2006年01月27日

消えた消しゴム

小学4年生の時、僕とS君は大の仲良しだった。
毎日のように一緒に遊んでいた。

ヤバイ遊びがあった。
空きビンを空に向かって投げるのだ。
すると、落ちてきてパリーン!と割れる。
道には粉々の残骸が残る、大変危険な遊びだった。
それ以上に、住民への大迷惑だ。近所の人に殴られてもおかしくない。

学校でもS君と一緒に遊んでいた。
ふと、僕の消しゴムがなくなった事があった。
僕が探してる間、S君も一緒に探してくれた。ありがたいことだ。

だがしかし、机の中やら筆箱の中、床も遠くまで探してみたが、どこにもなかった。
変わった形の、お気に入りの消しゴムだっただけに、とても残念だった。

その後、ある事に気付いた。
S君が机に両手をついて前傾姿勢になって誰かと話していたのだが、ジャージの後ろのポケットがおかしい…。
不自然に膨らんでいるのだ。

まさか…と思って、僕はこっそり上から覗いてみた。
「あっ!」
僕の消しゴムが、S君のポケットに入っていてた。
「何でS君のポケットに消しゴムが入ってるの?」
僕は訊いてみた。
「あ、あれ?何で入ってるのかな?勝手に飛び込んできたんじゃないかな」
S君は僕に消しゴムを返しながら、そう言って誤魔化した。

大の仲良しだったS君が遠くなった…。
それ以来、小学4年の時は話してたが、クラスが替わるとS君とは話さなくなった。
中学になっても話さなかった。

高校を卒業する頃、自動車教習所の教室で、教官がみんなの名前を点呼している時だった。
「田中君」
「はい」
僕が返事をした後だった。
「S君」
「はい」
!!………

僕の真後ろにS君が座っていた。
一瞬、振り向いて話し掛けようと思ったが、仲良しだったのは8年も前だ。もはや話す気にはなれなかった。
僕は後ろを意識しながら、講習が終わっても目も合わさずに帰路についた…。
ニックネーム SNJ at 02:02| Comment(2) | 思い出ボロボロ
この記事へのコメント
あぅ〜。似たような事件を経験しているだけに切ない・・・。
僕はそれから間もなく引っ越したので、特に後日談がありませんが。

このことが彼にとっての良いトラウマになり、二度と同じ過ちを繰り返さない、そう成長していてくれるといいですねー。
Posted by riverend at 2006年01月27日 20:04
そうですな、人の物を欲しい気持ちも分かりますが、盗るとなると弱い心ですな。まぁ子供だから、あり得ますが。
彼もその後は、盗む人ではなくなっと信じたいですね。
僕のトラウマにもなりましたからね。
Posted by SNJ at 2006年01月28日 00:18
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