2007年01月09日

自転車奇行・秩父編 第九陣〜凱旋〜

奥武蔵グリーンラインから自転車で寒風の中を駆け下ってきた僕は、迷走しながらも武甲温泉に辿り着くと、すぐに浴場に向かった。

鎧(服)を脱ぎ捨て、太刀(タオル)を携え、敵本陣(男湯)に突入。
すぐさま、並み居る雑兵(客)の中を突き進み、一番奥に控える大将(シャワー)に駆け寄ると、一捻り(蛇口を)。
大将は血飛沫(お湯)を上げながらグニャリと崩れ落ちた。

僕は返り血(湯)を浴びながら、敵の首級(シャワーヘッド)を掲げた。
(あったか〜い☆)


武甲温泉は、スーパー銭湯のような温泉だ。
入浴料700円の券を買えば、平日なら一日楽しめる。
施設内には食堂や休憩できる大広間、個人部屋などがある。至れり尽くせりの温泉だ。
泉質は硫黄の匂いはほとんどしないので物足りないが、その分ゆっくりと浸かっていられる。

広い湯舟に浸かりながら考える。
今日の出来は、どうだったろうか?

何度も自転車を手押ししてしまったが、脚は攣らなかった。
これは、漕ぎ切れなかったものの、余力は残っていたということだろう。
手押しした挙句に脚が攣ってしまった箱根の時より進歩した気がする。

水分も途中で切れたが、後半は楽だったので何とか乗り切った。
水分やエネルギー補給もまあまあ上手くできたろう。
箱根の時はハンガーノックになってしまったのだから、それを回避できただけでも進歩だ。

日が暮れるまでに温泉に辿り着けたのも成功だ。ギリギリだったけど。

湯舟の中で太股をマッサージする。
(もう今日は坂を登らなくていいんだ)
お湯に浸かり、開放感に浸る。

通過した峠は、顔振峠、傘杉峠、飯盛峠、ブナ峠、刈場坂峠、大野峠の6つ。
気付かずに通り過ぎそうになった峠もあった。
本当は、大野峠から東に向かえばもう二つの峠を通れたが、今回はパスした。機会があればそっちにも行ってみよう。

湯舟に浸かりながら周りを見渡す。
老若、子供、たくさんの客がいる。
(みんなこの辺の人たちかな)
僕は今日は旅人だ。
僕と同じく山を越えて来た人は他にいるのだろうか?

最高到達地点は標高890mだが、たくさんのアップダウンがあった為、1200m近く登った気分だ。
武蔵横手駅から最初の顔振峠(500m)までが長く苦しかったが、それと対比するように後半は楽になった。
秩父方面への下りは、路面状況こそ良くないものの、急勾配で迫力があって良かった。
あんなに風の音を聞きながら走ったことはない。
逆から登ったら、さぞかしツラいだろう。

湯舟から出て、外にある露天風呂に向かう。
露天に浸かると、お湯がぬるい。
日も落ちて、気温も一気に低くなっているのだろう。空にはすでに星が瞬いている。
しばらく入っていたが、寒くなって室内の浴槽に戻った。

再び内湯に入ってすっかり長湯をすると、風呂から出て食堂に向かった。
そばと冷奴を注文。大広間で食べる。
この大広間にはステージがあり、客がカラオケを歌えるようになっている。

「次に歌いますは、○×からお越しの△□様。歌う曲は…」

そんな風に紹介アナウンスが流れ、おじさんやおばさんがステージ上で歌う。
歌い終わると、大広間で休んでいる人たちは拍手や歓声で応える。
なかなかのどかで良い。

食べ終わると、僕は西武秩父駅を目指してまた自転車を漕ぎ出した。
星がキレイだ。
山の稜線から下がシルエットになって、シルエットと対照に夜空のステージでは星が躍り輝いている。

西武秩父駅仲見世.jpg

夜の西武秩父駅。
時は12月28日。ほとんど誰もいない。
レッドアローの特急券を購入したが出発まで時間があったので、お土産の漬物を買ったり、自転車を折り畳んだりする。
秩父は僕の田舎だったので、この駅はとても懐かしいし居心地も良い。
秩父市街の方に歩いて行きたかったが、夜だし時間がないのでやめておいた。
きっと、ここにはまた来ることになるだろう。

西武秩父から出る.jpg

池袋からやってきたレッドアロー号が秩父駅に到着する。
帰宅や帰省の人々が降りてくる。今夜から帰省ラッシュだ。
僕は入れ替えに乗り込み、午後7時25分、西武秩父駅を発車した。

車窓から来る時に走った山々が見えないかと思ったが、窓の外は真っ暗で、ガラスに映った自分の顔しか見えなかった。
(あんだけ走っても、ちっとも痩せねェ)

8時45分、池袋駅到着。
折り畳み自転車を袋から出す。
(今日は良く走ってくれたな。あとひとっ走りだ)
自転車を組み立てると、年の瀬の池袋へ漕ぎ出した。
向かう先は仕事場。
(僕が1時間半前まで秩父を走っていたとは、誰も思うまい!)
何だか少し顔がニヤけてくる。

池袋の街は眩しい。
カップルやら、ひたすらナンパする人やら様々だ。
夜空を見上げるも、街が明るく星はよく見えない。
だけど、
(この池袋の夜空も、秩父の星空も、すぐそこに繋がっているんだ!)


20分後には、僕は残りの仕事を始めていた。
この日の走行時間は計6時間強、総走行距離は57kmになった。
そして2006年は暮れていった。

   〜秩父編・完〜
ニックネーム SNJ at 04:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2007年01月05日

自転車奇行・秩父編 第八陣〜風の音〜

下りを期待しながら大野峠から40mほど登り、そこが今回の陣の最高点で890mほどだろうか。
その先は下っているようだ。

左手に見えた県民の森の駐車場に、ショートカットのつもりで入り込んでしまった。
しかし、駐車場内は、車止めの段差ばかりでまともに走れない。
ガッタンがッタン走りながら駐車場を抜けて左に90度曲がると、午後4時5分、本日37kmの距離を走ってきて、やっとクライマックスのダウンヒルが始まった。

見る見る内にスピードが出ていく。
(ひゃっほ〜!!)
心の中で叫びながら下っていくと突然、正面からの風圧で減速させられてしまった。

ビュォォォォォ〜ッ!

目も開けてられないほどの物凄い強風が襲ってくる。
何とか目を開けると、目の前は木が枯れて開けており、そこから風がなだれ込んできているのだった。
と、同時に夕日も正面に見える。
美しい。
しかし、
(寒〜ッ!!)

とっとと林の中の道へと下っていった。
いくらか風は和らいだものの、それでもまだ強い。
そして冷たい。

(ダ、ダメだ…。凍える…)
ダウンヒルは気分良いのだが、あまりの寒さに僕は自転車を止めた。
そして、汗で濡れて冷たくなった服を着替えることにした。

服を脱いで、上半身裸のまま夕日に照らされる。
風は木々に遮られて、自転車に乗っていなければそんなに寒くはない。
(どうだ、コラ!風よ吹いてみろ!)

しばらく裸のまま夕日を見ていたが、車が走ってくる音がしたので慌てて服を着る。
だが車は来ない。
またしても風が木々を通り抜ける音だった。

(ビックリさせやがって…)
今度は重ね着をし、長ズボンも履いて下山フォームにチェンジ。
また下りに突入した。

時速40kmを超えながら、一気に下っていく。
そこまでスピードが出ると、やっぱり寒い。
「寒い寒い寒い寒い…寒いよォ〜」
呪文のように唱えながら下っていく。

路面には暴走禁止の凹凸が付いており、油断すると転倒する。
路肩を走っていれば大丈夫だが、コーナリングラインは限定される。

ヒュ〜ルルルルル、ヒュゥ〜ルルルルルゥ〜

風が森を通り抜ける音がする。
コーナーで減速すると聞こえなくなるが、スピードが出るとまた聞こえてくる。

ヒュ〜ルルルルル〜、ヒュ〜ルルルルル〜

まるで猫バスが走っているようだ。
もしくは打ち上げ花火の音。
そんな体験はないが、焼夷弾が落ちてくる音にも思える。

ヒュ〜ルルルル、ヒュ〜ルルル、ヒュ〜ルルルルル
ガタガタン!ガタガタン!

