2006年01月06日

Drive物語17 〜チチトチチブヘ・初の長距離ドライブ〜

免許を取ったばかりの頃の僕は、運転が嫌いだった。
まず、車自体が嫌いだった。
幼少時に車に酔い続けた記憶が、車を嫌いにさせてる要因だったろう。

そんな自分が何故に免許を取得したのかと言えば、親に強制されたからだ。
「身分証代わりにもなるし、後で取ろうとしても大変だぞ」
そう説得されて、高校3年の終わりから教習所に通い、ゴールデンウィーク過ぎにやっと免許を取得できた。
ちなみに、親の金で取った…。

免許を取ると早速、親による教習が始まった。
自宅周辺の車通りの少ない場所で、何度も何度も曲がり角を曲がらせられた。
家族で食べに行く時も、僕が運転させられた。

そして夏ごろには遂に、親を乗せて田舎に行くという試練が課せられた。
田舎は埼玉県の秩父。
まだ東京外環自動車道も開通する前だ。
自宅のある千葉県の柏市からだと、車で4、5時間かかる。距離は150kmといったところか。

父との二人旅。
今なら、免許を取るまでに成長した我が子とドライブに行きたいという父の気持ちも慮れるが、当時こちらは19歳になろうとしている時だ。
そんなドライブは行きたくないし、会話も持たないだろう。

父と秩父へ。シャレにもならない。
運転する車は三菱のパジェロ。
初心者の僕には車高が高くて運転しづらい。
家にはもう1台、古いセダン車のクレスタがあったが、無理やりパジェロを運転させられた。

どこをどうやって秩父まで行ったのか覚えてないが、「ホントに道も何にも知らないヤツだな、お前は」と怒られながら、父の言う通りの道順で行った事は覚えている。
つまらないドライブだ。第一、車も運転も嫌いなのだから。

僕の運転も下手だ。時に危ない事もあった。
そしてまた怒られる。

そんな嫌な気持ちのまま、山道に入った。
僕の運転は下手だ。カーブの曲がり方もままならない。
後続の車がピッタリと僕の後ろに付く。
プレッシャーだ。

父は言った。
「横にどいて、先に行かしたら?」
そうやって後続の車を何台か先に行かせながら、山道を行く。
そうして、やっと祖父の家に着いた時には、僕はヘトヘトになっていた。
今まで何度も田舎に来た中で、一番遠く感じた。

じいちゃんばあちゃんが、僕が運転してきた事に感心していた。
「へ〜、シンジが運転してきたのかい。それじゃ、今度ばあちゃんも乗せてもらおうかな」
何だか恥しくもあり、僕は逃げるように近所の川原へと写真を撮りに行った。

(自分で運転してここまで来た…)
そんな想いからか、夏の木々は僕を歓迎してくれたように感じた。
たくさん写真を撮った。
(この感動を写真に収めたい!)
フィルム全部撮り切った。

後で現像してみると、木が肌色にぼやけていた。
何かと思ったら、僕の指が写っていた。
カメラを握り過ぎて、レンズに指が掛かってしまったらしい。感動も何もあったもんじゃない。

次の日は帰路が待っている。
しかし帰路の記憶がない。
僕の運転を見かねた父が運転して帰ったのだろうか?

こうして僕の初の長距離ドライブは終わった。
まだまだ車嫌いは治らなかった。
ニックネーム SNJ at 02:33| Comment(0) | Drive物語T
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