これで、気分も新たに上っていける。
少し上っては休み、また少し上っては休む。
これでは時速4kmのペースも割っているだろう。
だが、とにかくこの箱根の山を登ってきた。

登って…

登って…

また登り…ていうか、荷物が多過ぎ!
体にまとった脂肪も、何より大きな荷物だ。

上り続けて3時間ほど経った頃、山中城跡に到着。
ここの標高が600mくらいなので、この城跡まで来れば4分の3ほど上った事になる。
山中城は、武田信玄のライバルの北条氏康が、小田原の西の防衛ラインとして築城した堅固な城だった。
後に、豊臣秀吉の小田原攻めの際に7万の兵力で攻められて、4千ほどの城兵は奮戦空しく半日で落城。
箱根の山中での戦いがどんなものだったのかは詳しく分からないが、僕みたいなヘタレの兵士は、登ってきて疲れてるところを討たれそうです。
この山中城、すっごい観ていきたかったが、城跡は広大な敷地だ。
疲れ果てていた僕は素通りをした。

『法生寺 人は何の為に生きるのか』
そうだ、僕は何の為に上るのか…。

遠くの山の上の方を見ると、かすかに紅葉している。
僕も高揚してくる。
残り4km。あと少しだ。
さらに上っていくと気温が下がってきた。
電光掲示板の表示は10℃になっている。
肌寒いのが、汗をかいている今は心地良い。
道端の草むらでは、時々カサカサと物音がしている。
風ではなく何かいる。
音からすると、小動物が動きまわっている音に思える。
蛇だったら嫌だ。
そういや、昨日は都留市内で蛇とニアミスした。向こうが逃げていったけど、ビックリした。
上り坂も残り僅かと思って、自転車に乗ってラストスパートをかけてみた。
500mくらいで勾配が急になって失速。
僕は自転車を降りた。
〜続く〜
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