風の音と、路面の段差の音しか聞こえてこない。
時速40kmで景色が流れていくのと相まって、何が何だか分からなくなるが、決して45kmは超えないようにした。

ヒュ〜ルルル、ヒュ〜ルルル、ヒュ〜ルルル
ガタガタン!ガタガタン!

(持つのか?この折り畳み自転車…)
少し心配になるが、段差さえ気を付ければ大丈夫だろう。

横瀬への下りで夕日.jpg

眺望が開けて夕日が見えるが、開けた分だけ風も強まる。

ヒュ〜ルルル、ヒュ〜ルルル、ヒュ〜ルルル
ガタガタン!ガタガタン!

風の音は、弓矢の音。
なかなか激しい敵方の攻撃だ。
路面の凹凸と、道路を横切る排水溝は馬防柵と受け止めよう。
騎馬は馬防柵を乗り越え、牙を剥く。止まってはならない。

横瀬へ下り.jpg

いくつものつづら折れを下りてきた。

横瀬町.jpg

やがて民家が現れ始めるが、下りは続く。
下り始めて20分以上経ち、10kmは走っている。
ここは秩父の隣り、横瀬町。敵本陣は目の前である。

横瀬町河原.jpg

そして河原まで下りてくると、下りはなくなった。
(敵本陣はどこだ?)
ここで僕は迷子になった。

横瀬町河原2.jpg

地元の中学生の後をついて、河原沿いのよく分からない道を行く。
(おのれ、こんなとこに抜け道が)
迷うこと15分、ついに敵本陣を発見。

武甲温泉.jpg

『武甲温泉』

ここが目指す場所だ。
僕は愛馬(自転車)から飛び降りると、脚を休める間もなく敵本陣に突入した。
「いざ、参る!」

   〜続く〜
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2007年01月04日

自転車奇行・秩父編 第七陣〜敵陣四段構え〜

残り1本となった水を少しずつ飲みながら、飯盛峠を目指して進んでゆく。
登ったと思ったら下って、また登る。
3歩進んで2歩下がるみたいな感じで標高を上げていく。

途中、急坂に疲れきって手押しで登ってたら、壮年の夫婦のハイカーとすれ違った。
「こんにちは〜」
向こうから声を掛けて頂いた。
「ハァハァ、コ、コンニチハ〜、ハァハァ」
僕は、うな垂れていた顔を上げて挨拶を返した。
全く見っともないことだ。

もし、すれ違ったハイカーが振り返って僕を見たとしたら、その時は憐れな姿を見せたくない。
「あ〜あ、あの人あんな自転車で登って可哀相に…」
そう思われたくない一心で、僕は自転車に跨った。
ハイカーが振り返っていれば、ゆっくりとでも自転車で登坂していく僕の後ろ姿を見ただろう。

こういう風に、人と出会うと力が湧く。
その坂を登りきるまで、僕は漕いだ。
登りきった時には、
「どうだ見たか!登りきったぞ〜」
と独り言を言っていた。
例えハイカーが見てなくても、「どうだ見たか」なのだ。

飯盛峠.jpg

そして、傘杉峠からちょうど1時間後の午後3時、3つ目の峠である『飯盛峠(780m)』に到達。
疲れきって座り込み、暮れゆく太陽を見る。
(こんなんで秩父に着けるのかな〜?)

飯盛峠先.jpg

飯盛峠からまた少し登ると、ヘアピンの下り。
冬の枯れ木で見通しが良い。
車が来たら、すぐ分かるのはありがたい。
(こんなとこで下ったら、後でまた登らんといかんじゃないか〜)

案の定、また登り。
水は残り少ないので、あまり汗をかかないように登りたい。
まぁ、すでに寒風が吹き荒んでいて、あまり汗はかかなくなっているのだが。

ブナ峠.jpg

登るぞ…と思ったら、本日4番目『ブナ峠(770m)』に到着。
飯盛峠から10分だ。
顔振峠に対する傘杉峠のように、二つペアで攻略した感じだ。

ブナ峠からも登っている。
この辺で、エネルギー補給のため、カロリーメイトを摂取。
口に含んだ途端に、口中の水分をカロリーメイトに奪われた。
登坂していたので、呼吸は乱れている。
(く、苦しい〜!!)
ついつい、残り少ない水で流し込む。

水が尽きた。
カロリーメイトはもう1本残っている。
しかし、食べないことにはエネルギー切れになりかねない。
仕方なく食べる。

(み、水〜!!詰まる〜!!)
口を半開きにしたまま、飲み込むことも出来ずに唾液が出てくるのを待つ。
その間も呼吸は荒い。

「すぅ〜ファ〜、すぅ〜ホァ〜、すぅ〜ホヮヮ〜」
息を吸う時にカロリーメイトを吸い込んで器官に入らないよう、そ〜っと息をする。
しかし苦しいので、息を吐く時は強めに吐いてしまう。
すると、口の中で粉状に細かくなったカロリーメイトが飛び出ていってしまう。

鼻は、寒さで鼻水が出てきて呼吸はしづらい。
息を吐く度にカロリーメイトが飛び散り、そして寒風で運ばれていく。
5分の1くらい吐き出してしまったかもしれない。

刈場坂峠.jpg

そんなんで登っていくと、急に道が開けて『刈場坂峠(かばさか峠)』に到着。
標高は818m。
本日5番目にして、最も眺めの良い峠だ。
午後3時半、ブナ峠から20分かからずに到達。
僕の進軍も素早くなってきた(峠の間が近いだけだけど)。

刈場坂峠眺望.jpg

ここから見えるのは、手前が埼玉県ときがわ町の街並み、遠くは熊谷市や栃木県の足利市辺りだろう。
さすが、関東平野は広い。

僕が写真を撮っていると、パトカーが峠にやってきた。
奥武蔵グリーンラインのパトロールだろう。
パトカーは、変な自転車と一緒に自分を写している僕をしばらく見ていたが、やがていなくなってしまった。
「飲み物下さい」と言いたかった…。
もう僕の補給部隊は絶たれたのだ。
生き残るためには、先に進むしかない。

刈場坂峠から先に進むと、山の稜線部分を走るとこがある。
つまり、道の左右は崖っぷち。
道の広さは4mもないし、柵もないので、万が一踏み外したら、急斜面を滑落していくことになる。
こんなとこで下りが入ると、とても楽しくとても怖い。

大野峠への影.jpg

夕日と下り坂のお蔭で、かなり影が伸びる。

大野峠.jpg

そのすぐ後、最後の峠『大野峠(850m)』に到着。
またもや刈場坂峠から20分も掛からない近さだ。

ちょうど2台のバイクが走ってきたので、「こんにちは」と声を掛けた。
しかし、ライダーの返答はこうだった。
「あ、○×さん!?………あ、違った」
僕は彼らの知り合いに似ていたのだろうか…?
よし、ここは一つ影武者作戦としとこう。


ともかくこれで、秩父に向かっての敵陣は全て蹴散らした。
後半は1時間で4つの峠を陥落させた。
あとは秩父まで逆落としをかければいい。
(いっちょいくか〜)
僕は下る気満々だ!
でも、まだ登ってんですけど…。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2007年01月03日

自転車奇行・秩父編 第六陣〜飯盛峠へ進軍〜

傘杉峠(550m)から飯盛峠(780m)までは、9kmほどの距離がある。
標高差は250mもないが、何度もアップダウンを繰り返すので、積算300m以上登るのかもしれない。

東側の関東平野の眺望から、ヘアピンカーブを曲がると再び木々に囲まれる。
右手の林の中から音が聞こえる。
『明日の天気です…』
他にも鈴の音が聞こえる。
(幻聴?疲れ果てたからか?)
ビックリしたが、木々の間に目を凝らすと人が歩いていた。
何のことはない。登山者が熊除けのために鈴やラジオを鳴らしていたのだ。
(なるほど、そうやって危険防止しているのだな)

木々の中を自転車に乗ったり、手押しをしたりしながら一気に100mの標高を登り、少し下ってまた登る。
この、少し下るというのが、せっかく稼いだ標高を失うのでもったいない。

漕がないでも時速40km出るので、下りは下りで楽でいいのだが、折り畳み自転車で40kmを超えると怖いものがある。
しかも、今まで下ったことのある国道や県道の山道と違って、ここは林道だ。
車がすれ違える幅がなかったり、ガードレールもないとこがほとんどだ。

