もちろん、重い自転車を担いでの乗り換えに、また疲れる。
常磐線は土浦行き。
僕にとっては、『科学万博つくば'85』以来、21年振りの常磐線での茨城県入りだ。
電車好きである僕とキューピーさんは、車窓の風景を楽しんでいた。
「鹿島鉄道楽しみですなぁ」
鹿島鉄道への乗り換えは石岡駅だ。
ふと、気付いた。
石岡は土浦より先にあるという事に。
「あれ?この電車、土浦止まりですよ」
携帯で調べると、土浦で降りて次の石岡行きの電車が来るまで、ホームで20分ほど待たなければならない。
さらに調べると、石岡駅での鹿島鉄道への乗り換えも40分近く待たなければならなかった。
「ローカルですね」
土浦駅で降りて次の電車を待っていればいいと思ったら、違うホームへ渡らなければならなかった。
また重い荷を担いで歩く。
疲れたので自販機で飲み物を買おうと思った。
(アイスココアにしよう)
百円を入れる。紙コップのタイプの自販機だ。
カコン、カコン、ザララ〜
取り出し口を見ると、カップが出てきていないのに氷が出てきてしまっていた。
(あれれ〜?もしかして?)
シャ〜〜〜
(やっぱり!)
氷に続いてココアが流れ落ちていた。
ココアの滝だ。
静寂…。
カップは詰まっていたのか出てこず。
前にも自販機で出てこない事があったが、その時は缶かペットボトルだった。
紙コップが出てこずに飲み物だけが垂れ流しになっているのは、より虚しく感じた。
虚しくて、もう飲み物を買う気にならない。
喉の渇きを癒せないないまま、次の電車が来た。
列車の、前の数車両が土浦駅で切り離される。
「田中さん、切り離すところ見れますよ」
鉄道好きらしくキューピーさんが、連結器の切り離しを食い入るように見ている。
僕も見ていたが、普通に前の車両が走り出して切り離されただけだった。
「何か、あっ気なかったですね」
残った車両に乗り込んで、ようやく石岡駅に向かう。
引き込み線に待避した前の車両の横を通過していく。
「あと10分ほどで石岡駅ですよ。あと10分の距離のために、土浦駅で20分待ったわけですね〜」
お蔭で、ココア代も損した。

石岡駅に着くと、隣のホームに鹿島鉄道の車両が停車していた。
「おお、鹿島鉄道だ!」
僕らは、やっと巡り会えた鹿島鉄道に感激だ。
今回の旅は、これに乗るのが主目的なのだ。
鹿島鉄道のホームで、鹿島鉄道のCDを記念に買った。
鹿島鉄道のテーマソングが収録されている。
家に帰って聴くと、名曲である『岬めぐり』と『さぼてんの花』に似たフォークソングが収録されていた。
なかなか良かった。

しかし年代がかったホームだ。
ホームには次々と人がやってくる。
みんな望遠レンズのカメラを手にして、車両やらホームやら時刻表やらの写真を撮りまくっている。
鉄道好きな人たちだ。最後の記念に撮りにきているのだ。
「ずいぶん混んできましたね。これでは車内で自転車を組み立てるのは無理かなぁ」
当初の予定では、車両に乗り込んだら車内で自転車を袋から出してしまおうと思っていた。
鹿島鉄道では『サイクル&トレイン』と謳ってて、電車内に自転車を素のまま剥き出しで持ち込めるのだ。
しかし、車内が空いているからこそ出来ることだ。
今日は無理っぽい。
さらに駅弁のような物でもあれば、買って車内で食べようと思っていた。
しかし、駅弁は駅構内には売っていなかった。
「最後のキャンペーンで、『ありがとう弁当』とか『さよなら弁当』とか売り出せば、けっこう売れると思うんですけどね」
「そうですねェ。僕も食べたかったですよ…」
ここまで駅弁があると信じて、朝から何も食べていなかったキューピーさんも残念そうだ。
写真を撮ってる内に時は過ぎ、1両編成の車両がホームに入ってきた。
大勢の乗車客に続いて、僕らはいよいよ鹿島鉄道に乗り込んだ。
〜続く〜
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自転車持込ができるのは通学のため?空いている電車だから出来るサービスだね。
青森では電車と呼ばず汽車と呼ぶんだよ。津軽は新幹線が開通していないからかな。
車ではなく電車と自転車を使って移動しようという狙いだろう。
青森に限らず、北国は雪のために電線を張りにくいから、電車ではないんだろうね。
ディーゼルなのかな。汽車のイメージではないけど。
旅情的には汽車という響きは良いね。