈拍が速くて自転車を漕げないので押していく。
脚はまだ大丈夫だが、心肺機能の限界が近い。
下りてくる夫婦とすれ違い、挨拶を交わす。

木々が切り倒された見晴らしの良い場所に出た。
見晴らしは良いが、北風が冷たい。
急速に汗が冷えていく。
寒くなったので下山者と一言話した後、自転車を漕ぎ出す。
前方に急坂。しかも遠目に分かるほどにかなりデコボコ。
だが、休憩直後なのでなんとか登っていく。
ガッタンガッタン、ガクン、ガタガタン
サスペンション付きの折り畳み自転車でタイヤも太いが、けっこうな衝撃がある。
腰を浮かして肘と膝で衝撃を抑えつつ登る。
デコボコの小ピークを一個一個越えるので、時速は6〜7kmしかない。
(もう疲れた〜)
自転車を降りようか迷っていると、前方からおばちゃん軍団が下ってきた。
「あれあれ!」
「まあまあ!」
「すっご〜い!」
おばちゃん達が僕を見て驚いている。
おばちゃん達は道の右側を歩いてたので、僕は道の左端(崖側)を通ってすれ違う。
「頑張れ、頑張れ」
「はいっ、頑張ります!」
(もう限界です!)
例によって、応援されている横で自転車を降りることは出来ない。
「すご〜い!若いわねぇ〜」
「もうへろへろですけどね」
(マジやばいって!)
もしここで自転車を降りたら、せっかく励ましてくれてるのに「あ〜あ、な〜んだ」という事になってしまう。
「あらまぁ!自転車で!?」
「ええ、なんとか上まで行こうと思います」
(もう漕げないんだよォ〜!)
なんか、この下山者の列は長い。おばちゃん達の他、カップルや若い女性も混じっている。
(何人下りてくるんだ〜?)
「頑張って〜」
「はい、ありがとうございま〜す」
(ゆっくり余裕で登ってるように見えるかもしれないけど、もう倒れそうなんですよ〜!)
すれ違う人の表情を見ると、僕が自転車を降りるとはこれっぽっちも思ってもない顔をしている。
「体力あるね〜」
「いいね〜」
次々に励ましと驚嘆の声を受ける。
かつて僕がこんなに声援を受けたり、褒められたりした事があろうか?
いや、無い!
この場では、僕は英雄なのだ!
英雄が自転車を降りる事は許されない!
………。
激坂を登り切った。
カーブを曲がって下山者の列が見えなくなったところで自転車を降り、ハァハァゼェゼェと息をした。
脈もヤバい。
(もうこれ以上漕げない…)
僕は自転車を押し始めた。
すぐまた下山者とすれ違うが、最初から自転車に乗っていなければ降りることもないのだ。
軽く挨拶すれば済む。
下りて来たおばちゃんと目が合ったので挨拶した。
おばちゃんは、こんなとこに自転車で来ている僕に一瞬驚いたようだった。
「乗らないの?」
おばちゃんはそう訊いてきた。
自然な質問だ。
「ええ、もう疲れ果てました…。すごい急な坂があって…」
僕はもう英雄ではなかった…。
〜続く〜
どこから登山道があるのか分からないが、ロープウェイ乗り場の横の砂利道が上り坂だ。
とりあえずそこを登っていけばいいだろう。
途中に子猫が3匹いたので、話し掛けてみたが無視された。
砂利道は、ロープウェイ乗り場と分岐し、さらに上っている。やはりこれが登山道だろう。
登山道を下りてくる人たちは多い。
みな、ロウバイを観に来た人たちだろう。
その流れに逆らって、僕は自転車で登ってゆく。
ロープウェイ乗り場からは緩やかな坂だったが、どんどん急になってくる。