崖に向かって40kmで突っ込み、ブレーキをかけつつ26kmで曲がっていく。
28km以上では僕の技術だとオーバースピードで、思い描いたラインより外に膨らんでしまうようだ。

だんだんと折り畳み自転車の性能とスピードに慣れてきたが、メーターを見たら45km以上出ていた瞬間があった。
(出過ぎ!?)
慌ててブレーキを掛ける。
減速しきれないままコーナーに突入。
目の前は崖。ガードレールはない。
(曲がれ〜!!)
車体を傾けつつ、崖まで50cm残して曲がりきった。
もちろん、思い描いたラインではない。
45km/hは危険と認識。
以後、45km以上出さないことにする。

飯盛峠までの中間地点である『高山不動尊』に到着。
お参りして必勝祈願でもしていきたかったが、道路から標高で50mくらい下ったとこにあったので、体力と時間を考えて参拝を断念。

高山不動尊そば.jpg

傘杉峠付近の東側に対して、この辺は西側の眺めが良くなる。
空気の層による見事なグラデーション。
まるで打ち寄せる波のようだ。
どこまで続いてるのか、山の間に街はあるのかいろいろ気になる。

高山から登坂.jpg

高山不動尊から登坂中。
もうヘロヘロだ。この後は手押しになった。

北に向かって『N』の字を描くようにヘアピンがある。
こういうところは急坂である。
手押しで歩いていると、森の中からガサガサと大きな音がした。
(何?熊?鳥?)
耳を澄ませても、その後は何も聞こえない。

キョロキョロしながらそ〜っと歩いていると、後方から車の音がしたので安心した。
しかし、いつまで経っても車はやってこない。
(何?今度こそ幻聴?)
どうやら音の正体は、風の音のようだ。
風が森を通り抜ける、サァ〜という音が、遠くに聞こえるロードノイズに思えただけだ。
結局、誰もいないのだ。
僕は少し不安になってきた。
もし日が落ちたら、ここには明かりもないし怖いだろうな。

ヘアピンを抜けると、高山不動尊から100mほど登ったことになり、ここには『関八州見晴台』というのがある。
しかし見晴台まで、徒歩で山道を登らなければならない。
どのくらい登るのか分からないので、ここも素通り。

ちょっと進むとまた登山道があり、見晴台に続いてると書いてあったので、やっぱり登ってみた。
手には缶コーヒー。見晴台で気分良く飲もうかと思ったのだ。

地面は雨の影響か、滑りやすかった。
普通の運動靴では厳しい。
(これじゃ登山じゃん?)
第一目的は日没までに秩父に到着することだ。
日が暮れたらマズいので、登っていく途中で引き返した。
滑る地面は、下りる方が難しい。
無事に下りきると、缶コーヒーを飲み干してしまった。

これで残りの飲料水は、500mlペットボトルの水1本となった。
持つのか?水と体力。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 13:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2007年01月02日

自転車奇行・秩父編 第五陣〜傘杉峠〜

顔振峠を発って10分後、僕は傘杉峠にいた。
近い、近いぞ。
顔振峠から一旦登って、そこから少し下ってまた登ったらもう傘杉峠だ。

傘杉峠.jpg

標高は550m。
峠からの見晴らしは良くない。
前線基地である顔振峠の補給基地みたいなもんだ。
あっ気なく陥落させた。

…とは言っても、峠直前の上り坂で「ハァ〜、フヒェ〜」とか言いながら自転車を漕いで登っていったら、峠の指標の下のベンチで寝転んで休んでいる人がいて、ビックリされた。
僕も、まさかそんなとこに人が寝てるとは思わなかったので、横で急にビクッと人が起き上がった時には焦った。

変な声を聞かれたのも恥ずかしい。誰もいないと思ってたから。
そのまま、「ふぅ〜、着いたァ〜」と独り言を繋いでごまかした。

寝ていた人はライダーだった。
峠の案内看板の横にバイクが停まっている。
ライダーはベンチから起き上がり、バイクの方へ歩いてくる。
僕は目を合わせないように、デジカメの液晶を見ていたが、
「こんにちは〜」
ライダーの方から声を掛けてきた。

「こんにちは。今日はいい天気で良かったですね」
僕も挨拶を返す。
ライダーは長髪の若者だった。
山道のこういう触れ合いは、清々しくて良いのもだ。

僕は気になって尋ねてみた。
「今日はどちらまで行かれるんですか?」
「秩父まで行こうと思ってるんですよ」
僕と同じ目的地である。

「へ〜、僕も秩父まで行こうと思ってるんですが、夕暮れまでに着けないかもしれません」
「もう日が傾いてきてますもんね」
まだ午後2時であったが、山の東側は日陰になってしまっている。
日陰に入ると気温も下がるし、風も冷たい。

この先、無事に走れるのだろうか。
まぁ万が一日が暮れても、奥武蔵グリーンラインから下る道はたくさんあるので、そこから帰ってしまえばいいだろう。
その場合は敵本陣である秩父には辿り着けないので、敗戦となる。
途中で山を下りたら、僕は落ち武者だ。

一足先に秩父に向かうライダーを見送ると、僕もライダーの後を追って走り出した。
バイクのエンジン音はどんどん遠ざかり、やがて鳥の鳴き声と風の音しか聞こえなくなった。

次の峠は、飯盛峠780m。
地図で見るとけっこう距離がある。
標高差もあるし、心して挑もう。

傘杉峠2.jpg

少し登ると、東側の眺望が開けた。
川越市やさいたま市の方向だ。
ライダーとの出会いや、こういう景色のお蔭で、登っていく気力も湧いてくる。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2007年01月02日

自転車奇行・秩父編 第四陣〜顔振峠〜

顔振峠まで2.65kmの看板からがまた長かった。
幾度かの上り下りを繰り返しながら進んでいく。

奥武蔵グリーンラインは尾根沿いに作られた林道なので、明確な一つの峠があるわけではなくいくつかの峠が存在する。
飯能市から秩父市へかけて、山並みの背筋を通るようにアップダウンを繰り返しながら、全体的な標高を上げていく感じだ。

最初に到達する顔振峠は標高500mなのだが、途中に下りが入るため、実質はもっと上りを漕がなくてはならない。
たかが500mと、少しナメていたかもしれない。
地図の中で道が曲がりくねっていた意味が分かった。

顔振へ走る.jpg

冬の木立の中を走る。
折り畳み自転車が小さすぎて、山道には似合わない。
それどころか、僕はまるで子供用の自転車で遊ぶ怪しい人物に見える。

集落が現れ、また無人の森に入り、つづら折れで急斜面を登って標高を稼いでいく。
つづら折れを登りきったところに、前々日の大雨&強風で倒れた木が転がっていた。

顔振手前.jpg

車が通ったので自転車を道の端に停めたのだが、倒木の写真を撮ってた向こうで風で自転車が倒れ、あわや崖下に落ちていくとこだった。

そして、ここを抜けると視界が開け、ついに『顔振峠(かあぶり峠)』に達した。

顔振峠.jpg

標高500m。
源義経がここを落ち延びていく時に、あまりの美しさに何度も振り返りながら通っていったというのと、弁慶が疲れ果てて顔を振りながら登ったというのが由来という。
もしくは、登山者があまりのキツさに汗をかき、顔を振って払うとこから名付けられたとか、冠の様な尖った山があって『かんむり』が『かあぶり』になったなど諸説あるが、まぁどれでもいい。
今は、ここに辿り着いたことを喜ぶのみだ。

時刻は午後1時半。
林道に入ってから2時間強、飯能駅から進軍を始めて3時間近く経っている。
ずいぶん掛かってしまったが、まだ体力も脚力も大丈夫だ。無理をしなかったのが良かったと思う。

ずっと奥まで連なる山並みは、おそらく奥多摩の方だろうか。
2ヶ月前に自転車で通った山梨県の大月市が、あの先にあるに違いない。
自転車で山を越えるようになってから、地形を気にするようになった。
車で走っている時は方角くらいしか気にしていなかったので、良いことだ。

