いつもモテない話ばかりなので、たまには逆の話もしよう。
小学4年生の時の話だ。
放課後、僕は教室に残っていた。
周りにも数人残っているが、男は僕ひとりだった。
僕は席に着いて、何かをしていた。
周りでは女の子たちが話をしている。
「ちょっと〜」
声を掛けられて顔を上げると、僕の周りに女子生徒が集まってきていた。
「アンタ、誰が好きなの?」
「えっ?」
僕は思いもよらない質問にたじろいだ。
「この中に好きな人いるの?」
僕は女の子に囲まれている。
その数7、8人。
周りを囲んで逃げられなくしておいてから、この質問だ。
まったく、女の子は早熟だ。
さて、僕の好きなコと言えば、いるにはいた。
ただ、誰か特定のコが好きというのはなく、何人も好きなコがいた。
僕は運動が出来なかったので、活発なコには誰にでも憧れを抱いていたというところか。
「誰が好きなの!?」
「誰、誰?」
「いるんでしょ?」
女の子が詰め寄ってくる。
「え?いないよ〜」
僕はとりあえず、そう言った。
「うそ!ホントはいるんでしょ?」
女の子たちは一歩も引かない。
「え〜と…え〜と…」
僕はかなり困った。
今、自分を囲んでいる女子の中にも、僕が好意を持っているコは3人くらいいたが、言えるはずもない。
ちょうど、教室の後ろの壁に、クラス全員分の習字の半紙が貼り出してあった。
ひとりずつ、「勝利」とか「整理整頓」とか、好きな言葉を書いて貼ってあるのだ。
困り果てた僕は、立ち上がって半紙を数えだした。
「だ〜れ〜に〜し〜よ〜う〜か〜な〜、て〜ん〜の〜か〜み〜さ〜ま〜の〜」
出席番号順に貼られた半紙を、女子のとこだけ指さして数える。
(どうしよう、数え終わったらどうしよう……)
女の子たちは、僕の数える半紙を見ている。
(今だ!)
僕は女の子たちの隙を突いて、囲みを突破した。
走って教室から逃げ出す。
「あ!待ちなさいよ!!」
「待て〜!!」
女の子が僕を追ってくる。
廊下に出たが、走って逃げても僕は走るのが遅いので追い付かれてしまうだろう。
(どうしよ〜?)
僕は男子トイレに駆け込んだ。
ここなら追ってこれないはずだ。
ドンドン、ドンドン
「出てこ〜い!」
女の子がトイレの入り口のドアを叩く。
(早くあきらめて帰ってくれないかな〜?ランドセルも取りに戻らなくちゃならないし…)
持久戦を覚悟した僕の目の前で、信じられない事が起こった!
ギ〜〜〜
トイレの入り口の扉が開けられ、女の子たちが雪崩れ込んできたのだ!
「こら、逃げるな〜」
「放課後だから、トイレには誰も入ってないもんね」
僕の作戦は失敗に終わった。
僕は教室に連れ戻された。
「誰が好きなの?」
「言いなさいよ!」
女の子たちは本気らしい。
「分かった、分かった…言うよ、言えばいいんでしょ」
僕はランドセルを背負いながらそう言った。
女の子たちが僕に注目する。
次の瞬間、僕は踵を返して逃げ出した。
「あっ!待て〜っ!!」
女の子の一人が僕のランドセルを掴んだ。
掴まれながらも、廊下を逃げる。
女の子が強い力で引っ張る。
「ま〜て〜!!」
(ヒェ〜〜〜!)
僕は渾身の力を振り絞って、女の子の手を振り解いた。
そのまま階段を駆け降りる。
階段の踊り場でターンする時に階段の上が見えたが、女の子たちは階段の上で止まったまま、追いかけてはこなかった。
(助かった……)
僕は安堵して帰った。
かなりの恐怖体験だった…。
今思えば、追い掛けられているうちが花だったな。
7人以上の異性に囲まれて「誰が好きなの?」なんてのは、二度とないだろう。
子供だからこその思い出だ。
大人になってからそんなんなったら、修羅場確実だな。怖っ。
2008年01月16日
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もし、好きな子の名前言ってたら、どうなってたかな?
きっと、女の子達は皆「こいつは私のことを好きに違いない!」と思ってたのでは・・・。
賭けてたんか?
確かに、大人になってからだと、単なる修羅場だけど、小学校の甘酸っぱいおもひでですね★
「だいたい二人に一人は好きです」
と言うことになる。
気が多いな〜。
けっこうトラウマな出来事でした…。