新郎新婦の入場。
チャペルでの挙式の時は緊張していた新郎RA君も、披露宴では自然体だ。
料理も運ばれてくる。
初っ端、僕の苦手な海鮮系の料理だ。
キャビアなんかも添えられている。
人生初のキャビアは、やっぱり美味しくなかった。
しかし、パンは美味しい。
いつも思うが、結婚式で出されるパンは美味しい。
3個のパンを一気に平らげてしまった。
その後も海の幸が続くが、僕には不幸である。
スワイ蟹を友人にあげ、僕はパンを貰って食べる。
3種も続いた海の幸の後のシャーベットが美味しかった。
スピーチ、ケーキ入刀、お色直し、思い出のアルバムと続き、僕らの演奏時間も迫ってくる。
緊張のあまり、ビールやワインを飲みすぎて、僕の顔は真っ赤だ。
「大丈夫なの?顔真っ赤だよ!」
「うん、酔った…」
友人に言われるまでもなく、酔っているのは自覚している。
飲みたくて飲んでるのではない。
注がれたビールを半分飲むと、会場係の人がいつの間にかにまた注いでいくのだ。
僕は言いたかった。
「ビールはいいからパンをくれ!」と。

手元に楽譜を置いてあるが、酔っててよく分からない。
どうせ、弾く時は楽譜は見ないからいいけど。
自分の手元を見ながらでないと鍵盤を押し間違えるので、楽譜を見ながらでは弾けないのだ。
お色直しの新郎新婦が改めて入場。
各テーブルにキャンドルサービスをして回る。
僕の酔いも回る。
RA君が僕らのテーブルのキャンドルに火を燈したが、点いた直後に消えた。
「消えちゃったじゃん」
「もう一回点けるよ。ほら、点いた〜」
新郎新婦が手を添え合って火を燈す。
「消えた〜!」
一瞬点いた炎は、また消え去った。
「え?また?今度こそ…点いた〜」
「消えた〜」
なんだか僕らのテーブルだけ時間が掛かってた。
そして演奏が回ってきた。
まず、ボーカルのしゅう君がスピーチ。
司会の人が演奏メンバーを紹介し、演奏スタート。
練習の成果をみせてやる!
僕の練習の成果は、片手演奏に逃げることでミスを減らす奏法だ。
最初だけ両手で、ヤバくなってきたら右手だけに変更する。

イントロが終わりボーカルしゅう君が歌いだす。
曲の編曲がピアノとギターだけなので、ボーカルが大事な場面。
後に楽器が増えてくる構成なので、ボーカルの聴かせどころだ。
コーラスのオノ君も入ってくるが、演奏していてどうもおかしい事に気付いた。
テンポが合ってない。
練習の時はギターのマナブ君が先走っていたが、テンポが速いのはマナブ君ではないようだ。
僕の横のコーラスのオノ君でもない。
では誰が…?
ボーカルのしゅう君だ!
テーブルに残っている友人たちが、盛り上げようとして手拍子をしている。
その手拍子に釣られて、しゅう君が速く歌っているのだ。

ベースとドラムが重なってくるが、それらはシンセの自動演奏なのでテンポにミスはない。
キーボードとギター、ボーカル、コーラス、手拍子でテンポが合ってないのだ。
しゅう君はどんどん先走り、サビ直前。
しかし、演奏はまだそこまでいってない。
(速すぎるよ)
僕はこっそりしゅう君に言った。
サビの直前に間があるので、そこで何とか持ち直した。
んで、2番へ。
僕も演奏を頑張らねばならない。
僕の前に会場のビデオ撮影の人が来て、僕を撮っている。
大きなカメラで、僕の手元も撮っている。
(ヤベ〜!早くあっち行って〜。ミスるから〜)
ミスった。
一旦ミスると、真っ白になって続け様にミスをする。
その失敗だらけの僕を撮られている。
何度も何度も失敗しながら演奏は終わった。
途中からは、ボーカルの二人の声は僕には聴こえてなかった。
ミスって頭は真っ白、酔いと恥ずかしさで顔は真っ赤だ。
「結婚式で初めて汗をかいたよ」
ボーカルのしゅう君が言う。
やはり、かなりの緊張だったのだろう。
さっきまでクーラーの風が直撃して寒がっていたオノ君も、暑くなって汗をかいている。
席に戻ると、肉料理が来ていた。
苦手なフォアグラだったが、これは美味しかった。
ひと演奏終えてから食べる料理は美味しいですな。
パンもおかわりした。
この日は合計7個のパンを食べてしまった。デブ。
新婦側友人の余興も終わり、披露宴もたけなわ。
新郎新婦のスピーチで幕を閉じた。

「これ重すぎだよ〜」
披露宴終了後、地下駐車場へキーボードを運ぶボーカル二人。
お疲れ様でした。
そして、RA君おめでとう。
末永くお幸せに!
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会場にもヒヤヒヤ感が伝わった演奏だったね。
結婚式は楽しくて、美味しかったね。あとお土産のバームクーヘンは絶品だった。その日のうちに妻と食べちゃいました。
僕にとっても忘れられない結婚式だったよ。成功はともかく一緒にできて嬉しかった。
汗は緊張ではなく、「どーしよー」と演奏中考えていたら、タラタラ流れてきました。
バウムクーヘンは僕も当日夜に食べちゃったね。一人で。
食べ過ぎの日だった。
実はかなりミスしてた。
披露宴直前の練習ではけっこう弾けてたんだけどね。
やはり本番は緊張するね。
バウムクーヘンは一人で食べる時は3分の1くらいの大きさで十分だね。
たまに一輪食べたくなるけど。