受験シーズンも近付いた中学3年の秋の頃。
僕と、同じクラスの小野君と金川君と3人で高校見学に行った。
向かった先は、柏日体という高校だった。
僕らは柏駅から歩いて向かうことにした。
地図で見れば、柏駅からすぐそばに思えたのだ。
柏駅で電車を降りて、東へ15分ほど歩く。
国道16号線を渡り、柏公園の横を抜けていく。
大して歩いていないが、僕らはずいぶん歩いた気がしていた。
「なかなか柏日体に着かないねェ」
「16号を渡ればすぐだと思ったんだけどね」
「まぁもう少し行ってみれば着くんじゃないの?」
本当は、少し南に向かわなければならなかった。
僕らアホ中学生の頭では、地図と実際の距離の差を考えることが出来なかったのだ。
この辺の土地は、手賀沼に向かって下り坂になっているのだが、僕らは見たこともないような急な下り坂に遭遇した。
この坂を下りていったら、万が一道が違っていた時に戻ってくるのが、上りでキツくなる。
「こっちかねェ?」
「行き過ぎってことはない?」
「でも高校らしき建物はなかったけどな〜」
僕らは、無い頭脳で考える。
どうも道を間違えている気がするが、誰もそれを認めたくない。
その時、下り坂の向こうに、大きめの建物が見えた。
「あそこに見えるの、高校じゃない?」
「ああ、そうだ。あれだよ」
「こっちで合ってたんだね」
僕らは、高校を見つけて喜び勇んで坂を下りていった。
そのまま手賀沼の周辺道路を歩いていく。
20分くらい歩いていくと、建物が見えてきた。
「あっ!」
「えっ!?」
「何ィ?」
…建物は駅だった。
柏駅の隣りの北柏駅の駅舎だったのだ。
それを遠目に見て校舎と勘違いし、坂を下ってしまったので建物は見えなくなり、間近に接近するまで駅だと気付かなかったのだ。
「どうするよ?」
「これから高校に向かっても日が暮れちゃうよね」
「とりあえず今日のところは帰るか?」
「そうするか…」
「全く、何しに来たんだよ〜」
僕らは、高校見学に行ったつもりが、ただ柏駅から北柏駅まで遠回りしながら1時間近く歩いていっただけになってしまった。
中学3年、前途多難。
そんな、秋の日の思い出。
2006年12月08日
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