松島島巡りの観光船を、何十羽ものウミネコが追い掛けてくる。
乗客がお菓子をあげるからだが、その様は圧巻だ。
何人もの人が、そこかしこでかっぱえびせんを手に持って掲げると、ウミネコは見事にそれをついばんでゆく。
えびせんを投げれば、ウミネコは空中で鮮やかにくちばしでキャッチする。
見てると、僕もウミネコにお菓子をあげたくなった。
誰かが投げたえびせんが床に落ちている。
僕は屈んでそれを拾うと、ウミネコに向かって投げた。
パクッ
ウミネコはしっかりとキャッチしてくれた。
なかなか嬉しい。
また拾って投げると、今度はキャッチされずにえびせんは海へと落ちていった。
何人もの人がえびせんを投げるので、ウミネコも取りやすいものを取っている。
基本的に、ウミネコの真正面にいく様に投げれば食べてくれる。
海に落ちたえびせんは、遅れてついてくるウミネコが海面に着水して食べている。
ただでさえ塩分過多なのに、海水でますますしょっぱいだろう。
また投げると、キャッチ成功。
僕とウミネコの心が通じ合っている。
投げてるえびせんが、拾ったものなのが心苦しい。
次に手に持ってかざす。
ウミネコが僕の手を見て加速してきて、えびせんだけを抜き取っていった。
素晴らしき飛行能力だ。
飛び疲れたり、お腹いっぱいになったウミネコは、「ミャア」と鳴きながら海面に着水する。
次々と着水していく様が可愛らしかった。
その間も船は島々の間を進み続け、やがて復路に差し掛かる。
外洋に出ている間は、ウミネコは追い掛けてこない。
島から遠すぎるか、風が向かい風なのだろう。
再び島々の間に入ると、どこからともなくウミネコが群がってくる。
しかし風の影響か、今度は船の前方からキャッチしにくる。
人々は船の後方の甲板でお菓子をあげているので、船体横にえびせんを差し出さないと食べてくれない。
ウミネコが船に着地することはないのだ。
ウミネコを見てると、船の前方に回りこんで、そこで身体を船に向けて空中に留まり、船が来るとえびせんをキャッチしている。
往路の、後方から加速してくるのと逆に、前方からこちらに向かってくるので、さらに迫力が増している。
後方から来る時は船とほぼ同じスピードで飛んでいるので止まって見えるが、前方からだと相対的に速く感じる。
やはり素晴らしい飛行能力だ。
ウミネコばかり見ている内に、観光船は島々を巡って帰港した。
これで日本三景の一つを堪能したことになる。
(しまった、ほとんど景色を見ていなかった…)
観光船を降りると、親に頼まれていたかまぼこをお土産に買って再び仙台市内に戻った。
昨夜、デパートで地酒を買った時には買わなかった牛タンを、やはりお土産に買うことにしたのだ。
時は8月。車に戻ると熱気が籠もっていた。今日も暑い。
家に帰るまでかまぼこ大丈夫か…?
〜続く〜
2007年01月24日
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