道は広いものの、大きな岩などでデコボコになり、いよいよ自転車を漕げなくなった。
降りて自転車を停めると、前輪と後輪の高低差がよく分かる。
(こんなとこ登っていけるのか〜?)
案の定、自転車を漕ぎ出すと体重が後ろに掛かり、前輪が浮いて転びそうになった。
急坂で一旦止まったら、再加速するのは難しい。
素直に自転車を押していこう。
自転車を押していると、上から下りてきたおばちゃん軍団が僕に話し掛けてきた。
「あっら〜、自転車で登るの?」
「はい、何とか頂上まで行くつもりです」
「ええっ?行けるのかしら?」
「階段とかありますか?」
「階段はないけど…うん、案外行けそうねぇ」
「そうですか、まぁ階段があっても多少なら担いで登りますよ」
「そう、頑張ってね〜」
「ありがとうございま〜す」
頑張ってと言われたので、勾配が緩くなったところでまた自転車を漕ぎ始める。
少し登ると、またおばちゃん軍団とすれ違う。
「まぁ!」
「あら!」
「自転車だわ!」
僕を見て、口々に何か言っている。
登山道で登山者とすれ違う場合、自転車側が自転車を降りて道を空けてすれ違うのがマナーである。
道幅はあるが、カーブに差し掛かったとこだったので僕もそうしようと思っていた。
ところが…、
「ほらほら、頑張って!」
「こういうとこは一気に行かないとね」
逆におばちゃん達が道を空け、僕が登るのを待っている。
「ありがとうございま〜す。何とか登りきりま〜す」
そう言いながらも、そこは急坂だったので僕は自転車を降りたかった。
「わっかいわね〜。ホント若いわぁ〜」
おばちゃん達のそんな声を後ろに聞きながら、おばちゃん達が見えなくなるまで登り、自転車を降りた。
トットットットット
脈拍が速くて自転車を漕げないので押していく。
脚はまだ大丈夫だが、心肺機能の限界が近い。
下りてくる夫婦とすれ違い、挨拶を交わす。

木々が切り倒された見晴らしの良い場所に出た。
見晴らしは良いが、北風が冷たい。
急速に汗が冷えていく。
寒くなったので下山者と一言話した後、自転車を漕ぎ出す。
前方に急坂。しかも遠目に分かるほどにかなりデコボコ。
だが、休憩直後なのでなんとか登っていく。
ガッタンガッタン、ガクン、ガタガタン
サスペンション付きの折り畳み自転車でタイヤも太いが、けっこうな衝撃がある。
腰を浮かして肘と膝で衝撃を抑えつつ登る。
デコボコの小ピークを一個一個越えるので、時速は6〜7kmしかない。
(もう疲れた〜)
自転車を降りようか迷っていると、前方からおばちゃん軍団が下ってきた。
「あれあれ!」
「まあまあ!」
「すっご〜い!」
おばちゃん達が僕を見て驚いている。
おばちゃん達は道の右側を歩いてたので、僕は道の左端(崖側)を通ってすれ違う。
「頑張れ、頑張れ」
「はいっ、頑張ります!」
(もう限界です!)
例によって、応援されている横で自転車を降りることは出来ない。
「すご〜い!若いわねぇ〜」
「もうへろへろですけどね」
(マジやばいって!)
もしここで自転車を降りたら、せっかく励ましてくれてるのに「あ〜あ、な〜んだ」という事になってしまう。
「あらまぁ!自転車で!?」
「ええ、なんとか上まで行こうと思います」
(もう漕げないんだよォ〜!)
なんか、この下山者の列は長い。おばちゃん達の他、カップルや若い女性も混じっている。
(何人下りてくるんだ〜?)
「頑張って〜」
「はい、ありがとうございま〜す」
(ゆっくり余裕で登ってるように見えるかもしれないけど、もう倒れそうなんですよ〜!)
すれ違う人の表情を見ると、僕が自転車を降りるとはこれっぽっちも思ってもない顔をしている。
「体力あるね〜」
「いいね〜」
次々に励ましと驚嘆の声を受ける。
かつて僕がこんなに声援を受けたり、褒められたりした事があろうか?
いや、無い!
この場では、僕は英雄なのだ!
英雄が自転車を降りる事は許されない!
………。
激坂を登り切った。
カーブを曲がって下山者の列が見えなくなったところで自転車を降り、ハァハァゼェゼェと息をした。
脈もヤバい。
(もうこれ以上漕げない…)
僕は自転車を押し始めた。
すぐまた下山者とすれ違うが、最初から自転車に乗っていなければ降りることもないのだ。
軽く挨拶すれば済む。
下りて来たおばちゃんと目が合ったので挨拶した。
おばちゃんは、こんなとこに自転車で来ている僕に一瞬驚いたようだった。
「乗らないの?」
おばちゃんはそう訊いてきた。
自然な質問だ。
「ええ、もう疲れ果てました…。すごい急な坂があって…」
僕はもう英雄ではなかった…。
〜続く〜
2007年02月08日
自転車奇行・宝登山編3 〜宝登山神社〜
国道140号を北に向かい、長瀞駅前で鳥居のある方に左折すると緩やかな上り坂となる。
坂の先には宝登山(ほどさん)の頂上が見えている。
宝登山は標高497m。
その麓には宝登山神社がある。
今日、ここに来る前に立ち寄った秩父神社と、秩父から山の方へ登ったところにある三峰神社、そして宝登山神社とあわせて秩父三社という。
元々は『火止山(ほどやま)』といったらしい。
日本武尊が山火事に遭った折、犬が現れて助けてくれたという伝説がある。
静岡県の焼津市の伝説とは違って、草薙剣で薙ぎ払っても火は消えなくて、犬が助けたというところがポイントだ。
詳しくは下記の宝登山神社のホームページで。
このページのコンテンツ『ご由緒物語』が分かりやすい。
特に、犬たちが消火活動を行うシーンが最高だ。右端の犬の体を張った姿は一見の価値あり。
http://www.hodosan-jinja.or.jp/index.htm
宝登山神社に参拝する前に、西武鉄道の観光パンフレットに冬の名物と記載されていた『おっきりこみうどん』というのを食べた。
野菜がたくさん入った味噌味のうどんで、美味しかった。

