さっきまで僕はメガネをしていたが、あまりにも村の中で浮くのでコンタクトにした。
バイクで走っていると、埃が目に入った。
目をこすったらソフトコンタクトが破れた…。
まずは義弟の母の弟である叔父さんの家に寄る。
縁側で、叔父さんや家族が6、7人談笑している。
その横で大人しそうな黒い犬が歩き回っている。
義弟が挨拶すると、「よく来たな〜、まぁ座れ」みたいな感じで話している。
僕はベトナム語が分からないので、「チャ〜オ」と挨拶しただけだ。
叔父さんは僕にも縁側に座るように言い、僕も縁側に座った。
義弟と叔父さんの家族で話が弾んでいるが、僕にはさっぱり分からない。
「ベトナム語分かるか?」と聞かれたが、「話せない」と言うしか出来なかった。
しばらく話していると、叔父さんの家の奥からまた人が出てきた。
義弟がお土産のタバコを渡す。
僕も挨拶だけする。
また話していると、家の奥からさらに人が出てきた。
いったい、この家の奥に何人いるのだろうかと気になる。
きっと、義弟が帰ってきたのを知って、畑仕事から戻ってきたのだろう。
義弟は家の人に連れられ、家の奥に入っていってしまった。
僕は叔父さん達と縁側に取り残されて気まずい…。
叔父さん達は、時折り僕の方を見ながらも家族で談笑している。
僕も何か話したいが、言葉が分からない。
やがて義弟も縁側に戻ってきて、また談笑する。
「結婚してるのか?」
叔父さんは僕に聞いてきた。義弟の通訳だ。
「いいえ」
「なら、ベトナムの女を嫁に貰えばいい」
叔父さんは笑いながらそう言ってきた。
「ベトナム語が分からないから難しいですね」
僕も笑いながらそう返す。
叔父さんの家を後にして、次は義弟の友人の家を訪れた。
大人しい黒い犬がいた。
さっきの叔父さんの家にいた犬と似ている。
家の中に通され、義弟と友人とそのお母さんで話している横で、僕はまた手持ち無沙汰だ。
「若いね。結婚してるの?」
母親から聞かれる。
そういうのは、ベトナムでの会話の常套句なのだろう。
友人の腕に大きな傷があったので聞くと、飼い犬にやられたらしい。
大人しそうな犬なのに、やる時はやるんだな。

一緒に写真を撮って、お暇する。
「タンビェ〜ット!」
ベトナム語でさようならを言った。
次はまた別の友人の家に向かった。
義弟と一緒に村から大学に行った仲だそうで、卒業後、義弟はホーチミンに残り、友人は村に戻ったという。
友人は畑仕事の手を止めて迎えてくれた。
「ベトナム語は話せる?」
「コンノ〜イ」
僕はベトナム語で、「話せない」と言った。
なので、ここから先は義弟の通訳だ。
「結婚はしてる?」
「してません」
「若いですね」
「カ〜ムオン(ありがとう)」
「日本と比べて、ベトナムはどうですか?」
「日本の田舎に似てますね」
生えてる木々などは全く違うが、ここの田舎は昔の日本の田舎みたいな雰囲気だ。
しばらく話して、友人宅を出る。
後で聞くと、その友人は英語が話せたらしいので、英語を混ぜて話せばもう少し話せたかもしれない…。
義弟の母の妹である叔母さんの家にも寄って、お土産を渡す。
ここにも大人しそうな黒い犬。
ここまで100%の確立で、どの家にも犬がいる。
しかもみんな同じ風体。犬も一族なのだろうか?
また叔父さんの家に戻ると、また別の義弟の友人が来ていた。
「若いですね〜」
また若いと言われたが、肌が白いので若く見えるのだろうか。
またしばらく話して、叔父さんの家を後にする。
帰り際、義弟が雑貨店の前でバイクを止めて、店先のおじいさんと話しをしている。
買い物でもするのかと思ったら、
「お母さんのお兄さんです」との事。
いったい何人の叔父さん叔母さんがいるのか?
〜続く〜
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