
西武秩父駅に着くと、武甲山に掛かっていた雲は晴れていた。
少し気分も晴れる。
自転車を組み立てて、すぐに走り出す。
向かう先は、羊山(ひつじやま)公園というところ。
駅から東に向かえばすぐに着く。
すぐに着くが、急な上り坂が待ち構えていた。
ギアが6段しかないので一番軽いギアでもキツかったが、かなり無理をして自転車を降りずに登りきった。

羊山公園に到着。
桜が咲き誇っている。
しかし、ここの見所は他にある。
桜並木を進んでいくと、羊が「メェ〜、メェ〜」と鳴いている。
なるほど、羊がいるから羊山公園なのか。
しかし、見所は羊でもない。
さらにその奥…。
自転車を停めて進んで行くと……、

これだ!一面の芝桜!
今日はこれを観に来たのだ!

武甲山との対比も良い。
そこかしこで写真を撮ってる人がいる。
しかし、まだ五分咲きだとか…。
時期が早すぎたようだ。
少しテンションが上がりきらない。
まぁ、五分咲きでも十分な色あいだ。
僕はお土産を買い、自転車の停めてある場所に戻った。
自転車の横には、SUZUKI製の『チョイノリ』という小さいスクーターが置いてあり、年配の夫婦が横で何か話していた。
「このバイク、小さいわねぇ。何てバイク?」
「知らないよ」
「どこのメーカーかしら?ホンダ?スズキ?」
「知らないよ」
「ス〜、ズ〜、キ、SUZUKIって書いてあるわ。ねぇ、これSUZUKIのでしょ?」
おばちゃんは、自転車の横に来た僕に聞いてきた。
見ると、確かに『SUZUKI』と刻印されている。
「そうですね、SUZUKIです」
「ほら見て、私の英語力も捨てたもんじゃないわね」
おばちゃんは、アルファベットを読めたので得意そうだ。
「高いのかしらね?」
「8万くらいするんじゃないですかね」
「あっら〜、高いわ〜。あなたの自転車も高いの?」
おばちゃんは、次に僕の自転車に目をつけた。
「安物ですよ。1万5千円でした」
「へ〜、その値段でこんなの買えちゃうんだ」
「ギアは何段あんの?」
今度はおじちゃんが聞いてきた。
「6段です」
「6段じゃ、山はキツそうだね」
「そうです、ここに来るのも一苦労でしたよ〜」
夫婦と話し終えると、次の目的地に向かった。
羊山公園から約50mの標高差を下って、秩父市街を走り抜ける。
秩父の街は、荒川を挟んで河岸段丘になっている。
荒川に向かってどんどん下り、川を渡るとまた上りになる。

荒川を渡る時は、秩父ハープ橋という長さ530mの橋を渡る。
ケーブルがハープの弦の様なのでそう呼ばれるが、この先には『秩父ミューズパーク』というのがあるので、音楽でまとめた訳だ。
僕は橋を渡ると、ミューズパークへと向かった。
そこまでは上り坂である。
しかし僕は、羊山公園で疲れ果てていた。
〜続く〜
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芝桜は柏の花になっているらしいよ。毎年大きくなるから形を整えるのは大変だろうな。
知らなかったなぁ。
あけぼの山公園のところには咲いてるみたいね。