僕は小学生の頃、夏休みと冬休みは妹と一緒に、田舎の祖父母のところに泊まっていた。
夏の夜は、誘蛾灯に集まった虫を捕るか、花火で遊ぶかだ。
その二つが重なると、残酷な事になる。
今思えばホントに残酷なんだが、花火で蛾を焼き殺したりした。
誘蛾灯の周りには蛾がたくさん集まるが、時々カブトムシやクワガタも寄ってくる。
それを捕まえるために、蛾の群れに突入していく。
そして、邪魔な蛾は焼き殺す。残酷すぎて言葉もない。もうやめよう。
花火は昼間に火を点けても見えないので、代わりに遊ぶのが爆竹だ。
パパパン!
火を点けては投げる。
パパパン!パパパン!
ただ音が出るだけなのに、何度もやる。
僕の真似をしてか、妹も爆竹を投げる。
パパパン! パパパン…
田舎なので周りに民家はないが、遠くの山に爆竹音が反射して、やまびこになって返ってくる。
きっとそれが楽しかったんだろう。
祖父母に言われた。
「上の畑でやってくりゃ、猿も逃げるよ」
そう言われた僕は、家の裏の階段を上って畑に行き、山に向かって爆竹を投げた。
猿を見掛けた事はないが、猿のフンなどは見掛けた。
子供心に、
(ここの畑はオレが守るぜ!)
そんな気分でいたのかもしれない。
しかし、誰もいない畑で山に向かって爆竹を投げ続けても、何も面白くない。
しかも畑の周辺は薄暗いので、怖くなって逃げた。猿より先に僕が去る。
この畑の片側は山だが、反対側は石垣になっていて、家の屋根の上ほどの高さにある。
運動神経さえ良ければ、石垣の上から跳んで屋根に着地する事も出来たろう。
石垣と家の間は近い。1.2mほどの幅しかなかったと思う。
つまり、石垣と家の壁が平行にあり、その間は狭い通路になっているのだ。
ここを通ると、石垣の隙間から、顔のすぐ横に蛇が出てきたりする。
赤いヤマカカシだ。毒蛇である。
小さい蛇だったが、色が毒々しいので、子供心に毒蛇だと勘付いてすぐ逃げた。
この石垣と家の間の通路、夜に蛇でも出たら気付かないだろう。
危険な通路である。
ある日、妹とケンカした。
理由は覚えていない。子供のケンカだろう。たぶん僕が言い勝ったはずだ。
妹とケンカした後だったので、その日は僕は一人で遊んでいた。
妹はどこかに行ったのか、どこにもいない。
僕が、その狭い通路を通っている時だった。
僕の上から何かが落ちてきた。
(蛇!?)
パパパン!パパパパン!
激しい音が僕の鼓膜を震わす。
落ちてきたのは爆竹だった。
上を見上げると、石垣の上に妹が立っていた。
手には爆竹を持っている!
妹がニヤリと笑みを浮かべた…。
僕は狭い通路で逃げ場もない…。
「積み」である。
僕は下から妹に謝るしかなかった。
「ごめんなさい」
やはり危険な通路だった。
まさか妹が、僕が身動き取れない状態の時に攻撃してくるとは思いもよらなかった。
伸びきった隊列を叩くのにも、ちょうどいい策略だ。妹ながら天晴れか。
2006年01月16日
妹の爆撃
ニックネーム SNJ at 04:07| Comment(2)
| 思い出ボロボロ
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向こうで働いています。
永住でもするんでしょうかね〜。