車種はHONDAの「プレリュード」。幅の広い3ナンバーのスポーティーな車だ。

新車を買っての慣らし運転として、千葉の柏から横浜へドライブに行く事になった。
柏からほとんど出ない僕にとって、横浜なんて遥か遠い土地。
横浜という知らない土地へのドライブは緊張したもんだ。
横浜へは、プレリュードの持ち主の西沢君と、浅野君と僕の3人で行く事になった。
桜も散りぬる春、横浜へのドライブが幕を開けた。西沢君の愛車プレリュードの前奏曲だ♪
しかし、当時の僕は道に疎く、どこをどう走ったのかも覚えていない。
西沢君と浅野君が二人で、この道はどうだ、あの車はどうだなどと、話しているだけだ。
高速道路を使ったのだが、そこで気付いた事がある。
僕の家のセダン車「クレスタ」と違い、「プレリュード」はコーナリング性能が格段に高い。
サスペンションが硬く、ロール(車の傾き)も少ない。
時速80km以上でも安定して曲がっていくのだ。
コーナーでの踏ん張りが、さすがスポーツカーだと言えるものであった。
当時の僕は、車の構造など全く知らないが、この車は優れていると、体感で分かった。
どこを走っているのかも分からないまま、横浜に着いた。
中華街に行き、ラーメンを食べた。当時の僕は、食に興味もなかったので、味は覚えていない。値段は高かったし、美味しく感じたと思うが。
食事を終えて、山下公園へ行った。
男3人並んで歩いたが、カップルが多い事もあり、いたたまれなくなってすぐ帰った。
「またいつか来よう」
その時ふと、山下公園で思い出した事があった。
(なんか、ここへ来た事がある?…)
(横浜へ?…いつ来たのだ?)
(こんなとこに来るはずもないな…なんか嫌な感覚がする…あっ!)
思い出した…。
幼少時、祖父と来たのだ。二人で電車に乗ってここまで来たのだ。
そして、停泊している船に乗り…、船に乗り、そこで僕はおしっこを漏らした…。
そうだ、漏らして泣きながら帰ったのだった…。嫌な感覚の原因はそれか。
何の事はない、3歳とかの頃の記憶だった。
帰りは夕闇が降り、高速道路の湾岸線に続くテールランプが綺麗だった。
(へ〜、いろんなテールランプの形があるんだな〜)
スカイラインだけは車種が分かったが、他の車は同じに見えた。
西沢君と浅野君は車に詳しい。二人とも、マイカーをたくさんの車種の中から選んで買っているのだから当たり前か。

浅野「あ、セブンだ。セブンはいかにも速そうだね。この横のラインが凄いね」
僕(セブン?ウルトラセブンしか知らね〜)
浅野「ワン・エイティだ。あれも飛ばすよね」
僕(ウルトラマン・エイティなら知ってる)
浅野「スープラとか加速凄いよ。あっという間に消えてっちゃうもん」
僕(スーパー?まぁ名前は速そうだな…)
今でなら、セブンとはMAZDAのRX−7、ワン・エイティとは日産180SXと車種も分かるが、当時の僕にはただの数字だった。
こうして、大人な二人に連れられての都会的ドライブは終わった。湾岸の響きもカッコ良かった。
僕一人で行った銚子へのドライブとは対照的である。
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横浜に行った事は忘れかけてるな。手頃な距離とお洒落な感じに惹かれてドライブしに行ったんだと思うが。
いまやその横浜に、お洒落とは無縁で住んでいるわけだが、当時はそうなるとは全く考えていなかっただろう。
プレリュードは良い車だったと思うよ。上品なイメージだし、インパネもカッコ良かった。思い出もつまっていたしね。
車、横浜、湾岸とお洒落なドライブでしたな。
僕も忘れかけてたから、思い出すのに苦労したよ。