2006年05月06日

Drive物語・四国編5 〜5/1 土佐の国〜

大歩危・小歩危の山の向こうには、もっと険しい祖谷渓(いやけい)という魅力的な渓谷があったが、今回は立ち寄れなかった。
そちらを訪れれば半日は必要だろう。
僕らは高知自動車道を高知市まで駆け抜けた。

高知市内には路面電車が走っており、南国の植物が並んでいる。
千葉から来た僕には物珍しい風景だ。
しかし一方通行だらけで、車では走りにくい街だ。

今は大河ドラマの『功名が辻』のお蔭で、高知城も旬だ。
ここも山城なので疲れる。昨日から彦根、和歌山と登り詰めだから余計に堪える。

高知城.jpg

城内には山内一豊、妻の千代、板垣退助の像が建っている。
並び的に板垣が邪魔だ。像の高さはないが、手を上げてアピールしている。

千代.jpg

幕末の土佐藩主の山内容堂は、同じく四国の宇和島の伊達宗城、薩摩の島津久光、福井の松平春嶽とあわせて幕末四賢候と呼ばれる。
政治の手腕が優れ、人柄も尊敬されていた。
四人の内、二人が四国の藩主である。四国は侮れない。

高知城を出ると、時刻は3時半を過ぎていた。
急いで次の目的地に向かう。
向かうは、桂浜。
坂本龍馬の像がある海岸だ。
坂本龍馬記念館というのがあるので、そこも訪れたい。
だいたい、そういう観光施設は4時半で入場を打ち切るので急いで向かった。

4時過ぎに到着。
小野「やっと着いたな。とっとと見てくか」
僕「あれ?午後6時までって書いてあるよ」
小野「ホントだ。4時半じゃなかったのか?」

そこに記念館の職員が通りかかった。
「今はゴールデンウィーク中でしてね、6時まで開いてるんですよ。
みんな知らないみたいなんですが。
ラジオで情報を流してくれてないのかな〜?」
でも、例えラジオで情報を流していても、僕らはラジオは聴いていなかった。

記念館はダイナミックな建物だ。歴史の展示物には似合わないと思ったが、龍馬には似合う気がする。
記念館に入館したが、僕は特に龍馬が好きなわけではなかった。
凄い人だと思うが、テレビや本で目にした情報くらいであまりよく知らない。
展示物を見ながら、フラ〜ッと一周してくればいいかと思っていた。

まず地下2階の展示物から見始めた。
そこには実筆の龍馬の手紙が展示され、横に現代語訳が書いてあった。
僕は、何ともなしにその手紙を読み始めた。
下書きのない手紙だろう、しかも家族宛ての内容で少し読みにくい。
しかし…、一通、二通と読んでいる内に止まらなくなった。

語り口調な文章により、急に龍馬が身近に思えてきたのだ。
特に姉に宛てた手紙から龍馬の人間性が見えてくる。

「自分はこんなに頑張っていますから心配しないで下さい」
「この前に行った温泉は楽しかった」
「こんな人物に会ったけど、彼は面白い奴だった」
「あいつは故郷の誰それに似ている」
「好きな本が、京都や大坂を探しても見付からないので、実家の本を写して送って下さい。今回ばかりはちゃんと送って下さいよ」
「送っていただいた刀は、人に会うたびに自慢しています。みんなが、素晴らしい名刀だな、と羨ましがるので嬉しい」

…などなど、そんな普通の手紙がたくさん展示されているのだ。

(もっと読みたい)
連れの小野君が上の階に行ったのにも気付かず、僕は手紙を読み耽っていた。
木戸孝允の手紙もあったが、龍馬と違って抜け目のない文章で、「こういう時はこうするべし」、「ここに書いてある事は絶対に漏らしてはいけない」、といった感じだ。
龍馬のは、密談のような手紙も、人の噂話や人物像など、龍馬の視点で観た世の中が、時に汚い口調で書いてあるのが面白かった。

ちょうど前日に行った紀州藩の船と、龍馬の海援隊の船が衝突し、海援隊の船が沈んだ事故があった。
いろは丸の沈没事故だ。

紀州藩が将軍家の威光で上手に出るところを、龍馬が巧みなトークで世論を味方に付けて紀州藩に罪を認めさせ、賠償金を払わせた。
龍馬も事故後の経緯は自画自賛している。
この辺は、やり手の実業家みたいだ。
その海援隊に、三菱グループの祖『岩崎弥太郎』も属していたのが面白い。


龍馬は一人でいろいろ動き回ったが、彼によって動かされた人物、彼が間に入って繋いだ人物など、結局は国が動くのは個人個人の繋がりから始まっていくもんだと思った。

人が人に影響を与え、また人から影響を受ける。
その振り幅がどんどん大きくなって、やがては国全体を動かす原動力になっていく。言動力と言ってもいいだろう。
その原動機の歯車の、少しだけ大きなひとつが坂本龍馬だったのだ。


地下から上がってくる時には、僕はすっかり龍馬の虜になっていた。
1階では小野君がイスに座って、延々と上映されている『お〜い!竜馬』のアニメを観ていた。
「お〜い!竜馬、面白いな」
彼もある意味、虜になっていた。

記念館を全部観て、桂浜に向かった。
浜を見下ろす丘に、坂本龍馬の像が建っている。
桂浜の海は雄大だった。
波も高く激しい。
龍馬もここに立ち、海の向こう−世界を感じたのだろう。

桂浜2.jpg

僕も岩場の先まで行ってみたが、怖かった。
たまに激しい波がくると、岩の上まで到達するのだ。
波にさらわれる前に離脱。

桂浜.jpg

桂浜では闘犬を観るチャンスだったが、連れの小野君が特に犬好きではないので却下した。

当初は、桂浜の次は高知市の近くの『龍河洞』という鍾乳洞に行く予定だったが、龍馬記念館に長くいすぎたため、行くのを断念した。
さぁて、今日の宿に向かうとするか。
今日の宿は高知市内にとってある。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 12:23| Comment(4) | Drive物語T
この記事へのコメント
観光旅行は歴史を知ったうえで行くとさらに新しい事実を発見し何倍も楽しいようだね
Posted by しゅう at 2006年05月06日 18:42
そう、歴史を知らないとただの道。
しかし、そこで何があったかを考える事によって、道中は楽しくなるのですね。
Posted by SNJ at 2006年05月06日 23:02
こんにちわ、うきうき日記のうさこです。
4月30日(日)から2泊3日で長浜へ
一豊・千代博覧会や、黒壁スクエアを
ゆっくり観光して来ました。
Posted by うさこ at 2006年05月08日 12:45
うさこ様、こんにちは!
おいでいただきありがとうございます。
4月30日は、僕らは米原から南下して彦根にいたのですが、長浜ではなく八日市の方に行ってしまったんですよ。
翌日には高知城を訪れ、一豊の像を見て、「土佐藩の祖として今ブームだろうな〜」とか思ってたんですが、長浜の方が大々的にアピールしてますね。
僕らは、気付かずに南下して行ってしまいました。
Posted by SNJ at 2006年05月08日 23:43
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