子供の頃、僕は祖父からこう教えられた。
「水道の口からは蛇が出てくるぞ」
それはたわいのない冗談だったのだろうが、まだ水道管のことなど知らない僕は祖父のその言葉を信じてしまった。
(きっと、水道は川から繋がっているから蛇が出てくるんだ)
水を出して蛇口を見ていると、水の色合いが真ん中だけ濃く見える。
幼い僕は、その細く色濃くなった部分を蛇のしっぽだと思い込んだ。
(やっぱり蛇が出てきてる…。水をたくさん出すと全部出てくるかもしれない…)
なので僕は、水を大量に出したりはしなかった。
歯磨きをする時も水を止めた。なるべく水を出したくなかったのだ。
その点では祖父の教えは、水を節約させる意味があったのかもしれない。
田舎の家の外にある水場では、時たま蛇がいることもあった。
もちろん、水道を伝って出てきたと思った。
僕は水が怖かった。
水に顔をつけるのも嫌だった。水道から出てきた水には蛇が潜んでいるかもしれないのだ。
風呂が熱くても、一気に水で薄めようとすると蛇が出てくると思って、なかなかぬるく出来なかった。
いろいろ弊害はあった。
しかし僕はいつの間にか、水道から蛇が出てくることを忘れてしまった。
『蛇口』
それは正しく、蛇の口と書く。
でも蛇は出てこないのだ。
2006年10月07日
蛇口
ニックネーム SNJ at 00:34| Comment(2)
| 思い出ボロボロ
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久々にキッキリーに会ったよ。
どこで産まれてどこで育ってんのか分からないけど。
キッキリ君は元気そうでしたか?さすがに大人しくなってるのかな。