2006年05月10日

Drive物語・四国編10 〜5/2 四国カルスト〜

ヤギと遊んだ牧場から緩やかな上り道が続く。
その牧場が眼下に見下ろせる道だ。

やがて牧場が見えなくなった。
代わりに、視界が開けた。
いま走っている道から、遠くの山々が見える。
道の横を覗き込むと、切り立った崖になっている。
ガードレールこそあるものの、自分が今いる場所が、かなり標高が高いんだと分かった。
その道は、まだまだ上っていく。
ここまで随分と上って来たのに、まだ上るのかと思った。

ただ、景色は素晴らしい。
でも、崖は怖い。

カルスト2.jpg

のぼり続けると売店が見えてきた。
そこが、四国カルストのほぼ中央部分に当たる『姫鶴平(めづるだいら)』。
乳牛であろうウシたちが、そこかしこで草を食んでいる。

高原らしい草木の間に、風雨によって侵食された石灰質の岩が林立している。
『カレンフェルト』と言うらしい。
ウシが草を食べまくっても、枯れん増える、と。

ウシの中には、岩場の崖っぷちで草を食べてるヤツもいる。
ウシの中にも冒険心があるヤツがいるのだろうか?
草に夢中で、落ちるとか危ないとか、何も考えてないのかもしれないが。

カルスト3.jpg

ここには風車などもあり、景観も最もキレイであろう。
遠くの山々が存在感ありすぎて、遠いんだか近いんだか分からなくなってくる。
それほどのスケール感だ。こんな風景、今まで見た事ない。

車を降りると、すごく寒い。
半袖で写真を撮ってる内にすっかり冷えて、長居せずに車に乗り込んだ。
寒いが景色はホントに素晴らしい。今まで見た高原の中で一番圧倒された。

姫鶴平からさらに上って行くと、五段高原、天狗高原と続く。
五段高原に向かう道は、岩場を切り通したような道で、まるで岩の間から空に昇っていくんじゃないかという錯覚に陥る。

RAV4.jpg

天狗高原まで来ると、ここが四国カルストの東端になる。
さきほど寄ったヤギのいる牧場が西端だ。
後で調べると、天狗高原が標高1500mほど、牧場が1000mほどだった。どうりで寒いはずだ。

天狗高原からは左折して、愛媛県に入った。
まぁ、四国カルストの道が、ほぼ県境と重なっているので、普通に走っていれば高知県と愛媛県を行ったり来たりしている事になる。

今度は下りだ。
道にはかなり落石があり、カルストの岩盤が脆いものだと分かる。
スピードを出していると、散らばった落石に乗り上げかねない。
かなり大きな岩も落ちているのだ。

下りでまた勝手にスピードが上がる。
ブレーキを掛けつつ進むが、またブレーキが悲鳴を上げだした。
今日はブレーキを酷使しすぎている。

キキキキキ、キキキキキ

ギアはセカンド、落石を避けて、時に対向車線にはみ出す。
夕暮れが迫ってきたせいもあるが、木々に覆われて道は薄暗い。
ガードレールもないが、たとえ落ちても木に引っ掛かって崖下までは転落しなさそうだ。
もし夜になったら、こんな道は走れたもんじゃない。

そう言えば、プリンを食べた牧場の喫茶店で年配の夫婦が、「これから松山の方へ向かうのだが、どの道を行けばいいのか?」と、美人な女将さんに尋ねていた。
あの年配のご夫婦は、この道を通っていったのだろうか?
それとも、もっと緩やかな道を通って行ったのかもしれない。
僕らは、落石の多いその危険な山道を下っていく間、一台も対向車とすれ違わなかった。

奇遇にも年配のご夫婦と同じく、僕らの行き先も松山だった。
『カルスト→松山』のパターンは結構あるのかもしれない。

やっかりな下りを終えると、僕の神経は限界だった。
小野君に運転を替わってもらう。
僕が自分から、疲れたから運転を替わってくれと言うのは珍しい方だと思う。
それほどに、足摺岬から山を越えて四万十川の遡り、龍馬の脱藩逃走路から四国カルストへの上り、そして落石だらけの下りと続く道のりは険しかった。

あとは小野君に任せて、僕は松山までのんびりと窓の外でも見ていよう。
今夜の宿は松山市内、松山城の裏手に予約してある。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 23:59| Comment(0) | Drive物語T
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