搾りたてではない普通のパックの牛乳だ。
脂肪分は3.8%以上と表記されている。
飲んでみると、とても美味しい。
風呂上りと高原の眺望もあるかもしれないが、何とも甘味があって美味しかった。
もっと飲みたかったが、この後は仙台市内に向かわなくてはならないので、あまりのんびりもしていられない。
RA君の愛車パジェロioに乗り込むと、RA君は愛車の舳先を仙台に向けて出発した。
「さぁて、とりあえず温泉にも入ったし、あとは仙台に行って飲むだけだな」
いろいろと目的地を却下してきたこの旅だったが、ようやく予定通りのスケジュールになってきた。
多少、車の中が硫黄臭いが致し方ない。
RA君が山道を飛ばす。
愛車パジェロioは、RA君の操舵に従って舳先を右に左に向けながら山道を下っていく。
上りは4人搭乗で重かったのもあって時間がかかったが、下りは勝手に加速していくから早いのだ。
「バイバイ、栗駒高原」
………。
…何かがおかしい…。何かが…。
パジェロioは山道をどんどん進んでいく。
「あっ!道を間違えてる!」
パジェロioの舳先は仙台に向いていなかった。
「この道は北上したあと、山を迂回して南下して鳴子温泉の方を抜けていく道だ。仙台にいくなら1時間以上遠回りになるよ」
「そう言えば、看板に書いてあった」
「早く言ってよ〜」
本来は、鳴子温泉も立ち寄れたらいいと思っていたが、早い段階で却下したのだ。
パジェロioはまた栗駒に逆戻りだ。
かなり下ってきたので、もちろんかなり上る。
20分以上のロスになった。
しかし、時間のロスより怖いものが待っていた…。
正しいルートに乗って、また山道を下っていた。
RA君は右に左にハンドルを切る。
時間のロスを取り戻すためか、下るペースも早い。
時に対抗車線にはみ出しても、早いペースを保った。もちろんミラーで対向車が来ないのを確認している。
RA君は運転に集中して無言になっている。
助手席のNK君は少しうとうとしている。
後部座席では、僕と小野君が移ろいゆく山の景色を見ていた。
左にガードレールが見えた。
右カーブだ。
対向車は来ない。
RA君が減速して右にハンドルを切り、ガードレールに沿って曲がっていく。
ガードレールが近付いてくる。
ガードレールはなおも近付く。
僕は運転手のRA君を見た。
(寝てやがる!?)
僕はガードレールを見た。
(ぶつかる〜!…って声を掛けたら、RA君は驚いてハンドル操作を誤るかもしれない)
僕は極めて冷静な声でRA君に声を掛けた。
「危ないよ」
「あっ!」
RA君がハッと気付いてガードレールへの衝突は避けられた。
「危なかった〜。今、目を開けたまま気を失ってたよ」
やはりRA君は一瞬寝ていたようだ。
昨夜は寝てないも同然だし、栗駒高原への険しい山道で神経をすり減らして疲れていたので仕方あるまい。
温泉でものぼせてた事だし、車中の硫黄臭で意識朦朧となったのもあるかもしれない。

「疲れたら自主申告だからね。疲れたら代わるよ」
小野君がそう言って運転を交代した。
小野君の運転で無事に山を下り終え、高速道路からはNK君に運転を代わった。
NK君は久しく運転していなかったので、昼間の高速道路担当ドライバーになった。
「久しぶりの運転だから緊張するな」
高速に乗ると、そう言うNK君をあざ笑うように雨が降ってきた。
〜続く〜
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山道はやはり神経磨り減るね。
僕は山道好きなんだけど、見通し悪いとこだと対向車が怖いね。
MNBくんが新車を魅せに来たよ。きれいなブルーでうらやましい。軽から3ナンバーだから気持ちいいんだろうね。
運転しているわけではないかな。
その一瞬が3秒くらいあるとぶつかるだろうね。