ある日、夢を見た。
それはこんな夢。
==========
僕は折り畳み自転車で山道を登ろうとしていた。
季節は秋。
風景は全然違うが、箱根に登るという設定だ。
山に登る前に、僕はテラスのあるお店に入った。
テラス席に陣取り、これから登る山を見ながらの食事だ。
近くの席で、若い女性二人がおしゃべりをしている。
女性の片方は、ケバい。ギャルって感じだ。
もう一方は普通の若い女性だが、ケバギャルが大声でしゃべり、笑い、僕はそれをうるさく感じている。
騒がしいので僕は店を出て、停めてある自転車のところへ向かった。
(さぁて、登り始めるかな〜)
ギャハハ!!
僕が自転車の鍵を外していると、大きな笑い声が近付いてくる。
見ると、先ほどのケバギャルたちだ。
「あれ?何それ?自転車で山登んの〜?」
折り畳み自転車を見たケバギャルが僕に聞いてきた。
「ええ。そうですけど」
「こんなんで登れんの〜?」
「途中、降りて押せばね」
「すご〜い。何か物好きってカンジ〜?」
(うっせーな〜)
僕は内心、ケバギャルを鬱陶しく思っている。
「頑張ってね〜」
「どうも」
ケバギャルたちは去っていった。
僕は山道を登り始めた。
すぐに息が上がる。
後ろから次々に車が追い抜いていく。
「あっれ〜?」
と声がして、後ろからきた車が僕の横でスピードを落とした。
赤いオープンカーだ。
運転しているのは、見覚えのあるケバい女性。
(ゲッ!さっきのケバギャルだ!)
助手席には大人しい方の女性が座っていて会釈をする。
「ホントに登ってんだ〜」
「…ええ…」
ケバギャルは僕と並んで車を走らせながら、話し掛けてくる。
僕は息が上がってるので、相槌しか打てない。
「じゃあね、お先に〜」
赤いオープンカーは加速して坂を上っていった。
(まったく、いちいち話し掛けてこなくてもいいのに…)
どっと疲れた気がする。
途中の観光ポイントで休憩。
駐車場に赤いオープンカーが停まっていた。
(ヤベッ!係わらない内に行こう)
どんどん登り、湖が見えてきた。
箱根を登っている設定なので、そんなに簡単に登りきれるはずはないが、夢の中なのであっと言う間に登りきった。
湖に架かる橋を渡る。
箱根の湖にそんな橋はないが、そういう設定になっている。
空は秋晴れ、高い空。
澄んだ空に、うろこ雲がキレイだ。
山を登りきって、僕の心も澄んでいる。
僕は湖の写真を撮ったりしていると、僕の横でスピードを落とす車が…。
「よ〜!ホントに登りきっちゃったんだね〜」
またケバギャルだ!
「なんとかね、登りきりましたよ」
「いつもこんな事やってんの?」
赤いオープンカーは、僕の横に停車した。話が長くなりそうだ。
「たまに」
「へぇ〜、疲れたでしょ?箱根ってけっこう高いから」
「箱根に来るのは年に一回くらいだから、疲れたけど楽しかったよ」
「毎年来てんの〜?」
「まぁね」
「来年も来るの〜?」
「たぶん」
「そーなんだ〜。じゃあまた来年も会えるかな〜?」
「きっと会えるよ」
いつの間にか、ケバギャルと楽しそうに話している僕。
山を登りきった喜びで、心を開いているのだろう。
ケバギャルは、話してみると意外にいいヤツな感じだ。
助手席の大人しい女性も微笑んでいる。
「じゃあさ〜、来年もまた会おうよ、ここで」
「うん、ここでね」
僕はケバギャルたちと、また会えることを誓った。
「じゃあね〜!バイバ〜イ!」
赤いオープンカーの上から手を振りながら、女性二人は走り去っていった。
僕も手を振りながら、彼女たちを見送る。
秋晴れの空の下、青い湖に架かる橋。
心地良い風が、橋の上を吹き抜けていった。
(よ〜し、来年もまた登るぞ〜)
僕は、また来年ケバギャルたちに会うのが楽しみになっていた。
==========
それで夢は終わった。
僕の夢にしては珍しく、バッドエンドではなかった。
この前、山を越えて新潟に行きたかったので、そういう夢を見たのだろう。
山を登って、さらに旅先のロマンスでも期待しているのだろうか。ケバいギャルは好きではないけど。
現実は、ひとり黙々と山道を登って、何でこんなとこに来ちゃったんだろう?…とか考えているわけだが。
2007年11月27日
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