宝登山神社に参拝する。
『これより神域 犬の散歩はご遠慮下さい』との看板があり、それはもっともなのだが、武尊を助けたのは犬だったはず…?
ここなら犬もいいだろうと、参拝に連れて来る人が多かったのかな?

境内にある天満天神社は、学問の神様である菅原道真が祀ってある。
さすが、道真公。御神光の様に虹色の光が射している。
肉眼ではこんな虹は見えなかったなぁ。カメラのレンズの屈折具合だろうが、こういう場所なので不思議としとこう。
そうして参拝を済ませると、いよいよ宝登山に登る。
頂上まで向かうには、ロープウェイか登山道しかない。
自転車でどこまで登れるのか分からないが、行けるとこまで行くつもりだ。
多少の階段なら自転車を担いで登ればいい。
(待ってろよ、ロウバイ!)
僕は自転車に跨り、宝登山を登り始めた。
しかし、ロープウェイ乗り場と駐車場までの舗装路が急坂で、すでにそこで疲れ果てた…。
〜続く〜
坂の先には宝登山(ほどさん)の頂上が見えている。
宝登山は標高497m。
その麓には宝登山神社がある。
今日、ここに来る前に立ち寄った秩父神社と、秩父から山の方へ登ったところにある三峰神社、そして宝登山神社とあわせて秩父三社という。
元々は『火止山(ほどやま)』といったらしい。
日本武尊が山火事に遭った折、犬が現れて助けてくれたという伝説がある。
静岡県の焼津市の伝説とは違って、草薙剣で薙ぎ払っても火は消えなくて、犬が助けたというところがポイントだ。
詳しくは下記の宝登山神社のホームページで。
このページのコンテンツ『ご由緒物語』が分かりやすい。
特に、犬たちが消火活動を行うシーンが最高だ。右端の犬の体を張った姿は一見の価値あり。
http://www.hodosan-jinja.or.jp/index.htm
宝登山神社に参拝する前に、西武鉄道の観光パンフレットに冬の名物と記載されていた『おっきりこみうどん』というのを食べた。
野菜がたくさん入った味噌味のうどんで、美味しかった。

宝登山神社に参拝する。
『これより神域 犬の散歩はご遠慮下さい』との看板があり、それはもっともなのだが、武尊を助けたのは犬だったはず…?
ここなら犬もいいだろうと、参拝に連れて来る人が多かったのかな?

