2008年01月16日

女の子に囲まれて

いつもモテない話ばかりなので、たまには逆の話もしよう。

小学4年生の時の話だ。
放課後、僕は教室に残っていた。
周りにも数人残っているが、男は僕ひとりだった。

僕は席に着いて、何かをしていた。
周りでは女の子たちが話をしている。

「ちょっと〜」
声を掛けられて顔を上げると、僕の周りに女子生徒が集まってきていた。

「アンタ、誰が好きなの?」
「えっ?」
僕は思いもよらない質問にたじろいだ。

「この中に好きな人いるの?」
僕は女の子に囲まれている。
その数7、8人。
周りを囲んで逃げられなくしておいてから、この質問だ。
まったく、女の子は早熟だ。

さて、僕の好きなコと言えば、いるにはいた。
ただ、誰か特定のコが好きというのはなく、何人も好きなコがいた。
僕は運動が出来なかったので、活発なコには誰にでも憧れを抱いていたというところか。

「誰が好きなの!?」
「誰、誰?」
「いるんでしょ?」
女の子が詰め寄ってくる。

「え?いないよ〜」
僕はとりあえず、そう言った。
「うそ!ホントはいるんでしょ?」
女の子たちは一歩も引かない。

「え〜と…え〜と…」
僕はかなり困った。
今、自分を囲んでいる女子の中にも、僕が好意を持っているコは3人くらいいたが、言えるはずもない。

ちょうど、教室の後ろの壁に、クラス全員分の習字の半紙が貼り出してあった。
ひとりずつ、「勝利」とか「整理整頓」とか、好きな言葉を書いて貼ってあるのだ。

困り果てた僕は、立ち上がって半紙を数えだした。
「だ〜れ〜に〜し〜よ〜う〜か〜な〜、て〜ん〜の〜か〜み〜さ〜ま〜の〜」
出席番号順に貼られた半紙を、女子のとこだけ指さして数える。
(どうしよう、数え終わったらどうしよう……)

女の子たちは、僕の数える半紙を見ている。
(今だ!)

僕は女の子たちの隙を突いて、囲みを突破した。
走って教室から逃げ出す。

「あ!待ちなさいよ!!」
「待て〜!!」
女の子が僕を追ってくる。

廊下に出たが、走って逃げても僕は走るのが遅いので追い付かれてしまうだろう。
(どうしよ〜?)

僕は男子トイレに駆け込んだ。
ここなら追ってこれないはずだ。

ドンドン、ドンドン
「出てこ〜い!」

女の子がトイレの入り口のドアを叩く。
(早くあきらめて帰ってくれないかな〜?ランドセルも取りに戻らなくちゃならないし…)
持久戦を覚悟した僕の目の前で、信じられない事が起こった!

ギ〜〜〜

トイレの入り口の扉が開けられ、女の子たちが雪崩れ込んできたのだ!
「こら、逃げるな〜」
「放課後だから、トイレには誰も入ってないもんね」

僕の作戦は失敗に終わった。
僕は教室に連れ戻された。

「誰が好きなの?」
「言いなさいよ!」
女の子たちは本気らしい。

「分かった、分かった…言うよ、言えばいいんでしょ」
僕はランドセルを背負いながらそう言った。
女の子たちが僕に注目する。

次の瞬間、僕は踵を返して逃げ出した。
「あっ!待て〜っ!!」
女の子の一人が僕のランドセルを掴んだ。

掴まれながらも、廊下を逃げる。
女の子が強い力で引っ張る。

「ま〜て〜!!」
(ヒェ〜〜〜!)

僕は渾身の力を振り絞って、女の子の手を振り解いた。
そのまま階段を駆け降りる。

階段の踊り場でターンする時に階段の上が見えたが、女の子たちは階段の上で止まったまま、追いかけてはこなかった。

(助かった……)
僕は安堵して帰った。
かなりの恐怖体験だった…。


今思えば、追い掛けられているうちが花だったな。
7人以上の異性に囲まれて「誰が好きなの?」なんてのは、二度とないだろう。
子供だからこその思い出だ。
大人になってからそんなんなったら、修羅場確実だな。怖っ。
ニックネーム SNJ at 03:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 思い出ボロボロ
この記事へのコメント
以前から、なんとなく聞いてはいたけど、文字にすると、臨場感ありますねえ(笑)
もし、好きな子の名前言ってたら、どうなってたかな?
きっと、女の子達は皆「こいつは私のことを好きに違いない!」と思ってたのでは・・・。
賭けてたんか?

確かに、大人になってからだと、単なる修羅場だけど、小学校の甘酸っぱいおもひでですね★

Posted by まさみ at 2008年01月19日 00:50
囲んできた中に、好きなコが3、4人いたから、選べないねぇ(^o^;)

「だいたい二人に一人は好きです」
と言うことになる。
気が多いな〜。

けっこうトラウマな出来事でした…。
Posted by SNJ at 2008年01月19日 04:05
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