この後の走行の為に、峠の茶屋で連なる山々を見ながら蕎麦を食べる。
箱根の時もそうだったが、峠を登ってから食べる物はなんでも美味しく感じる。

食べ終わるとまた景色を眺め、次の峠へ向けて走り始めた。
本当は、徒歩で登っていく展望台があったらしいが、知らずに通り過ぎてしまった。
展望台からは、もっと素晴らしい眺めが待っていたのだ。もったいない。

顔振峠の次に待ち受けるは、標高550mの傘杉峠。
また登っていかなければならないが、敵の最前線基地である顔振を攻め落とした勢いで、傘杉も攻略したいとこだ。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 00:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月31日

自転車奇行・秩父編 第三陣〜北向地蔵〜

薄暗い山道から民家と畑の間を登っていくと勾配も緩くなり、そして急に展望が開けた。

北向前.jpg

中央左の街並みが僕が出発してきた飯能市街、中央奥から右にかけての山並みは青梅や八王子の辺りだろう。
手前の山と山の間を、僕は登ってきたと思う。
ここは特に峠というわけではないが、一瞬、第一目的地の顔振峠に乗り込んだのかとぬか喜びした。

北向前2.jpg

写真を撮ってる僕を、畑仕事のご主人と来たのであろう犬が、日向ぼっこをしながら見ている。
ここまでですでに疲れていたが、この眺望の様に気分も晴れ渡り、また自転車を漕いでいけた。

上り初めに思っていた、こんなとこ来なければよかったとか、いつ引き返そうかとか、そんな甘えは考えなくなった。
ここに来た以上は、この山を楽しまなければいけない。

北向地蔵.jpg

1km近く行くと、北向地蔵に到着。
北を向いて建っているので、後光が差しています。
天明年間に流行した悪疫を防ぐために建立されたお地蔵様だ。
現在では、男女逢瀬を取り持つ縁起地蔵として親しまれているらしい。

僕が北向地蔵に着くのとほぼ同時に、ハイキングコースから大学生らしい男二人組みが登ってきた。
たぶん、僕が途中で引き返したダートコースが、その登山道に繋がっているのだろう。

僕の自転車を見て片方が、
「俺、今年は富士山5合目まで自転車で登ったんだよ。しかもママチャリで」
「すげェじゃん」
「だから来年はもっと上まで登ろうと思ってんだ」
などと話している。

男女逢瀬を取り持つ地蔵の前で、山にまみれた男3人が出くわした。
…無言のまま、互いに意識しつつ別れた…。
たぶん、僕と同じような志しを持っている若者だろう。
挨拶くらいしとけば良かった。

北向地蔵からさらに登る。
自転車を降りたり漕いだり、無理のないよう進んでいくが、いっこうに顔振峠に着く気配はない。

熊に.jpg

『熊に注意』

熊!?熊が出る可能性もあるということか。
確かにこの山並みなら、いてもおかしくない。
そうそう出くわしはしないだろうが、少し怖い。
ここは国道や県道ではなく、林道なのだ。

この写真を撮る時に熊の顔にズームしたら、熊が僕に向かって襲ってきた。
(え!?絵の熊の中から本物の熊!?)
…と思ったら、ありえないけど思ったら、向こう側からの風で熊の絵が僕の方にめくれ上がっただけだった…。

顔振峠まで2.65kmとある。
先は長い。
敵の最前線に辿り着く前に怖気付いたりしてはならない。

熊は敵の突撃部隊と考える。
突進してきたら、軽くさばいて崖下に落としてやればいい。
この前、合気道の映像を観たばかりだ。観ただけで出来ないけど。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月30日

自転車奇行・秩父編 第二陣〜山攻め〜

飯能駅から自転車で出発し、お腹を空かせながら走ってゆく。
何件か飲食店はあるが、朝10時半ではまだ開店していない。
ホントにこのまま山に入ってしまうのかと不安になったが、無事にコンビニを発見。

おにぎりとパンを食べながら走る。
戦国時代なら、馬に乗って食べるようなものか。
ともあれ、これで戦に臨めるってもんだ。

.jpg

国道299号を秩父に向かって進むと、市街地からだんだんと山道らしくなってくる。

からNRA.jpg

僕の後方から、レッドアローが走ってくるのが見えた。
僕が乗ってきたレッドアローの1本後の列車だろう。
1時間ごとのダイヤなので、僕が飯能駅に着いてから1時間以上は経った計算になる。

しかしまぁ、折り畳み自転車はスピードが出ない。
けっこう頑張って漕いでも時速30kmがいいとこだ。
もともとスピードには期待していないのだが。
問題はギアだ。
長い上り坂で、一番軽い1速に落としてもまだ重いのだ。
この後の山道を考えると気が遠くなる。

飯能から軽いアップダウンを数キロ走っただけで息が上がった。
意気は上がらない。

向こうからロードレーサーが走ってきた。秩父から走ってきたのだろうか。
さすがロードは速い。思わず見とれてしまう。
僕も頑張らなければ。

道端で上着を脱ぎ、短パンに着替え、いざ登坂フォームにチェンジ。
武蔵横手駅手前の林道から、いよいよ登坂開始だ。
目指す敵陣は標高500mの顔振峠。
武蔵横手駅の標高が100mちょっとなので、400mほど登れば辿り着く。

薄暗い山道に入ると、一気に気温が下がった。
寒いが、寒いくらいがちょうどいい。漕いでいれば暑くなるのだから。
林道の横には沢が流れている。
路面は舗装路だが、前々日の大雨と強風で折れた木の枝が散乱していて走りづらい。

武蔵横手から0.jpg

勾配はどんどんキツくなる。
ギアを1速に落とす。もう後がない。
箱根では自転車を手押ししまくりだったので、今日はなるべく自転車を降りないようにしたい。
写真を撮るのを理由に休むのも言い訳がましいので、走りながら写真を撮っていく。

呼吸も乱れ、早くも脚が攣りそうになる。
(降りてたまるか〜!)
トットットット
脈拍が180以上になってる気がする。
それでも無理やり漕いでいくが、路面がスリップ防止のガタガタ路面になると、ついに自転車を降りた。
スリップしそうなほどに急勾配だ。
12〜14%はあるだろう。

武蔵横手から.jpg

自転車を降りた途端に動悸が激しくなり、呼吸困難に陥る。
無理をしすぎたかもしれない。
これでは自分の力量を知らない愚か者だ。
早々にギブアップするのも空しいので、余力を残しつつ進むことにしよう。
僕はもともと体力はないのだから、一気に使い果たしてはいけないのだ。

武蔵横手から2.jpg

動悸が収まると、自転車を押して歩き出した。
箱根の時同様、登山の始まりである。

地図には途中に滝があると表記されてたが、疲れていたため見逃した。
思い返せば、視界の端に滝っぽいのが見えていた気がする。
次の観光スポットは見逃さないようにしよう。

『北向地蔵』

これが次に通過するポイントだが、分岐に立っている看板標識では左に向かうと書いてあった。
真っ直ぐ行けば舗装路、左に向かうとダートだ。

武蔵横手から3.jpg

ダートを少し進んでみたが、さらなる分岐が現れた。
こうして迷子になっていくのだろう。
第一、路面状況が折り畳み自転車で走るには適していない。
僕は戻ることにした。

先ほどの分岐を真っ直ぐ、舗装路の方へ登っていく。
民家が現れた。
人が住んでるとなると、山の中では心強い。
登っていく気力が湧いてきた。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 23:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月30日

自転車奇行・秩父編 第一陣〜出陣〜

12月27日、忘年会があった。
忘年会が終わると、みんなで歓談しているところを抜け出して仕事場に戻る。
仕事の続きと掃除をした後、3時間寝て出掛けた。
日時は明けて28日になっている。

出掛けた先は池袋。
池袋から朝9時30分発の特急『レッドアロー』で飯能まで向かう。
子供の時以来、久しぶりのレッドアロー号だ。心も躍る。

NRA1.jpg

特急券を買い求め、2号車に乗り込む。
乗り込む僕の足下には、折り畳み自転車がある。
夏に買ったものの、その後マウンテンバイクを買ったので、倉庫の奥で眠っていた折り畳みだ。

その折り畳みを、数日前に仕事場まで持ってきてあった。
何に使うかと言えば、飯能市から秩父市まで『奥武蔵グリーンライン』と呼ばれる林道を通って、いくつもの峠を越えていく為だ。