境内にある天満天神社は、学問の神様である菅原道真が祀ってある。
さすが、道真公。御神光の様に虹色の光が射している。
肉眼ではこんな虹は見えなかったなぁ。カメラのレンズの屈折具合だろうが、こういう場所なので不思議としとこう。
そうして参拝を済ませると、いよいよ宝登山に登る。
頂上まで向かうには、ロープウェイか登山道しかない。
自転車でどこまで登れるのか分からないが、行けるとこまで行くつもりだ。
多少の階段なら自転車を担いで登ればいい。
(待ってろよ、ロウバイ!)
僕は自転車に跨り、宝登山を登り始めた。
しかし、ロープウェイ乗り場と駐車場までの舗装路が急坂で、すでにそこで疲れ果てた…。
〜続く〜
自転車奇行・宝登山編2 〜観光してます〜
西武秩父駅から秩父市街へ向かうと、『御花畑』というステキな名前の駅がある。
別に花が咲き誇ってるでもない小さな駅だ。
ここも子供の頃はよく使ってた駅なので懐かしい。
秩父には、秩父札所三十四ヶ所巡りというのがある。
四国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所と併せて百ヶ所の霊場となる。
道を走っていくと13番札所があったので、賽銭を入れて「今日も無事に走れますように」と願う。

そのまま走っていくと14番札所があるのだが、その手前に『秩父童子』というサッカーボールをモチーフにしたようなモニュメントがあった。
インパクトはある。
14番札所は今宮坊というのだが、今宮神社というのもあって間違える。
寺と神社は数十メートル離れたとこにある。
僕が行ったのは、鳥居があったので今宮神社だ。
今宮神社でも賽銭を入れ、安全を願う。

神社の境内には樹齢1000年の大きなケヤキの木と、龍の口から出るように作られた清めの水がある。
龍がかっこいい。

次は秩父神社に行く。
大きな神社で参拝客も多いが、今日はほとんど人がいなかった。

秩父駅と武甲山。
こうして秩父市街のどこからでも武甲山との対照のカットを撮る事ができるので、ありがたい山だ。
西武秩父駅と秩父駅は別物で、距離は離れている。

そろそろ目的地へ向かおうと、秩父駅から北上していく。
遠くに見える宝登山へは、10kmほどであろうか。1時間も掛からない距離だ。
しかし、寒風の向かい風が吹いていて、自転車を漕ぐのがツラい。

北風に抗って進んでいくと、19番札所の竜石寺に着いた。
岩盤が露出していて、その上に本堂が建っている。
昔、この地が干ばつに見舞われた折に、弘法大師が祈願すると大岩が二つに割れて龍雲が立ち昇り、雨が降ったという。
本堂の横のお堂に大きな人形が納められていて、少し怖い。
どの角度から見ても、視線が合うような感じのつぶらな瞳なのだ。
このシチュエーションでなければ可愛らしい人形だろう。
人形の前に賽銭箱があるが、怖くて近寄れない。
本堂側の賽銭箱に小銭を入れて紐をつかんで鐘を鳴らし、手を合わせて目を閉じていると、鐘を鳴らすのに振った紐が頭に当たった。
一瞬ビックリした。

また北に向かうと、秩父のセメント工場が見えてくる。
大きな規模だ。
敷地面積が広いのは分かるが、高さは何のためか気になる。
位置エネルギーが必要なのか、上に上げる理由があるのか中を見てみたい。
それにしても向かい風の北風が冷たい。
折り畳み自転車とはいえ、頑張って漕いでも時速20km以上出ない。
まるで坂を登っているかのようだ。

セメント工場を過ぎると、秩父市から皆野町に入る。
そして皆野町から長瀞(ながとろ)町へ入ると、目的地の宝登山はすぐだ。
〜続く〜
別に花が咲き誇ってるでもない小さな駅だ。
ここも子供の頃はよく使ってた駅なので懐かしい。
秩父には、秩父札所三十四ヶ所巡りというのがある。
四国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所と併せて百ヶ所の霊場となる。
道を走っていくと13番札所があったので、賽銭を入れて「今日も無事に走れますように」と願う。

