2006年10月27日

自転車奇行・箱根編7 〜57.5〜

数分後、僕は走っていた。
自転車に乗って走っていた。

相模湖駅で電車に乗るかどうか悩んでいたが、せっかくの湖沿いの道だ。風景を楽しまなければ損だろう。
やっぱり電車に乗るのはやめて、自転車で行く事にしたのだ。

しかし、せっかくの湖沿いの道のはずが、木々に邪魔されてほとんど相模湖が見えない。
写真を撮る気にもならない。
たまに撮っても、木々とフェンスに遮られた湖の画が撮れるだけだった。

道はまた徐々に上りだした。
僕はなるべく自転車から降りないで上っていたが、また脚が痛みだした。
しかも出発から5時間半が経ち、お尻も痛くなってきた。
マウンテンバイクのサドルの角が硬いのだ。これでは座る事もツラい。

5kmほど湖沿いに走っていたが、山梨県に入ってすぐの上野原市という所で、甲州街道は大きく北へと迂回した。
さらにここは急な上り坂になっている。
僕は自転車から降りた。

いったい何m上るのか分からないが、長い坂道だ。
もしかしたら、電車の中央本線沿いに上りのないショートカットできる道があったのかもしれないが、僕は甲州街道に沿って行ってしまった。

自転車を押して歩いているだけなのに、脚の裏側も攣りだした。
立ち止まってはストレッチをしながら、進んでゆく。
北へ迂回していた道が、南へと向きを変えると、上りは終わった。
僕は自転車に乗ると、下りへと漕ぎ出した。

急坂を上って来ただけあって、下りも急だった。
すぐに40kmオーバー。
50kmもオーバー。
下り坂はまだ続く。しかも直線的である。
(こりゃあ行くしかない!)
僕は本日の最高速度を更新するために一番重いギアにチェンジし、思いっきり漕ぎ出した。

風の音が大きくなり、首に巻いていたタオルの左側が外れて飛ばされそうになった。
僕は右肩とアゴでタオルの右側を挟み込み、飛ばされないようにした。
その間も1分に120回転以上漕いで加速していく。
タオルが大きくなびいて、周りから見ればそれはまるでマフラーの様だったろう。

そんな傾いた体勢だったので上手く漕げたか分からないが、スピードを落としてからメーターをチェックすると、最高速度は57.5kmを記録していた。
タオルを挟みながらでなければ、60kmは出せたろう。それほど直線的な急坂だった。

道はまた西へと角度を変えた。
そして緩やかながらも上りだす。
脚とお尻が痛む。
漕ぎ方や、座る角度を変えながら進んだ。
時刻は午前10時半。

…長い…。
大月までの約30kmはとても長かった。
中央本線の駅を、四方津(しおつ)、梁川、鳥沢、猿橋と過ぎていく。
駅が見える度に大月駅かと思うのだが、違う駅なのだ。
駅と駅の間は、山道で3、4kmあるだろう。

大月へ.jpg

この辺りは左側を見ると崖になっていて、遥か下方に川が流れている。
高い。川原から100m近くあるのではなかろうか。
これだけ上って来てるんだから、後で下りが待っていると信じて突き進む。

大月.jpg

12時20分、都内から90km近く走ってようやく大月駅を通過。
山の手に、岩殿城跡が見える。あの断崖は凄い迫力だ。
岩殿城は武田信玄の縁の城なので行ってみたかったが、あの山の高さでは今の自分には到底ムリである。

大月標ッ.jpg

岩殿城は諦めて、国道20号(甲州街道)と139号の分岐を左に折れた。
さらば、甲州街道。次に通るのは都留市(つる)である。
(ここまで上ったんだから、都留からは下りになっているさ…)
そう思って僕は都留に向かっていった。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 21:39| Comment(0) | 自転車奇行2006
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