10月に箱根峠を越えたものの、脚は攣るなど、箱根の坂に散々にやられたので、そのリベンジを兼ねての峠越えだ。
折り畳みは、6段変速&20インチのタイヤで峠越えには不安があるが、箱根には連れていってやれなかったので、今回は活躍の場を与えようと思う。

レッドアローは池袋を発し、東京都から埼玉県に入り、所沢を過ぎ、10時過ぎに飯能駅に着いた。
電車内からも見えていた、これから越えていく山並みが見える。
(ずいぶんと山が連なっているな…)

箱根では惨敗だった。
今日の秩父戦は勝ち戦といきたいもんだ。
秩父は敵本陣。
幾重にも張られた前線基地を落としていかなければならない。
戦いは過酷を極めるに違いない。

飯能駅前で折り畳み自転車を組み立てると、僕はこれからの山越えに備えて栄養を付けようと、駅前の飲食店に入ろうとした。
すると、
「おい!こんなとこに停めてんじゃねぇぞ。少しは人の迷惑というものを考えろ!」
突然、何日も風呂に入ってないような薄汚い格好のおじさんに怒られた。
「ああ、すみません…」
素直に僕は謝った。

確かに周りを見渡すと、駅前に自転車が停まってない。キレイな駅前である。
僕は、邪魔にならないように飲食店の幟の旗の物陰に停めたのだが、飯能駅では自転車を停めてはいけないルールなのだろう。
歩道は広いし、自転車もないので、整った駅前である。
余所者の僕は、それを知らなかった。
ここは飯能。ホームではなく、アウェイなのだ。

「では、この辺に自転車置き場はないですか?」
「この辺にゃないんだよ」

何という事か!
僕は朝食抜きで走り出さねばならないのか。
僕は補給部隊を伴なわないまま、戦い始めねばならないのだ。

これから食べようという時、突然の奇襲だった。
おじさんは、言わば斥候だ。
僕の進軍を見抜かれている。

僕は自転車に跨ると、おじさんの目から逃れるように山に向かって走っていった。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 20:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月29日

年の瀬の都内を

今日は夕方5時に仕事が終わった後、池袋から自宅まで自転車で帰って来た。
前にも池袋から自転車で帰ったが、今回は夏に購入して以来、倉庫の奥に眠っていた折り畳み自転車だ。

自転車で帰宅するには、前段階として自転車で通勤して来ないとならないが、それは数日前に仕事に来る時、折り畳んで電車で仕事場まで運んできてあった。

なぜ仕事場に持ってきたかと言うと、とある目的の為なのだが、それは後日書くことにします。
まぁ、今日はただ帰宅しただけです。

せっかくの年の瀬、池袋で買い物をして帰ろうと思ったが、あまりに混んでいたので立ち寄るのをやめた。
表通りは混んでいるので、裏通りを走っていった。
僕は池袋の常連ではないので、裏道は知らない。
でも裏道を通ると、池袋を知り尽くした気分になる。
気分だけで本当は迷子なのだが。

前に帰った時のルートは、池袋から上野まで南東に走り、その後北上して埼玉県を経由して柏市まで帰るルート。
今回は違うルートにしないと面白くない。

上野駅まで行って、前から乗りたかった特急『スーパーひたち』で自転車を積んで帰ることも考えたが、せっかく仕事納めだったのだから、のんびり走って帰ろう。
どうせ急いだって、20インチのタイヤなのでスピードは出ない。

まずは池袋の喧騒を脱出して、王子駅まで北東に進む。
地名も知らない道ばかりだと思っていたが、王子駅で飛鳥山公園側に右折すると、平塚神社があった。
(あれ?知ってる名前だ?)
神社の前には平塚亭という団子店。

ここは、僕の好きな推理作家『内田康夫』センセの名探偵『浅見光彦』シリーズの舞台ではないか!
滝野川警察署、飛鳥山公園、上中里、平塚神社…小説内で使われている地名ばかりで何だか嬉しくなった。
これだけで、今日のサイクリングは成功だと言える。

その見知った地名を見掛けなくなると、僕は迷子になった。
地図を見ては走り、走っては地図を見る。

どうにかこうにか、扇大橋を渡って隅田川と荒川を越え、足立区に入った。
橋沿いに高架線が建設中で、駅舎もある。
何だか、ゆりかもめの様な新しい交通網を建設中らしい。
来年度開業予定だ。
開通前に一目でも見ておいて良かった。夜でほとんど見えないけど。

10km以上走ってお腹も空いたので、この辺で夕食にした。
かなり寒かったのでラーメンにしようと思っていたが、道沿いにジョリーパスタがあったのでそこに決めた。
僕は、ジョリーパスタのチーズフォンデュがお気に入りだ。
チーズの塩加減が良い。コクもいいと思うが、特に塩加減が僕好みだ。
チーズの入った器もパイ生地の器なので、丸ごと食べられる。

チーズフォンデュとゴルゴンゾーラのパスタを食べて外に出ると、ますます寒さが増した気がした。
風も強い。
電車で帰ってれば良かったかとも思うが、たっぷり食べた以上は走らねばなるまい。

環状7号に入った。
環七は車で何度か通ったことがある。
もう地図を見なくても大丈夫だろう。
いや、でも地図を見る。
(この道は合ってんだよな?)
夜道は不安だ。
景気付けにMP3プレイヤーを聴こうとしたら、電源入れた直後に電池が切れた。

途中で陸橋を登ったのだが、歩道をそれぞれ自転車を押して登ってるカップルがいた。
男の方が坂の途中でヘバッていて、女の方が「早く登ってよ〜」と言ってる横を、僕はギアを1段にして登って一気に追い越してやった。
「すご〜い」
女の方がそう言っていたのが聞こえた。

(どうだ、勝ったぞ!)
僕は少し勝者の気分になったが、その時点で負けているんだろう。

そのまま環七沿いに走って、国道6号に入った。
このまま6号を行けば地元に着く。

風はますます強くなる。
気温も下がってくる。
しかも向かい風で進まなくなってくる。

(寒い!)
上着のジッパーをアゴの辺りまで上げる。
向かい風で進まないので、ギアを軽くして高回転にする。
シャカシャカ漕ぐ。

(暑い!)
汗ばんできたのでジッパーを下げる。
すぐさま、強風で汗が冷える。

(寒い!)
ジッパー上げる。
寒いんだか暑いんだかハッキリして欲しい。
ここまで30km以上走っているので、それなりに汗をかいて疲れてもいる。
寒くてもその分漕げば、身体は熱くなるだろう。
でも寒いものは寒い。

千葉県に入って松戸駅を過ぎ、馬橋駅の辺りからトイザらス&びっくりドンキーまで続く長い上り坂を駆け上がる。
以前だったらこの長い上り坂はキツかったが、箱根を越えて以来、そこそこの坂なら気にならなくなった。

トイザらスからは下り坂。
下りは漕がなくてもいいので、身体が冷えて寒くなる。

また上り坂。
寒いので、上り坂でも構わない。
もし下り坂の後に赤信号で停止などしたら凍えてしまう。

10時過ぎに帰宅。
けっこう時間が掛かってしまった。4時間くらい走っていたかな。
4時間で40km以上の距離を走ったのだが、疲れた割りには平均速度は10kmちょっとしかない。
信号と向かい風の影響もあるだろうが、すいぶんのんびり来たもんだ。

部屋の温度計を見ると9℃しかなかった。
室内でこれでは、外はもっと低い。
どうりで寒かったはずだ。
風邪ひかなくて良かった〜。
ニックネーム SNJ at 23:54| Comment(2) | TrackBack(1) | 自転車奇行2006

2006年12月25日

手賀沼一周再び3

手賀沼の3周目は、2周目同様に柏市側からの反時計回り。
時刻も4時を過ぎ、夕暮れも近い。
上手くいけば、沼の東側に位置する我孫子市を走る時に、沼越しの夕日が見れるという魂胆だ。
ネコや鳥も我孫子市側にいる。最後に会っていきたい。

脚が攣ったのも治まってきて、快適に走れる。
しかし、夕暮れになると、鳥たちは巣に帰ってしまうかもしれない。急がねば。

僕はMP3プレイヤーで音楽を聴きながら走っているのだが、夕暮れ時のために流す曲がある。
夕日をバックにその曲を聴きながら走れば、力が湧いてくるのだ。
しかし3周目を始めてすぐ、スローテンポな曲に続いてお目当ての曲が流れるという時、唐突に電池が切れた…。