そのまま走っていくと14番札所があるのだが、その手前に『秩父童子』というサッカーボールをモチーフにしたようなモニュメントがあった。
インパクトはある。
14番札所は今宮坊というのだが、今宮神社というのもあって間違える。
寺と神社は数十メートル離れたとこにある。
僕が行ったのは、鳥居があったので今宮神社だ。
今宮神社でも賽銭を入れ、安全を願う。

神社の境内には樹齢1000年の大きなケヤキの木と、龍の口から出るように作られた清めの水がある。
龍がかっこいい。

次は秩父神社に行く。
大きな神社で参拝客も多いが、今日はほとんど人がいなかった。

秩父駅と武甲山。
こうして秩父市街のどこからでも武甲山との対照のカットを撮る事ができるので、ありがたい山だ。
西武秩父駅と秩父駅は別物で、距離は離れている。

そろそろ目的地へ向かおうと、秩父駅から北上していく。
遠くに見える宝登山へは、10kmほどであろうか。1時間も掛からない距離だ。
しかし、寒風の向かい風が吹いていて、自転車を漕ぐのがツラい。

北風に抗って進んでいくと、19番札所の竜石寺に着いた。
岩盤が露出していて、その上に本堂が建っている。
昔、この地が干ばつに見舞われた折に、弘法大師が祈願すると大岩が二つに割れて龍雲が立ち昇り、雨が降ったという。
本堂の横のお堂に大きな人形が納められていて、少し怖い。
どの角度から見ても、視線が合うような感じのつぶらな瞳なのだ。
このシチュエーションでなければ可愛らしい人形だろう。
人形の前に賽銭箱があるが、怖くて近寄れない。
本堂側の賽銭箱に小銭を入れて紐をつかんで鐘を鳴らし、手を合わせて目を閉じていると、鐘を鳴らすのに振った紐が頭に当たった。
一瞬ビックリした。

また北に向かうと、秩父のセメント工場が見えてくる。
大きな規模だ。
敷地面積が広いのは分かるが、高さは何のためか気になる。
位置エネルギーが必要なのか、上に上げる理由があるのか中を見てみたい。
それにしても向かい風の北風が冷たい。
折り畳み自転車とはいえ、頑張って漕いでも時速20km以上出ない。
まるで坂を登っているかのようだ。

