手賀沼もたまに自転車で一周している。
行きつけの沼だ。
手賀沼を周ってばかりでも面白くないので、時折り沼の周回コースを外れることもある。
これはその時の話。

5月中旬、いつものように手賀沼を走る。
鉄塔を下から見ると、なかなか幾何学模様で面白い。
我孫子市側の遊歩道を走って手賀沼を半周したところで、湖北駅の方に向かってみた。
住所は湖北台となっていて、『台』の字が付く通り、手賀沼からは坂を上らなければならない。
坂を上り、成田線の線路を渡ると、住所は中峠台(なかびょうだい)となる。
この辺りは昔、山になっていたのだろうと思わせる地名だ。標高は20mしかないが。
では、この台地を越えた先はどうなっているのか気になるところだ。

進んでいくと、『古利根公園 自然観察の森』という場所があった。
手賀沼と利根川の間の地域には、まだ多くの森が残っているが、ここの森はかなり広そうだ。
森の中は薄暗いが、道が続いているのでいってみる。

森の中は薄暗い。
看板を見ると、この森は芝原城址と書かれている。
昔は城になっていたようだ。

蜘蛛の巣を絡め取りながら進んでいくと、眼下に沼を発見。
今まで知らなかったが、古利根(ふるとね)沼という。
この古利根沼は、昔は利根川の本流だった。
治水工事で利根川は今のような直線的な流れに修正され、この古利根沼は本流から切り離されてしまった。
沼の北側には民家があるが、そこは千葉県我孫子市ではなく、茨城県取手市だ。
利根川の流れが変わる以前は茨城県だったわけだが、今の利根川で切り離されて飛地になってしまったのだ。

沼を見付けたとあっては、ほとりまで行ってみたくなる。
坂を下って沼のほとりに着くが、遊歩道のようなものはない。
水はあまりキレイには見えないし、ゴミが散乱している。
草が生い茂って自転車では走りにくいが、人が通れそうな道があったので、走ってみた。

草むらの中を走っていくと、周りは草木に囲まれ、遠い田舎のような風景になった。
右手に見えるのは、自然観察の森で、沼の南側だ。
すいぶんと長さのある森である。
さらに走っていくと、地面はぬかるみ、草木は背丈を超えた。
木の枝は上から覆い被さってくるし、靴の中に草や泥が入ってくる。
ちょっとした冒険気分だ。
デジカメの動画を撮りながら片手ハンドルで走っていたので、ぬかるみで転びそうになる。
顔に木の枝が当たり、そこを抜けると視界が開けた。
道は途切れていて、釣り人が座って釣りを楽しんでいる。
「こんにちは、この先は行けますかね?」
僕は釣りのおじいさんに尋ねてみた。
「道はないですよ。歩きなら行けるかもしれないけど」
「そうですか、では引き返します」
釣りの邪魔にならないよう、僕はすぐに引き返した。
本当は先まで行ってみたかったが、草の丈がありすぎてチェーンに絡まりそうだ。
冬なら草が枯れてて走れるかもしれない。
空は曇ってきて雨が降りそうなので、今日は引き返すことにした。
来る時にそうしたように、手賀沼に向かって台地を越えていかなければならない。

丘を越えて手賀沼まで戻ってくると、用水路の中にアヒルの親子が泳いでいる。
春先に生まれたヒナかな?
動画を撮ってから帰宅した。
この日は46kmほどの距離を走ったが、なかなか良いサイクリングだった。
手賀沼の他に、南部手賀沼に続いて古利根沼の存在も知った。
水辺があるのはいいなぁ。
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何もないからいいね。
車なら40分くらいで来れるんじゃないかな。
夏は虫が多いよ、きっと。