ガックリだ…。
だが、もう3周目を走り始めているので、今さら戻るのもイヤである。
夕日と、鳥に会うのを目標に走り続けるしかない。

白い鉄柵がオレンジに染まってゆく。
自分の影も、どんどん伸びてゆく。
少し焦ってくる。
もし、柏市側を抜ける前に日没となったら残念だ。

手賀沼柏側.jpg

真っ直ぐな遊歩道。
漕げども漕げども、水門は見えてこない。
遊歩道脇に停めてあった車に自転車を積んで帰る人、釣りの成果を報告しあう人、粘り強く鳥の写真を撮る人、様々だ。

ようやく水門が見えてくるも、まだまだ何kmか先だ。
走っても走っても水門は近付いてこない。
見晴らしが良すぎるのも考え物だ。

水門まで残り1kmを切ると、一気に水門が近付いてくる。
水門に到着したところで、夕日は輝きを増していた。

手賀沼水門夕日.jpg

水門越しに一枚。

手賀沼夕日.jpg

さらに一枚。

僕が撮ってる横でも、たくさんの人たちがカメラを構えている。
その数、10人や20人ではない。
それぞれに自分のベストポジションで撮っている。

子連れの夫婦が夕日を撮っていた。
子供が言う。
「さっきもう撮ったじゃ〜ん」
「これからがいいとこなのよ」

手賀沼夕日2.jpg

その通り、夕日は沈む間際が美しい。

夕日の下弦が森のシルエットに触れると、夕日は一気に森に飲み込まれていった。
僕は走りながらそれを見つめていた。
こういうシチュエーションは良い。音楽があればなお良かった…。

カメラマン達が帰り始める。
今日の夕日について語り合う人もいる。
鳥たちが、日の暮れた空を飛んでゆく。
そうだ、僕も早く鳥に会いに行かなければ。

走っていくと、ネコたちがいた。
ネコを撫で、別れを告げる。

さあ、鳥はまだいるのか?
巣に帰ってはいないだろうか?
僕は先を急ぐ。

いた!

手賀沼の鳥.jpg

い過ぎ!
僕の進行を止めるかの様に、7羽の鳥が道を塞いでいた。

ゲハァ〜、ゲハァ〜

得体の知れない鳥たちは、怪しい鳴き声をあげながら、僕の足下へ寄ってくる。
そして囲まれる。

ゲハァ〜、ゲハァ〜

ちょっと怖い。
い過ぎて怖い。

ゲハァ〜、ゲハァ〜、コッコッコッコ

何だかニワトリの様な鳴き声も発している。
こいつらニワトリの一種か?

ゲハァ〜

僕がエサを持ってないと知ったからか、鳥たちは道の端にどいてくれた。
(今だ!離脱)

鳥たちと別れると、手賀沼公園を通ってさらに北上し、出発地点のローソンに戻ってきた。
またオマケ付きの缶コーヒーを8本買う。
ともあれ、これで手賀沼3周終わりだ。
1周目が一番疲れた。

この日の走行距離は70kmだった。
途中で脚は攣ったものの、平坦路ばかりなので復活できた。
朝から走っていれば5周はいけそうだ。
まぁ5周もするには、体力より気力だな。
今日みたいに、丘を越えたり、夕日が沈むまでに沼の東側にとか、条件を付けないと飽きてしまうだろう。

ああ、そうそう、忘れてた。

Merry X'mas
ニックネーム SNJ at 02:19| Comment(7) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月24日

手賀沼一周再び2

2周目は、1周目とは逆周りにした。
直線的な道の柏市側から走り、より散策に適した我孫子市側を後半に持ってくる。

1周目は後半向かい風だったので、2周目は追い風から始まった。
1周目で疲れてしまったこともあって、2周目はのんびりと走っていく。

それにしても、何台ものロードレーサーに抜かれていくが、ロードは速い。
車で言うなら、マウンテンバイクが悪路もこなせる四駆系、ロードは高速走行に特化したスポーツカーだ。

自転車乗り同士ですれ違うと、互いに相手の自転車を物色している気がする。
お互い顔を見ているようで、目線は下に向いている。
高そうだとか、速そうだとか、デザインがいいとか、いろいろ思う。

手賀沼水門.jpg

のんびり走っていたので、ストレスもなく水門を越えた。
ここからは我孫子市側になるが、ずっと平坦路を走っていても単調で面白味がないので、少し坂道を取り入れることにした。
手賀沼沿いから外れて、丘を越えるルートだ。
標高はほとんどないが、上り下りがあって変化が出るだろう。

teganumakito.jpg

手賀沼周辺の畑の中を抜けていく。
路面はダートだが、MTBなので問題はない。

五本松公園.jpg

そして坂を上って、五本松公園というところに来た。
何もない公園だ。
手賀沼が見下ろせそうで見下ろせない。
木々が邪魔しているのだ。

五本松から.jpg

とりあえず、手賀沼をバックにシルエットで一枚。
逆光でハレーションしてるが、肉眼で見れば手賀沼が見下ろせる位置だ。

五本松ホ面.jpg

公園内の斜面を走る。
落ち葉にタイヤが沈んで走りづらい。
この写真を撮るために斜面の下にカメラを置き、シャッターのタイマーが10秒しかないので急いで斜面を駆け上り、自転車に跨って下りてくるということをした。

そんなことをしたからだろうか。
脚が攣った。

まだ手賀沼を2周もしていないのに、このていたらくだ。
ここから先は、さらにのんびり走行にするしかない。

五本松公園を出て坂を下り、そのまま一般道を走っていく。
休憩がてら、手賀沼親水広場の『水の館』というところを見学していった。

水の館は、プラネタリウムもある博物館になっていて、手賀沼の汚染と浄化の歴史が分かる。
白樺派の柳宗悦、志賀直哉、武者小路実篤が手賀沼周辺に住んでいたなどの歴史も分かった。

水の館.jpg

展望台から手賀沼を見下ろす。
五本松公園にも木組みの展望台などを設置し、これくらい見えるといいのだが。

水の館から出てくると、風が強くなっていた。
しかも冷たい北風だ。汗が冷える。
時刻は3時半。ここで遅めの昼食。

満腹になったが、風はますます冷たくなる。
寒くなりながら2周目を終了。
2周目は休んでばっかりだった。
しかも遊歩道から外れて走ったので、ネコや鳥にも会わなかった。
これでは寂しいもんだ。

ネコたちに会うため、もう一周といこう。
僕は休むことなく、そのまま3周目に突入した。
ニックネーム SNJ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月23日

手賀沼一周再び

今朝は5時半に起床した。
天気予報は晴れだったので、自転車で遠出しようと思っていたのだ。

しかし、起きたものの寒いし、3時間ちょいしか寝てなかったので気力もない。
だらだらと布団の中でゲームボーイアドバンスをやっていた。

でも、日が昇ると暖かくなってきたので、やはり自転車で出掛けることにした。
時刻は10時半。
そんなに遠くへは行けない。
なので、柏で買い物をした後、また手賀沼に向かった。

柏市民文化会館の裏手のローソンで、オマケ付きの缶コーヒー6本とあんまんを買って、12時過ぎに手賀沼一周をスタート。
前回は1周しかしなかったが、今日は2周はする予定だ。

MP3プレイヤーで音楽を聴きながら、北柏駅そばの北柏ふるさと公園内を走っていく。
ここは道が曲がりくねっている。
芝生を走っていけば真っ直ぐショートカット出来るが、あえてアスファルトに沿って走る。
その曲がりくねった道を、時速20kmで車体を倒して駆け抜けていくのが面白い。
もちろん、子供とかがいない場合だが…。

この公園を抜けて一般道を少し走ると、次は手賀沼公園だ。
公園内は、土曜日ということもあって人で溢れている。
人だけではない。鳥も溢れている。

tegatoria.jpg

陽気もいいからだろう。
今日はカモ類やらカモメ類やらがたくさんいた。

tegqtorib.jpg

そのまま歩道を走っていくと、見知らぬ鳥に遭遇。何だか沼の鳥たちを見つめている。
前に来た時もここにいた鳥だが、何の種類か分からない。

tegatoric.jpg

近付いても逃げないので、一緒に記念撮影。

teganumaneko.jpg

鳥の後は、ネコがお出迎えだ。
陽射しを浴びて、まどろんでいる。
ノラのようだが、全匹避妊手術済みだそうだ。誰が手術代を受け持ったんだろう?

