美味しく朝食を頂いた後、義弟の兄が家にやってきた。
僕にとっては義兄だ。
義兄の子供用に買ってきたお土産の剣玉を渡す。
義兄が帰る時に義弟も一緒にバイクで出掛けるというので、僕も後ろに乗せてってもらった。
向かう先はホーチミン市内の中心部。
前述した通り、道路はバイクの洪水状態だ。
その中を流れに沿って泳いでいかねばならない。
しばらくは義兄と話しながら2台のバイクで併走してたが、その内に義兄は先に行ってしまって見えなくなった。
てっきり、一緒に行くと思ってたのに向かう先が違ったのかな?
洪水は、市の中心部に向かうにつれて激しさを増す。
義弟の運転するバイクの後ろに跨っている僕の横も後ろも、バイクが陣取っている。
僕はビデオカメラを構えていたが、追い抜かれざまに引ったくられないように要注意だ。
道路には、車も走っている。
急いでいる車は、クラクションを鳴らしながらバイクを蹴散らしていく。
と言っても、どかないバイクもいるので、車はこのベトナムでは運転しづらいだろう。
バイクがどかない場合は、対向車線にはみ出して抜いていく。
向こうからバスが走ってきた。
対向車であるバスは、僕の前でこちらの車線に入ってきた。
バイクを追い抜くためである。
バスはこちらの車線に入ったまま、どんどん近付いてくる。
僕の横にはバイクがいて、逃げ道はない。
ブッブ〜!ブッブ〜!
バスはクラクションを鳴らしながら、寸前で向こうの車線に戻っていった。
対向車線に隙があれば、即進入する。
なんなんだ、この国は…。
でも、対向車線にはみ出すどころか、完全に逆走してくるバイクもいる。
流れの向こうから突然現れるので、正面衝突しそうになる。
だが、そいつは迷惑行為ではなく、道を渡ろうとしているだけなのだ。
対向車線を挟んだ向こうの建物に行くには、対向車線を越えなければならない。
対向車線にはバイクの流れが途切れないので、90度の角度で突っ切るのは道を塞いでしまうし不可能だ。
その場合、辿り着きたい場所の手前から対向車線に侵入し、向かってくるバイクを一台一台かわしながら、ゆっくりと対岸に近付いていくしかない。
みんなそうしている。
それが、ルール。
なんなんだ、この国は…。
ホーチミン市内には、いくつもの汚い川が流れている。
川には橋が架かっているが、数が少ないのでどの橋も混んでいる。
橋を渡らなければ、違うエリアには行けないのだ。
日本でも、いくつもの渋滞した橋を見てきたが、それは自動車で渋滞していた。
バイクは自動車の間をすり抜けていけるので、渋滞では便利だ。
だが、ベトナムでは渋滞全部バイク。
すり抜ける隙間もない。
市の中心部に入ると、大きなお店も増えて賑やかになってくる。
…ていうか、クラクションとバイクのエンジン音で、いつも賑やかだけど…。
突然、バイクの流れの中に人が立っていたりする。
その人は、道を渡っている最中だ。
押し寄せるバイクの波の隙を見付けて、一歩また一歩と道を渡っていく。
バイクはスピードこそ出ていないが、生身で道路を横断するのも命懸けだ。
手に大量の料理を持って道を渡る女性がいた。
飲食店の店員だろうか。
道路を挟んだ対岸の人から、料理を届けてくれと言われ、今配達に行くとこなのだろう。
両手にお盆を持ち、バイクの流れの中を泳いでいく。
バイクに接触したら料理を落としてしまうだろう、危険な配達だ。
僕はバイクの後ろに跨ったまま、それらの光景を見ていた。
なんなんだ、この国は…。
馴染めなさそう…。
〜続く〜
2008年02月11日
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慣れているのだろうけどね。
でも、事故は目撃したけどね。