2008年02月05日

ベトナム編1 〜ベトナムって〜

先に言っておこう。
僕はベトナムが苦手だ。

何が苦手かって、ベトナム料理が苦手なのだ。
あの、香草を使った料理が好きではない。
生春巻なんか、包んだ皮の下にエビが透けて見えている。
僕はエビが苦手なので、生春巻にも魅力は感じない。

ふんだんなエビと香草。
それらを、タイで言うところのナンプラー、ベトナムではヌックマムで味付けするわけだ。
僕は魚醤の生臭さがとても苦手だ。
僕にはベトナム料理は無理だろう。


以前、家族がベトナムへ旅行した。
あ、僕以外ね。

妹がベトナムへ留学して、そのままベトナムで働いて暮らしていたので、両親が会いに行ったのだ。

家族が日本へ戻ってくると、自宅でもベトナム料理を作ってみた。
まぁ、有名なベトナムの麺料理『フォー』だ。
フォーと、皿にどっさり盛られた香草が食卓に並ぶ。
香草をフォーに入れて食べるのだが、僕は香草の匂いが苦手なので、なるべくフォーに入れないようにした。

「ベトナムのお店ではテーブルの上にパクチーがいっぱい置いてあって、みんなたくさん入れて食べてるんだから」
ベトナムへ旅行してベトナム贔屓になった母が言う。
「うん」
僕は返事だけして、香草を食べなかった。

「お兄ちゃん、いっぱいあるからどんどん食べて」
妹にも香草を勧められる。
「うん」
久しぶりの一家揃っての食卓だ。
ここで香草が嫌いだとわめいて場の雰囲気を悪くするのもなんなので、少しばかり食べた。

…不味かった…。
フォーも味気なかった。
食事を終えて寝る時も、香草の匂いが漂ってくるような気がした。


次の日。
夏場で暑かったのだが、どうも違和感を感じた。
やっぱり香草の匂いが漂ってくるのだ。
気のせいではない。

どこから?
食卓には香草はもうないし、匂いが漂ってくるのは自分の部屋だ。

(まさか!?)
僕は服の匂いを嗅いでみた。

香草の匂いは、僕の服からしていた。
昨夜は風呂に入ったし、着替えもした。
つまり、香草の匂いは僕の身体の中から発している。

暑くて汗をかくと、汗に香草の成分が含まれているのか、香草の匂いがする。
夏の最中、僕は汗をかきながら一日中、逃れられない香草の匂いに苦しんだ。


そんな思い出で、僕のベトナムのイメージは出来上がっている。
良いイメージのはずがない。
出来ればベトナムなんかには行きたくない。


以前、ベトナムに住んでいる妹から電話があった。
「お兄ちゃん、ベトナムにいつ来るの?来週?」

なんでも、『僕がベトナムに行きたがっている』というお告げが、占いで出たそうだ。
だが、仕事もあったし、急に行けるはずもない。
「ゴメン、行けないや」
前々から、僕もベトナムへ行ってみるよう家族から勧められていたのだが、ベトナムに行く気なんか僕にはさらさらないのだ。


月日は流れ、妹がベトナム在住のカンボジア人と結婚して日本に戻り、僕に姪っ子が出来た。
妹夫婦は、僕と両親と一緒に日本に住んでいたが、義弟の母親にはまだ孫の顔を見せていない。
姪も1歳になったし、義弟の母に会わせにベトナムへ連れていっても大丈夫だろう。


「海外は一度は行って見ておいた方がいい」

僕自身そういう考えではあった。
この機に乗じて僕もとうとうベトナムへ行くことにした。
海外に行くなら韓国や台湾辺りが妥当かと思っていたが、まさか初の海外旅行先が苦手なベトナムになるとは…。


1月25日昼過ぎ。
僕は、両親と妹夫婦と姪っ子と6人で、成田空港へと向かった。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅は靴擦れ
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