小学校の頃は、体育の授業でよくドッジボールをやったものだ。
僕は、球を捕るのが下手だった。
自分に向かって高速で近付いてくる物体が怖くて捕捉できなかったのだろう。
捕るのも下手なら投げるのも下手だった。
たぶん小学校低学年時は、ドッジボールを10mも投げられなかったのではないかと思う。
肩が弱かったのだ。
なので、授業中の僕の役目はボールを捕る事でも相手にぶつける事でもなく、ただ逃げ回る事だった。
逃げていれば人数稼ぎになるし、他の子が相手に狙われる率も分散されて低くなる。
たいがい、肩の強い子がエースになって攻撃してくれる。
僕はサポートに回る。
もしエースの子がボールを当てられて外野に回れば、僕がボールを拾った時にはその子にパスしてあげる。
そうすればエースが復帰してくるかもしれないし、僕が狙われる確率も低くなる。
そういう戦術で僕はドッジボールをこなしてきた。
ボールをキャッチした事などなかった。
もちろん相手にぶつけた事もない。
僕はただコートを駆け回り、相手の攻撃をかわすだけだ。
僕はボールを捕る気は全くないので、ほとんど当たる事もなかった。
狙われても、ジャンプしたり寝転んだりしてかわし続けた。
そうすると、最後に残ったのが僕だけになる事も多かった。
至近距離からぶつけられては痛いし、よけられないので、僕は自陣のコートの最後方まで下がってよける。
よけたら今度、外野から逃げるために相手コートぎりぎりまで逃げる。
この繰り返しだ。
こちらの攻撃ターンはほとんど回ってこない。
授業の後半は僕の独壇場(?)だったので、僕は逃げるのが楽しかった。
(当てられるものなら当ててみろ!)
もちろん当てられる事もあったが、授業の終わりまで逃げた時は嬉しかった。
そんな僕が中学になって、体育の授業でまたドッジボールをやった時の事だ。
相変わらず逃げ回って、僕が最後の内野になった。
中学になると、肩の強い子は物凄く速い球を投げてくる。
逃げ損なって当たったら痛い。
しかし、僕ももう中学生だ。いつまでも逃げ回っている訳にもいかない。
(捕ってみようかな?)
そんな思いがよぎった。
あまり肩の強くない子が投げた球を捕ってみようと構えた。
バンッ!
ボールは僕に当たって地面に落ちた。
捕れなかったのだ…。
普通は捕球のために胸の前で下から両手を出して、胸と腕で挟むように捕るのだが、僕はボクシングのガードのように手を挙げて捕ろうとして失敗した。
考えてみれば、今までまともにボールを捕った事もなかったのだ。急に捕れるはずもない。
味方がみんなガッカリしたように見えた。
ここまで逃げといて、最後はそれかよ…。そう言われた気がした。
それ以来ドッジボールはやっていない。
逃げ続けた人生を変えようと試みて失敗した。
そうして逃げ回る生き方が身に沁みついてしまったのかもしれない…。
2006年03月25日
Sporting Chance23 ドジなドッジボール
ニックネーム SNJ at 00:33| Comment(0)
| Sporting Chance
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