運動の苦手な僕は、例によって逆上がりも出来なかった。
どうしてもあと少しで勢いをなくして落ちてしまうのだ。
おへそがもう少し鉄棒に近付けば一気に回れるのに、どうしても出来なかった。
手の伸ばし方や足の上げ方など、原因は多々あったのだろうが、いつの間にかに出来るようになっていた。たぶん、小学校の6年くらいの頃だろうか。
中学になってからは、授業で逆上がりのテストなんてする事もなくなったが、やってみたらいつでも出来た。
卓球部に入っていたし、運動もしていたから、体もキレていたのだろう。
さて、問題は高校になってからだ。
中学3年で部活を引退してからというもの、高校に上がっても体育以外で体を動かす事はほぼなかった。
自転車通学だったが、のんびり漕いでいたし。
高校になるとますます逆上がりなんてする機会がない。
たまに、校庭の鉄棒で逆上がりをしてみると、出来る時と出来ない時があった。
やはり、衰えていたのだ。
高校3年になり、体育の授業が終わった後、友達らが何人か鉄棒の前に集まり、逆上がりが出来るか出来ないかを話していた。
そこで、隣のクラスの結構カッコいい子が逆上がりが出来ないのがバレた。
でも、みんなその子を笑ったりする事もなく、「俺もギリギリだよ〜」と、自分の衰えを笑っていた。
そこで、僕に話が向けられた。
「逆上がり出来る?」
みんなは、僕が運動苦手なの知ってるし、僕も隠さずに、
「昔は出来たけど、今は出来ないよ」
と言った。
隣のクラスの子と「仲間同士だね〜」などと笑いあった。
そして…
試しに実演してみたら、出来た。
くるんって回れてしまった。
「あれ、出来ちゃったよ…?」
戸惑う僕。
隣のクラスの子の笑いが引きつった気がした。
そこで、隣にある高い鉄棒で回れるか試してみようという事にした。
低い鉄棒じゃ、ジャンプでごまかせるからね、と。
手を伸ばしても届かない鉄棒だ。
僕はその下に立ち、鉄棒目掛けてジャンプした。
手が鉄棒を掴む。
ジャンプの勢いを利用し、そのまま腹筋でおへそを鉄棒に近付けていく。
くるん!
回れた…。
またもや回れてしまった。
僕は、高い鉄棒の上に乗ったまま、下を見下ろし言った。
「あら、こっちでも出来ちゃったよ…?」
もう隣のクラスの子を見れなかった。
「おぉ、すげぇ!
なんだ、全然できんじゃん」
みんなが笑う。
何人かが、高い鉄棒にチャレンジしたが、意外に回れない人も多かった。
逆上がりが出来た!
…なのに、なんか悪い気分になった出来事だった…。
2005年11月10日
Sporting Chance5 逆上がり出来ちゃった
ニックネーム SNJ at 03:24| Comment(0)
| Sporting Chance
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