2006年11月03日

自転車奇行・箱根編15 〜箱根へ向かう道〜

箱根の西の麓である三島から、箱根を目指して国道1号線を上り始めた僕であるが、早くも息を切らしていた。
上り始めて進んだ距離は1kmもないだろう。

三島市街.jpg

上ってすぐのとこからの三島市街の眺望だ。
下を通る線路は東海道本線。
眺望と言うほど、標高は高くない。
昨日の疲れもあったのだろう、この先の上りで僕は力尽きた。

トラックを避けて歩道を進んだのだが、この歩道が敷石でデコボコして走りにくいのだ。
タイヤの回転エネルギーが段差で食われて、ペダルを回すのに余計な力を使う。
息も絶え絶えなら、脚も途絶えた。

三島から箱根までは約15km。
平地なら1時間も掛からない距離だ。
だが、15kmで800m上る。
上る前は、僕は2時間で上り切る気でいた。

なのに10分ほどで息絶えた僕は、途方に暮れながら徒歩で自転車を押していた。
後ろを見れば、三島市街がすぐそこにある。
全っ然、進んでない。

新興住宅地を過ぎると、後ろを振り返っても三島の市街地は見えなくなっていた。
勾配もキツくなり、ますます自転車に乗れなくなってくる。
そして畑が増えて、肥料の匂いが漂ってくる。

風は穏やかだ。
化学肥料ではない肥料の匂いが立ち込める。
僕は、とっとと通過してしまいたいのだが、脚が動かない。
息を止めつつ歩く。
苦しくなって大きく息をする。
肥料の香りで、むせかえる。
ますます苦しくなる。

早く通り過ぎたい。
小走りになる。
呼吸回数が増える。
苦しい。
呼吸を浅くする。
苦しい。
吸い込めば匂う。
苦しい。

ああ、何をどうやっても苦しいのだ!

苦しいものは苦しい。
僕はただ静かに歩いていくしかなかった。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 00:11| Comment(0) | 自転車奇行2006
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