2006年01月28日

何故そこに?

小学2年の時の事だ。
僕はA君と仲良しで、よく彼の家に行って遊んでいた。

僕は自分のおもちゃを持っていった。
大きいロボットと小さいロボットが、セットになったやつだった。

A君の家で遊んでいて、僕がトイレから戻ってくると、小さいロボットの方がなくなっていた。
さんざん探してみたが、どこにもないし、A君は持ってなかった。

あきらめて帰ろうとした時だった。
一階の屋根の上に、僕の小さいロボットが落ちているのが見えた。
僕は、それを見付けたのを、A君にバレない様にした。

「もし、A君が僕のおもちゃに嫉妬し、投げ捨てたとしたら?」
「もしかしたら、たまたま僕のを借りて遊んでたら、屋根に落としてしまったのかもしれない…」
僕は後者だと思うようにした。
A君とは、その後も仲良しだった。


ある雨の日、A君と一緒に登校した。
A君は道路脇を歩いていた。

ズルッ!

A君が、道路脇のぬかるんだ泥で滑って転んだ。
A君の靴にはベットリと泥が付いていた。
A君が泥を手で拭った。
A君がその手の匂いを嗅いだ。
「あ〜あ、こんなに泥が付いちゃった」

僕は気付いた。
(泥ではない!)
僕は、その滑った「モノ」に近付いて見てみたが、やはり泥には見えない。
匂いもした…。

A君が言った。
「泥でよごれちゃったけど、このまま学校行こうか」
そう言われると、僕もこう言うしかない。
「この泥、ホント滑りそうだね〜」
(でも、泥じゃない…)

A君は、手でそれを触ってしまっているし、その手で傘をつかんでいる。
靴は、横の面が真っ茶色に汚れている。

しかし僕は、A君のプライドのために、信じた振りをするしかなかった。
僕は学校までの距離が急に遠く感じたのだった。
ニックネーム SNJ at 23:57| Comment(0) | 思い出ボロボロ
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