手賀沼水門.jpg

ネコに別れを告げてさらに走っていくと、折り返し地点の水門だ。
この橋を渡ると、我孫子市側から柏市側に入る。
ここまでの平均速度は20km。
柏市側は、幅広で平坦で真っ直ぐな遊歩道なので、もう少し飛ばせるだろう。

…と思ったら、向かい風でスピードが出ない。
何とか平均時速を21kmまで伸ばしつつ走るが、気を抜くとすぐに平均が下がっていく。
しかし、25km以上で走っているのに、平均が上がらないのは不思議である。
ペース作りが下手ということか。

前方に、ロードレーサーに乗ったおじさんがいたので付いていくが、一向に差が縮まらない。
おじさんより僕のほうが、ペダルの回転数は多い。
つまり、おじさんは僕より重いギアで走っているのだろう。

ロードとマウンテンバイクの性能差か、平坦路では分が悪い。
マウンテンバイクは、サスペンションのお蔭で乗り心地がフワフワしている。
なので悪路には強いが、思いっきり漕いだ時に車体の上下動で力が逃げてしまい、スピードが乗らないのだ。

それでもおじさんを追い抜いたが、僕は疲れきっていた。
まだ1周もしてないのにこのザマかと思っていると、数分後おじさんに抜き返された。

そのままおじさんとの距離は離れていき、もう追い掛ける気力もなくなった。
結局、僕はスピードにムラがあるが、おじさんはペース作りがしっかりしていたのだ。

そうして、ギリギリ平均時速21kmを保ったまま手賀沼一周18.8kmを走り終え、出発地点のローソンに戻ってきた。
これでまずは1周。
すっかり疲れているが、2周目を開始といこうか。
10分の休憩の後、僕はまた走り出した。
ニックネーム SNJ at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月22日

折り畳みで手賀沼に

8月の昼下がり、折り畳み自転車を買った僕は、近所の水場である手賀沼に出掛けた。

tegatettou.jpg

鉄塔を見上げる。
今、乗っている自転車と同じく、白とオレンジのツートンカラーだ。
空とのコントラストが良い。

tegatettou2.jpg

鉄塔が沼沿いに連なっていく。
この電線が、自分の家にも友達の家にも、知らない家にも繋がっているんだな。
社会とは電線のようなものなのかもしれない。
もちろん道だって繋がっているし、空だって繋がっている。
同じ時に違う場所で、知り合いと同じ雲を見ているのかもしれない。

tegajitensya.jpg

新車の乗り心地は、小径タイヤであることもあって窮屈ではあるが、サスペンションのお蔭で乗りやすかった。

tegaahiru.jpg

手賀沼公園のボート乗り場にカルガモがいる。
カルガモは、散策している人たちと仲良さそうに戯れていたが、僕が近付くと逃げていってしまった。

teganeko.jpg

カモの次はネコの登場だ。
自転車に乗ったおばさんの後を、3匹のネコが付いていくのが見えた。
「あらあら、付いてきちゃダメでしょ〜」
おばさんは、そう言いながら嬉しそうだ。
飼い猫かと思ったが、ノラのようだった。

僕も写真を撮ろうと近付いたが、ネコは逃げていってしまった。
おばさんと話すと、何匹かのネコがこの近辺に住み着いているらしい。
おばさんも、たまにエサをあげているという。
僕もエサを持っていれば、逃げられなかったかもしれない。

tegajitensya2.jpg

そのまま手賀沼周辺を少し走って帰宅した。
なかなか良い夏景色だった。
ニックネーム SNJ at 23:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月22日

自転車を買いに

もう4ヶ月以上前になるが、夏の昼下がり、僕は近所のホームセンターに自転車を買いに出掛けた。
徒歩で買いに行き、自転車で帰ってくるつもりで、ホームセンターまでの3km弱の道のりを歩いていった。

8月。
歩く前から汗をかいているくらいだったが、歩いている内に滴り落ちるほどに汗をかいてきた。
(今は暑いが、自転車を買ったら颯爽と帰ってやるぞ!)

ホームセンターに着く。
自転車のタイプはマウンテンバイクを買いたいが、折り畳みにするか折り畳めないのにするか迷う。

以前、乗っていたのは26インチの折り畳みマウンテンバイクだった。
今度買うのは折り畳めないのにしようと思ったが、あえて折り畳みの20インチの小径自転車というのも捨て難い。
迷う内に、だんだんと折り畳みに傾いていった。

しかしよく見ると、そこで売ってる折り畳み自転車は、サスペンションが付いてない。
折り畳みなら、6速ギア&サスペンション付きがいい。
他のホームセンターで売ってたヤツは、その条件を満たしている。
僕は、他のホームセンターに向かうことにした。

他店に向かうのに6km近くの距離がありそうだったが、ダイエットのためにもやはり歩いていくことにした。
歩き出すとすぐにまた汗ビッショリになる。
しかも雨が降ってきた。
(雨もまた涼しいもんさ…)

雨はどんどん激しくなる。夕立だ。
汗ビッショリの上に、雨でびしょ濡れになる。
道は、雨で洪水のようになっている。
もう歩くのもツラい。

最寄の新柏駅で雨宿りをするが、全然降りやむ気配はない。
(そうか、このまま電車に乗ってってしまえば6kmも歩かなくて済むな…)
僕は、2駅先の逆井駅まで電車に乗ることにした。
電車に乗っている内に、雨も上がるかもしれないという期待もあった。

逆井駅に着いた。
雨は尚も激しくなっていた。
駅前の道路は、深さ3、4cmの川になっている。
これではとても歩いていけない。
仕方なく駅の構内で待ちぼうけた。

20分後、ようやく雨が小降りになった。
駅を出て、川のようになった道を歩いていくと、雨は完全にやんだ。
すぐにまた日差しが出てくるが、もう時刻は夕方になっていた。
気温は下がったが、湿度は上がっている。
また汗だくだが、もうどうでもいい。

1時間ほど歩いて、目的のホームセンターに到着。
自転車売り場で、お目当ての折り畳み自転車を観る。
6速&前後サスペンション。タイヤは20インチ。
値段は1万5千円ほど。
カラーリングは、ホワイト&オレンジのツートンカラーで、けっこう好みだ。
(よし!これにしようか…)

買おうと思って、自転車担当の店員に声を掛ける直前で、僕より先に老夫婦が店員に声を掛けた。
老夫婦は、折り畳み自転車のことを店員に質問している。
僕はその横で、うろうろしながら店員が空くのを待つ。

10分後。
さんざん質問した老夫婦は、折り畳み自転車を買わずに帰っていった。
「すみません、これ下さい」
僕は、ようやく店員に購入の意思を伝える。

「折り畳み自転車は耐久性が低いので、通勤通学などに使われるなら、あまりお勧めはできませんが…」
店員は、先ほど老夫婦に話していたことをまた話し出した。
僕は盗み聞きしていたので、そんなことは分かっている。
「これでいいです」

そうして、自転車のセッティングを待つこと30分。
僕は、晴れて20インチの折り畳み自転車を購入した。
折り畳み式の前カゴも付けた。
あとはスピードメータを付ければバッチリだ。

すっかり暗くなった夏の夕暮れ時、僕は颯爽と帰宅する。
この日はかなり歩いたので、自転車が爽快だ。
(この20インチタイヤなら、電車でも運びやすいな。どこか行くかな)
いろいろと、自転車を共にした旅のプランが思い浮かぶ。

それから2ヶ月後、僕は箱根を越えていた。
でも電車を使わなかったし、この折り畳み自転車も使っていない。
箱根用に、普通のマウンテンバイクを買ってしまったのだ。

20インチの折り畳みは、倉庫の奥に眠っている…。
ニックネーム SNJ at 03:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月14日

