足摺スカイラインという道を通る。
足摺に来る時に走った道は狭すぎだったが、こちらはスカイラインと名付けてるだけあって、二車線ある。
しかし、スカイラインの名のイメージとは違って、急な上りだった。
アクセルを開けてもRAV4が加速していかない。
ミニバンが後方に迫ってくる。
僕はフル加速をしている。それでもミニバンは迫ってくる。
先に行かせてあげようと思ったら、ミニバンは曲がったのかいなくなった。
どんどん上ると、左右に素晴らしい景色が広がった。
足摺半島は付け根がくびれているので、山の上からは左右に海が見渡せるのだ。
「すっげ〜」
僕らは驚くしかなかった。
上りが終わると、もちろん下りが待っている。
下りも急だ。
カーブでブレーキを掛けても、すぐに加速していく。
アクセルは踏んでいない。
僕らは驚くしかなかった。
またミニバンが後方から迫ってきた。
さっきより重そうなミニバンだ。
抜かれた。
まぁ先に行かしたのだが。
そしてミニバンは視界から消えた。すごい速さだ。
僕らは驚くしかなかった。
こちらは相変わらず、50、60、70kmと重力によって加速していく。
RAV4は1300kgもないのだが、乗ってる僕らが重い。
やがて、ブレーキの掛け過ぎで、ブレーキが軋み始めた。
キキキキキ、キキキキキ
嫌な音だ。
少し踏んだだけでも、音がするようになった。
万が一、ブレーキが利かなくなったら、谷底が待っている。
ギアをセカンドに入れ、40km以上出ないようにした。
そうしてやっと山を下りてきた。
次に向かうは、日本最後の清流『四万十川』だ。
元々は今回の旅は、この四万十川が見たくて企画された旅だった。
本来なら、四万十川でカヌーで川下りをする予定だったが、それをやると丸一日潰れるので、残念ながら却下してしまった。
それより、たくさん回る方を選んだのだ。
四万十へ向けては、またのどかな道が続く。
お遍路さんも多くなる。
(こんな道を歩きで、大変だろうな〜)
そう言えば、足摺では自転車に乗ったお遍路さんや、バイクに乗ったお遍路さんを見た。
あの格好でバイクは、正直、僕らは驚くしかなかった。
四万十川が見えてきた。
まだ下流なのでキレイには見えない。
どんどん上流に遡っていくと、道の下に橋が見えてきた。
橋の方へ下りていくと、ものすごく狭い。
橋の幅は2.6mほどだろうか。欄干もない。RAV4は1.7mある。
助手席の小野君は思った。
(ここは渡っていけないな…)
その想いを無視して、僕は橋を渡り始めた。100mくらいの長さだろうか。
(そんなに狭くないなぁ)
僕はそう思って、欄干のない橋をそれなりのスピードで渡っていく。
橋の真ん中は少し広くなっていて、人と車がすれ違える。
何人かがそこで川を見ていた。
そこで初めて僕は狭いと感じた。
無事にすれ違い、橋を渡りきると、路肩に車を停め、川原に下りていった。

端には『沈下橋』と書かれている。
これは、大雨などで増水した時に、橋が水中に沈むようにできてるためだ。
水圧で橋が壊されないように、欄干がないのだ。
橋自体の厚みも、薄く作られている。
僕の後ろに走ってきた車がまだ橋を渡っている。ずいぶんと慎重な運転だ。
まぁ、それくらい狭いのだろう。
川の水は冷たくなかった。
水面に石を投げた。
ドッポ〜ン!
また投げた。
ドップ〜ン!
次々に投げた。
飽きた。
周りの景色は素晴らしい。ずっと見ていても飽きないほどだ。
車に戻ると、小野君にビデオカメラを持たせて橋の真ん中に行ってもらい、僕がそこに向かって車を走らせていくという映像を撮った。
家に帰った後にその映像を観ると、僕が運転してるRAV4のタイヤが橋の端スレスレを通っていた。
どうやらやっぱり、かなり狭かったようだ。
僕は驚くしかなかった。
また上流に向けて走ってくと、また沈下橋があった。
先ほどよりは広めの橋だ。
また川原に下りていった。
小野君が言った。
「橋の向こうは何もないみたいだな」
という事で、今度は渡らなかった。
後日、小野君の話を聞くと、「またあんな狭い橋を渡られたら、たまったもんじゃない」とのことで、渡ってもつまらないということをアピールしたようだった。
その後も沈下橋はいくつかあった。
そして、分岐点に来た。
友人の国貞君が、僕らが四国に行くと知って『四国カルスト』なるところを勧めてきたのだが、僕らは西に向かって『宇和島城』に行こうと考えていた。
宇和島城は、伊達政宗の子、秀宗が移封された城だ。
築城は藤堂高虎だ。秀宗の前は高虎が治めていた。
小野君は伊達家のファン、僕は高虎好きだ。
しかし、四国カルストに行くと宇和島城は行けない。
宇和島周りだと、四国カルストは夜になりかねない。
両方は行けない。
どちらに行こうか決めかねながら、僕らは少しずつ西へ向かっていた。
北に向かえば四国カルスト、このまま西に向かえば宇和島城だ。
果たして僕らはどちらに向かったのか…。
〜続く〜
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運転席側が、あと15cmくらいしか幅がないの。
助手席側は30cm以上くらいありそうなんだけど。