2006年10月28日

自転車奇行・箱根編12 〜御殿場で御転婆を〜

国道138号線は、直線的だが傾斜がある。
峠道部分は終わったのに、下りが続いている。
御殿場市内までずっと下っているのだろう。
ここも軽く漕ぐだけで30kmオーバー、時に40kmを超えてしまう。

他の道との合流で急に大型トラックが増えてくるが、その横を自転車で走るには車道脇のスペースが少ない。
さらに、この国道はけっこう暗いのだ。
なので、自分が40km以上で走り続けられれば、トラックと同じ流れで進めていいが、安全を考えるとそうもいかないので、歩道に入る事にした。

車道も暗かったが、歩道はもっと暗かった。
通行人など一人もいない。
この周辺はゴルフコースばかりで民家もないのだ。
本当に通る人もいないのだろう、歩道の中には草が生い茂り、路面が見えない。
少し漕ぐと30kmを超えてしまうが、この歩道内でそのスピードは危険なので減速する事にした。

その時だった!

目の前の路面に草が生い茂っているのが、ライトの明かりの中に見えた。
その草の間を抜けようと直進すると、突然ハンドルを何かに取られて自由が利かなくり、前輪が左横を向いた。
そして、ブレーキは掛けたのだが、勢い余って僕は自転車から前方に投げ出されてしまった。

激しい衝撃が僕に響いた。
その時に聞こえた音は、自分の「うおっ」と言う小さな声と、リュックが地面に叩き付けられる「ドカッ」という音だった。
一瞬、自分が漫画みたいに「うおっ」と言ったのが面白く思えた。

…静寂…。

自分の目の前15cmに歩道の縁石が見えた。
頭部の激突は避けられたようだ。
僕はそっと中腰に立ち上がった。

右腕と右脚が痛い。
右半身から地面に落ちたのだ。
まずは脚は無事かと、痛む部位を触って損傷を確認する。
太股とヒザとスネとかなり痛むが、単なる打撲のようだ。

立ち上がって、次に腕を確認する。
上着の袖はめくれ上がり、肘が激しく痛む。
肘から手にかけて、しこたまぶつけたらしい。
でも、お蔭で頭部は助かったのだろう。

右手の小指と薬指に感覚がないのに気付いた。
左手で触ってみるが、痛みもない。麻痺している。
吐き気もこないし、感覚はないが動いたので、折れてはいないようだ。

自転車を見た。
歩道の縁石の上に倒れている。
その横に僕の靴が落ちている。
どうやって脱げたのか、僕は右足が靴下になっていた。
もちろん足の甲も踵も痛い。何がしかの衝撃が加わったのだろう。

歩道の形状を見ると、僕が転倒した理由が解った。
僕が進んできた幅1.5mほどの歩道が、急に斜めに縁石がせり出して、60cmほどに狭くなっていたのだ。
そして、僕の直進を遮るように斜めにせり出した縁石は、草で覆われて見えなくなっていた。

この縁石に前輪を引っ掛けて、自転車は歩道の縁石沿いに横倒しになり、時速20km以上のスピードが出てたために、ブレーキを掛けたものの、僕は前方に1m以上飛んでしまったのだ。
なお、僕が落下した場所は、狭くなった縁石の外側だった。つまり、車道側に落ちていたのだ。




『h』の字を使って説明すると、hの縦線の左側が車道、右側が歩道として、僕は上から走ってきた矢印とする。
hの字の、横に引いて下にカーブする線を縁石が狭くなっている部分とすれば、矢印である僕はここに引っ掛かって、hの字の内側に落ちたという事になる。

(ついにやってしまったな…)
僕は自分の不注意を悔いたが、この縁石の仕掛けは予想していなかった。
素直に車道を走っていれば良かった。
保険証も持っていたので緊急時は病院も考えたが、そこまでではなさそうだ。

自転車を起こすと、ハンドルが前後反対になっていた。
だが、マウンテンバイクはハンドルが逆を向く作りになっているので問題ない。
ハンドルが逆を向いたので、コードで巻きつけてあるスピードメーターが捻じれて外れていた。
距離は145kmほどで止まっている。
後で直さなければなるまい。

チェーンも外れていたが、これはすぐ直った。
サスペンションのお蔭か、タイヤのスポークも曲がっていない。
ロードタイプなら曲がっていたかもしれない。
頑丈なのは、マウンテンバイクの特権だ。

あと心配なのは、リュックの中のノートPCだ。
リュックの叩きつけられる音を聞いている。
まぁ、これの確認は後ですればいい。

僕は靴を履き、寒くなってきたので手袋をはめ、自転車に跨ると、再びゆっくりと御殿場市内へ向かって進み出した。
脚は痛いが道は下っているので、ほとんど漕がなくても大丈夫だ。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 12:54| Comment(2) | 自転車奇行2006
この記事へのコメント
自転車で良かったね。これがバイクだったら危ないよね。僕も高校時代は自転車通学だったので年に5回ぐらいは転んだよ車にもぶつかったこともあるしね。ママチャリだったら壊れてね。
Posted by RA at 2006年10月28日 15:13
マウンテンバイクは重いけど、頑丈なのが売りです。

ママチャリは、正面衝突なら実は前カゴの部分がクッションになって衝撃を吸収してくれますな。

通学時って、月に300km以上走ってるよね。
今思うと、凄いもんだ。
Posted by SNJ at 2006年10月28日 22:48
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