小学校2年生の時の友達に、N蔵君という子がいた。
僕は、その子が嫌いだった。
嫌いになった一番大きな理由がこれだ。
ある日の道端で、僕はN蔵君とメンコの勝負をしていた。
自分のメンコを叩きつけ、その風圧で相手のメンコをひっくり返したら、そのメンコを貰えるというルールだった。
僕はメンコが苦手だったが、友達がみんな持っていたので、僕も集めていた。
僕が集めていたのは、ガンダムの絵柄のメンコで、1枚10円か20円だったかな。
僕は、200枚ほど持っていた。
それを70枚くらいずつ、3つの束にして自分の脇に置き、勝負に臨んだのだった。
しかし、僕の負けが続き、どんどんメンコを取られていく。
僕は負ける度に、メンコの束から少しずつ抜き取っていった。
あっと言う間に1束がなくなりそうだ。
ついに1束がなくなった。早すぎる。
残り2束…と思ったら、残りは1束になっていた。
(そんなに負けたのか?)
そう思いながら、取られた分を取り返そうと、まだ勝負を続けていた。
パチン!
「あ〜また負けた〜」
残りの束も減っていく。
(…何か変だ?…)
僕は違和感を感じた。
僕のすぐ脇に置いてあったメンコの束が、少し遠い位置にあるのだ。
(気のせいかな?)
少し経ってからみると、さらに遠い位置に移動していた。
(おかしいな…?)
よくよく見ると、メンコの束がN蔵君の方へ近付いていってるのだ。
まさか…と思って注意していると、僕がメンコを叩きつけている間に、彼が僕のメンコを少しずつ自分の方へ引き寄せていってるのが見えた。
「何だよ、人のメンコ盗らないでよ!」
僕は文句を言ったが、彼は「最初からここにあったよ」とトボケる。
「そんなはずないよ。さっきも僕の束ごと盗ったでしょ?」
「とってねぇよ!」
彼は認めない。
「ちょっと貸して」
僕は、彼のメンコを取り上げて調べた。
「ほら、このホワイトベースの、僕のだよ。ここに傷があるもん。このシャアゲルググだってそうじゃん」
勝負に使ってないメンコが、丸ごと彼の持ち物になっていた。
「こっからここまで僕のでしょ。負けて取られたのはあげるから、それ以外のは返してよ」
「知らねぇよ〜。オレんだよ〜」
彼は、しらばっくれるばかりだ。
彼の盗っ人っぷりと嘘つきっぷりに呆れた僕は、盗られたメンコはあきらめて帰った。
その後、彼とは小3の時も同じクラスだった。
なぜか彼は、休み時間ごとに僕にプロレス技を掛けてきた。
「お前、泣かないからさ〜。泣いた顔が見てぇよ〜」
そういう理由だった。
当時は、みんな学校内でも泣いていたが、僕は泣いた顔を見せた事はなかったからだろう。
「泣くまで関節技かけてやるよ〜」
そう言って彼は休み時間の間中、僕に関節技を掛け続けた。
もちろん僕は泣かなかったが、思い返せば、それは「いじめ」というものだろう。
僕が泣かなかったから飽きたのか、彼はやがてプロレスごっこをやめてくれた。
プロレス技の実験台は遊びみたいなもんだが、それより何よりメンコを盗って、バレバレなのにそれを認めなかった事が許せなかった。
2006年01月26日
遠ざかるメンコ
ニックネーム SNJ at 00:17| Comment(2)
| 思い出ボロボロ
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そうか、悪名高き人物だったようだね。もっと伏字にした方が良かったかな。
子供の頃の事だから、その後は改善されたと思いたいけど、そんな子たちはたいてい悪いまま大人になってるね。
子供の頃に捕まったりして痛い目に遭わないと、そういう性格は直らないね。