もう峠に辿り着いたかと思ってカーブを曲がると、そこには上り坂がある。
僕は憂鬱になる。

この憂鬱を何度も繰り返した後、ようやく峠の頂上が見えた。
あの交差点の手前が箱根峠の頂点だ。

箱根峠。標高846m。
午後2時ジャスト、三島から予定の2倍の4時間を掛けて、無事(?)到達!
遂に…、遂に上り切ったのだ!
脚が痛くて何度も諦めようと思ったけど、箱根を上り切って良かった。
バンザイ。
この峠の向こうは下り坂になっている。
今まで坂の上ばかり見えていたのが、ここで一気に視界が開けた。
僕は箱根峠を越えた喜びを噛み締めると、上着を着込んで下りに入った。

左手の木々の隙間に芦ノ湖を見下ろしながらの下りだ。
左コーナーを曲がると、芦ノ湖は右手に移行する。
そして、そこにあった道の駅で自転車を停めると、僕は温かいなめこ蕎麦を注文した。
窓際の席から芦ノ湖を見下ろしつつ食べたなめこ蕎麦は少しぬるかったが、今まで食べたどの蕎麦より美味しく感じられた。

道の駅から望む芦ノ湖。
天気はあまり良くないが、峠を越えた僕の心は晴れ晴れとしている。

道の駅から1kmほど下り坂を行くと、芦ノ湖湖畔に到着。
芦ノ湖の海賊船に乗りたかったが、4時間も上りに費やしてしまった為、諦める。
箱根の関所も、お土産だけ買って素通り。
かつての旅人と同じく、この関所を見て行きたかったが、意外に観光客で混んでたので避けた。
『入鉄砲に出女』
箱根の関所では、関東に入ってくる鉄砲に注意するのはもちろん、実質江戸への人質である大名の奥方などが関東から逃げ出さないように見張った。
僕は今日は関東に入ってきたので、さながら鉄砲というところだ。
鉄砲のごとく、箱根から下ってってやる。

芦ノ湖のほとりに佇んでみる。
向こう岸に箱根神社が見える。
行ってみたかったが、明るい内に小田原まで下りたいので却下。
遊覧船が行くのが見える。
ホント、乗りたかったが嫌な予感もあるので却下。
さぁて行くか、と思った矢先に僕の目に見えたのは、芦ノ湖から上っていく道路だった。
嫌な予感は現実になった。
国道1号線は、芦ノ湖から山を越えてその先へと続いていた。これでは鉄砲のごとく下っていけない。
また上りが始まる…。
〜続く〜
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