セメント工場を過ぎると、秩父市から皆野町に入る。
そして皆野町から長瀞(ながとろ)町へ入ると、目的地の宝登山はすぐだ。
〜続く〜
自転車奇行・宝登山編1 〜まずは秩父へ〜
「頑張れ、頑張れ」
「はいっ、頑張ります!」
僕は励まされながら自転車で山を登っていた。
「すご〜い!若いわねぇ〜」
「もうへろへろですけどね」
「あらまぁ!自転車で!?」
「ええ、なんとか上まで行こうと思います」
次々に励ましと驚嘆の声を受ける。
かつて僕がこんなに声援を受けたり、褒められたりした事があろうか?
いや、無い!
〜自転車奇行・宝登山編〜
泊まりの仕事がすっかり長引いてしまって僕は少し疲れていた。
(もう疲れたな…。こりゃ仕事が終わったら自転車で走るしかないな…)
矛盾しているようだが、精神的に疲れた場合、敢えて体を動かした方が疲れが取れるのだ。
6日間仕事でほとんど外に出なかったので体重は増え、体はナマっていた。しかも眠い。
しかし、仕事場で3時間仮眠して、何とか朝の7時半に起床。
顔を洗ってコンタクトレンズで武装すると、自転車で池袋駅に向かった。
途中で朝食を摂って、池袋駅に到着。
自転車を折り畳んで切符を買い、9時30分発の西武鉄道の特急レッドアロー号に乗り込んだ。
今回の目的地は、先週行こうと思った『宝登山(ほどさん)』である。
今の時期、宝登山ではロウバイという梅の一種が花を咲かせているのだ。
特急レッドアローは都内を抜け、所沢を過ぎる。
入間市辺りまで来れば、秩父方面の山々がハッキリと見えてくる。
去年の年末に走った奥武蔵グリーンラインは、その山々の尾根道だ。
山が見えてくると、何だか興奮してくる。
そして飯能駅を過ぎると、風景は山の中になる。
電車内から自分が走った山が見えないかと思ったが、線路が山に近過ぎて山の上は見えなかった。
線路の傾斜が上りから下りになると、西武秩父駅は目前だ。
秩父は僕の田舎だったので、子供の時に何度も訪れている。
子供の時に眺めてたはずのレッドアローから見える風景のほとんどは覚えていなかったが、レッドアローが大きくカーブを描いて西武秩父駅に入っていく様は覚えている。
列車がカーブを描くと自分の乗ってる列車の側面が窓から見えるので、それでよく覚えていたのだ。
午前10時50分、西武秩父駅着。
さっそくお土産を購入する。これが自転車を漕ぐ上で重りとなることは明白だ。
「
秩父のシンボル的な武甲山がすぐそこに聳える。
三角形の頂と、セメント採取のためにかなり削られてしまった山肌が特徴の山だ。
さて、去年末にここに来た時は夜で何も観れなかったので、まずは秩父市内を走ってみよう。
〜続く〜
「はいっ、頑張ります!」
僕は励まされながら自転車で山を登っていた。
「すご〜い!若いわねぇ〜」
「もうへろへろですけどね」
「あらまぁ!自転車で!?」
「ええ、なんとか上まで行こうと思います」
次々に励ましと驚嘆の声を受ける。
かつて僕がこんなに声援を受けたり、褒められたりした事があろうか?
いや、無い!
〜自転車奇行・宝登山編〜
泊まりの仕事がすっかり長引いてしまって僕は少し疲れていた。
(もう疲れたな…。こりゃ仕事が終わったら自転車で走るしかないな…)
矛盾しているようだが、精神的に疲れた場合、敢えて体を動かした方が疲れが取れるのだ。
6日間仕事でほとんど外に出なかったので体重は増え、体はナマっていた。しかも眠い。
しかし、仕事場で3時間仮眠して、何とか朝の7時半に起床。
顔を洗ってコンタクトレンズで武装すると、自転車で池袋駅に向かった。
途中で朝食を摂って、池袋駅に到着。
自転車を折り畳んで切符を買い、9時30分発の西武鉄道の特急レッドアロー号に乗り込んだ。
今回の目的地は、先週行こうと思った『宝登山(ほどさん)』である。
今の時期、宝登山ではロウバイという梅の一種が花を咲かせているのだ。
特急レッドアローは都内を抜け、所沢を過ぎる。
入間市辺りまで来れば、秩父方面の山々がハッキリと見えてくる。
去年の年末に走った奥武蔵グリーンラインは、その山々の尾根道だ。
山が見えてくると、何だか興奮してくる。
そして飯能駅を過ぎると、風景は山の中になる。
電車内から自分が走った山が見えないかと思ったが、線路が山に近過ぎて山の上は見えなかった。
線路の傾斜が上りから下りになると、西武秩父駅は目前だ。
秩父は僕の田舎だったので、子供の時に何度も訪れている。
子供の時に眺めてたはずのレッドアローから見える風景のほとんどは覚えていなかったが、レッドアローが大きくカーブを描いて西武秩父駅に入っていく様は覚えている。
列車がカーブを描くと自分の乗ってる列車の側面が窓から見えるので、それでよく覚えていたのだ。
午前10時50分、西武秩父駅着。
さっそくお土産を購入する。これが自転車を漕ぐ上で重りとなることは明白だ。
「秩父のシンボル的な武甲山がすぐそこに聳える。
三角形の頂と、セメント採取のためにかなり削られてしまった山肌が特徴の山だ。
さて、去年末にここに来た時は夜で何も観れなかったので、まずは秩父市内を走ってみよう。
〜続く〜
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