二十歳過ぎの頃、初めてテニスラケットを買った。
2万3千円の代物だ。
ディスカウントショップで3千円くらいの安いのが売っているのも知らずに、スポーツ用品店に買いに行ったら高いのしかなかったのだ。
せっかく高いのを買ったのだが、僕はテニスなどした事もなかった。
いや、一回だけあったか。軽井沢でテニスと洒落込んだ事があった。その程度だ。
高いラケットだけあって、ガットも自分で選ぶ。
コントロールが☆☆☆、スピンが☆☆☆☆☆のガットにした。
ガットの形状も何だかヨレヨレしてて、いかにもスピンが掛かりそうだった。
僕は変化球が好きだったのだ。
買ったはいいが、テニスをする機会もない。
公園に行って一人で壁打ちをするしかなかった。
幸い、近所の公園の壁には、テニスのネットの線が描かれていた。
その高さに当てられるようにサーブの練習をしていたが、打ち方も分からないので上手くいかず、だんだん飽きてくる。
仕舞いには、公園の隅からホームランを打ってどこまで飛ぶのかを確かめる遊びに変わっていた。
とても良く飛んだ。
何度か公園に練習しに行ったが、どうしても上手く打てずに気が滅入って、最後はホームラン遊びになる。
いろいろな打ち方を試してみたところ、カットした打球の軌道が真っ直ぐ伸びて、それが心地良かった。
僕が卓球部だった時に得意としていた打ち方の、ドライブ回転であるトップスピンは、テニスラケットでは打てなかった。
練習中にラケットで地面を擦って、フレームに傷が付いた。
高いラケットが傷ついたのが何だかショックで、それ以来練習に行かなくなった。
僕の友人の浅野君は、年に一回、会社でテニス大会がある。
僕のラケットは、そこで年に一度の活躍の場を得たのだった。
2006年03月08日
Sporting Chance18 テニスラケット
ニックネーム SNJ at 04:05| Comment(0)
| Sporting Chance
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