家の隣りは、義弟の別のお姉さんの家。
逆隣りに母の妹の家、さらに隣りに母のお姉さんの家。
書くとよく分からないだろうが、親族が近くに住んでいるわけだ。
僕らの到着を知って、親族の方々が家にやってきた。
「お母さんのお姉さんです」
義弟に紹介される。
「お母さんの妹です」
義弟に紹介される。
さらに孫や子も次々にやってくる。
自転車で乗り付ける子、畑の向こうから走ってくる子、義弟も名前を覚えられないほどの人数だ。

子供たちは僕を無視して、初めて会う1歳児の姪っ子に近寄っていった。
そして、犬や牛と遊んでいる。
まぁいい、どうせ言葉も分からないし。
僕はココナッツジュースを飲みながら、手持ち無沙汰だ。
犬と牛はなつっこいが、大人のアヒルは攻撃的だった。
ガーガー言いながら、闖入者である僕を威嚇してくる。
背中を見せると一気に間合いを詰めてくるので、面と向かったまま後ずさりした。
その周りをアヒルの子供たちが何匹も走り回っている。
フルーツを食べた後、僕は少し散歩でもしてこようと思いたち、カメラを持って出掛けた。
道に出て歩いていくと、すぐに汗が噴出してくる。
帽子を被ってくれば良かったかな。
自転車で走ってきたおじさんが、僕をじろじろ見てくので「ハ〜イ」と挨拶したら、すごいはにかんでた。
僕は色白でメガネにカメラ姿。典型的な日本人だ。
ホーチミンと違って、ここでは外国人が珍しいのだろう。

トラクターが往く。
道にはアヒルだか鶏が走り回っている。
こんな風景の中を歩くのは初めてだ。
あまり遠くに行くと戻れなくなるので、引き返した。
自転車さえあれば、もっと遠くに行けたのに…。
家に戻ると、庭先に自転車が置いてあった。
(これなら遠くに…)
妹に聞くと、義弟の姪っ子の自転車らしい。
僕はそれを借りることにした。

菅笠も被って、準備万端。
いっちょ行ってくっか。
僕は自転車に跨った。
乗った瞬間に気付いた。
ハンドルが右に曲がっている!
しかもネジが緩いのか、グラグラだ。
僕は畑に突っ込みそうになった。
気を取り直して、改めて走り出す。
また畑に突っ込みそうになった。
なんとペダルも傾いている!
これでは漕ぐとバランスを崩してしまう。
しかもハンドルは緩々なので、手ではバランスを取れないのだ。
(まぁ、舗装路に出ればなんとか…)
ここ一年ほど僕は自転車を乗り回して、軽めの岩場も登ったし、木の段差も下ってきた。
それなりに自信はある。
畑の間の道をフラフラになりながら漕いでいき、ようやく舗装路に出た。
舗装路に出て気付いた。
ブレーキが効かない!
僕は草むらに突っ込んだ。
ハンドルも効かないので、進行方向の微調整も出来ない。
少し走っただけで、僕は引き返した。
なお、夕方にこの自転車の持ち主である娘さんが、普通にこの自転車に乗っているのを目撃した。
しかも大きな籠を抱えながら、片手運転で畑の中のガタガタ道を走っていた。
その子は中学生で、遠くの学校にもこの自転車で40分かけて通ってるという。
僕は自信をなくした…。
お昼ご飯の時間になった。
もてなし料理として、エビや豚の耳が出された。
モロに僕の苦手な食材だが、御もてなし料理を食べないわけにはいかない。
なんとか食べたが、やはり苦手だった…。
「お兄ちゃん、一緒に出掛ける?」
昼食後、義弟が村の友人たちに会いに行くと言うので、僕も付いていく事にした。
〜続く〜
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物を大切に長く乗るのだろうな。
日本人はすぐ取り替えるもんね。
自転車を買って、その帰り道に壊れることもあるらしい質の悪さ。
日本のは中国製でも質がいいけどね。質が悪いのは店として売れないしね。信用なくす…。
物を大事にするところは見習いたいが。