暗い夜道を自転車を押して歩き続け、ようやく1104mの篭坂峠を上りきった。
ここからは夜道のダウンヒルだ。
その先は御殿場市へと続いている。
僕はまた上着を着込み、つづら折れのダウンヒルに向かってペダルを漕いだ。
すぐさまスピードメーターが40kmを超える。
峠を上って火照った体に夜風が心地良い。いや、寒い。
街灯も適度にあって、見通しは悪くない。
時折、車の通行もあるので、減速して先に行かす。
先に行かした後はテール・トゥ・ノーズで付いていくが、自転車のブレーキでは急には止まれないので、追突しないよう余裕を持ってのペダリングだ。
風の音が耳をつんざく。
ものすごい風圧だ。
風も強いのだろうが、車で走っていると気付かないことだ。
自分の耳の風切り音以外は何も聞こえなくなるので、安全のために顔を少し横に向ける。
こうすると、片耳から前方の音が聞き取れる。
フクロウの左右非対称の耳の原理だ。
ここはかなりの急坂だ。
少し気を抜くと、時速50kmを超えてしまう。
しかし夜道で路面も遠くまで見通せないので、なるべく50kmは超えないようにブレーキをかけつつ下った。
ここなら60kmも軽く超えられそうだ。
いくつものヘアピンを抜ける。
対向車や自分の後方から車が来ない事を確認してから、対向車線にはみ出さないよう、片側車線いっぱいを使ってのコーナリングをしてみる。
なかなか爽快だ。
この夜の峠が自分だけのモノのような気がしてくる。
どれほど下ったのか分からないが、10分以上は下っていたろう。
やがてつづら折れはなくなり、普通の直線的な国道に戻った。
道は直線的になったが、まだまだ下っている。
篭坂峠が標高1104mで、御殿場市内は400mほどなので、その差700m近い。
つづら折れでどれくらい下りたか分からないが、とにかく当分は楽を出来るという事だ。
この後に待ち構える運命を知らずに、僕は国道138号線を飛ばしていった。
〜続く〜
2006年10月28日
自転車奇行・箱根編11 〜夜の峠道〜
ニックネーム SNJ at 12:15| Comment(0)
| 自転車奇行2006
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