冬に自転車で走っていると、日が暮れてすぐに暗くなってしまう。
街灯がない道だと、自分の自転車のライトしか照らすものがない。

僕の自転車は、ハンドルに取り付けたライトなので、脚に負担はないが、暗い道を進んでいると、どのくらい進んでいるのか距離感がつかめなくなってくる。

暗い上に道を知らないと、かなり不安になる。

そんな時。

ライトの前に手を置いてみる。
そして、手をいろいろな形に変える。

時に鳥が飛び、時に犬が吠える。

ライトから手を離せば、影は大きくなる。
とてつもなく大きな犬の影が僕の前にある。
犬との追いかけっこだ。

楽しい☆

…とは思わないが、気が紛れる。
暗い道で、何も見えなくて飽きてきた時にこの影絵をやると、もう少し走れる気がするのだ。
ニックネーム SNJ at 03:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月03日

反省

御殿場の下り坂で自転車で転んでから1ヶ月半経つが、その時に擦りむいた肘の傷は、けっこう皮膚が擦り減ってたみたいだ。
触ってみると、傷のところがへっこんでいる。
肘の肉薄の部分なので、もう少しで骨まで削れていたかもしれない。
そういえば肘の打撲のせいか、4週間くらい小指と薬指が痺れていたな、今は大丈夫だけど。

足の甲のえぐれた切り傷も、もう2mm横で血管だったので危なかった。
きっと、歩道の縁石と自転車のペダルで靴が挟まれて、そのまま靴が脱げて足の甲も縁石で切ったのだろう。
ペダルの横面はガリガリに削れていたので、靴が脱げたのがむしろ良かったのかもしれない。
挟まれたまま転倒していたら、捻挫や骨折に繋がっていたろう。
転倒は気を付けないといけないな。

今まで自転車で走ってみて、僕の脚だと山越えなどがなければ40kmくらいまでは普通に走れるのが分かった。
50kmくらいから疲労を自覚して、60km走ると脚にくる。
なんとか100kmまでは脚にこないように走りたいもんだ。

筑波山往復の約100kmを、休憩は1時間くらい取るとして、6時間でこなせれば上出来だ。
脚力を1.5倍にパワーアップしないとなるまい。
6時間で手賀沼6周分か。
無理だ…。
ニックネーム SNJ at 13:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月02日

自転車奇行・手賀沼一周 後編

12月の空の下、時速20km程でのんびりと走っていく。
手賀沼には遊歩道があり、そこを走っていけば交通渋滞もない。
信号ごとに止まらされることもないのだ。

…と思ったら、今日は土曜日。
手賀沼公園周辺では、散策する人や犬の散歩をしている人が多かった。
僕と同じように自転車で走っている人や、ランニングをしている人も多い。

犬の散歩同士がすれ違うと、犬は飛びかかろうとしたり吠えたりして、飼い主から犬までリードがピ〜ンと張って、遊歩道を塞いでしまう。
自転車は遊歩道から草むらによけていくしかない。
車の渋滞はないが、犬渋滞だ。

犬だけではない。猫も多い。
のんびりしている猫や、何が楽しいのか、ひたすら走っている猫などいて面白い。
ひたすら走っている点では、僕ら人間も一緒か。
思い返せば、今日は夏の時よりも沼畔にはガチョウなど水鳥も多かった。

辺りはどんどん暗くなるが、夕焼けを横目に見ながら走っているのも趣きがあって良い。
何組の犬の散歩とすれ違ったろうか。
30分近く走って、折り返し地点である橋を渡った。
ここで半周。あとは対岸を戻っていくだけだ。

いつの間にか、東の空の月が明るくなっている。
月が明るく見えるということは、逆に西の夕焼けは暗くなっている。
沼を一周していると、折り返し地点からは景色が変わり映えしなくてモチベーションが下がるが、月と夕焼けに挟まれて手賀沼を走っていると思うと、少しやる気が出てくる。
月と夕焼けの天秤だ。

半周を過ぎて疲れていたが、再び時速30kmまでペースを上げる。
手賀沼の遊歩道の我孫子市側は、路面が木の根っこで盛り上がったり沼沿いに曲がりくねって走りづらいが、柏市側はほとんど何もない直線的で平坦な自転車道だ。
最近整備されたらしく路面はきれいで、わざわざ歩行者用車線と自転車用車線が色分けされている。
飛ばして走れば気分も良くなる。

向こうから走ってきたロードレーサーとすれ違ったが、ものすごいスピードだった。
こちらが33km出てたが、向こうは40km以上出てたかもしれない。
相対して70km以上に見えた。自転車ですれ違うと至近距離なので、より早く見える。

僕を支点とした月と夕焼けの天秤。
夕焼けの方が重くなって森の向こうに見えなくなると、いよいよ闇が訪れる。
月と自転車のライトの明かりこそあるものの、街灯もなく暗い道だ。
突然、放して散歩している犬が自転車の前に飛び出してくることもあり、気が抜けない。
すでに疲れているので、安全がてらペースを落とした。

そして、1時間近くかかって手賀沼一周完了。
手賀沼一周の距離は、18.5kmほどだった。
軽いと思ったが、夕闇もあって思ったより疲れた。

手賀沼横のローソンで休憩。
あったかいカレーまんと、オマケ付きの缶コーヒーを20本買って、4kgのウェイトを増やして帰路についた。

家に着くと、夕飯はカレーだった。カレーまん食べなきゃ良かった。
家まで戻っての本日の総走行距離は31kmだった。
手賀沼一周して帰ってくると、2時間で軽く走れるくらいのちょうどいい距離かもしれない。
ニックネーム SNJ at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年12月02日

自転車奇行・手賀沼一周 前編

今日は、12月2日。
任天堂の新ハード『Wii』の発売日だ。
朝からどこかのお店に並べば入手できるかもしれない。

僕は昼の11時に起きた。
窓を開けると、良く晴れ渡っている。
外に出れば気分も良さそうだ。

そのまま家に居て午後3時半過ぎ、やっと自転車で出掛けた。
柏のビックカメラに行けば、Wiiの体験も出来るかもしれない。
だが、僕はビックカメラへ向かわず、手賀沼へと向かった。

自転車で箱根に行ってから1ヶ月半。
その後、都内を走ったものの、大して自転車に乗っていない。
せっかく今日は晴れていたので、自転車で手賀沼を一周してみようかと思ったのだ。

リモコンを直したMP3プレイヤーで音楽を聴きながら、軽快に走っていく。
手賀沼へと続く、柏公園と柏市民文化会館の間の道で、時速30kmで自転車を傾けてカーブを曲がっていたら、カシャンと何か落とした音がした。

ふと斜め下を見ると、僕の耳から伸びたヘッドホンのコードが路面に垂れている。
その先にはMP3プレイヤーが繋がっていたはずだ。
(MP3プレイヤーが落ちた音か!)

慌ててブレーキを掛けると、少し遅れて後方から僕の足下にMP3プレイヤーが滑り込んできた。
なんと、落としたにもかかわらずリモコンと本体は繋がったままで、僕が止まるまで犬の散歩のように引きずっていたのだ。
30kmくらいで走っていたから、気付いて止まるまで20mくらい引きずってしまった。

(壊れてないかな…?またハードディスクがクラッシュしたかも…)
と思ったが、耳のヘッドホンからは曲が流れ続けている。
多少のキズだけで、無事だった。

革のケースに入れてあったのだが、ケースがソリのような役割りをして本体が助かったのだろうか。
落下の衝撃も、スキーの着地の原理で、進行方向へのエネルギーで軽減されたのだろう。
上着のポケットに入れてあったのが、自転車を漕ぐ内に太股で押し上げられ、さらにカーブで体を傾けたので落ちたようだ。

そんなこんなで手賀沼に着いた。時刻は午後4時を過ぎている。
空は夕焼けだ。
(一周している内に暗くなるな…)
せっかく晴れていたので、もっと早く来れば良かったと思いながらも、とりあえず走り出した。

手賀沼に来るのは夏以来。
その時は、違う自転車で来た。
今日は、共に箱根を越えたMTBだ。手賀沼一周も軽いだろう。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車奇行2006

2006年11月16日

自転車奇行・都内横断編3 〜川を越える〜

国道4号を走り続けて荒川を越える。
自宅に帰るためには、荒川、中川、江戸川と、大きな川を三つ越えなくてはならない。
しかし川は蛇行している上、他にも小さな川を渡るので、今どの川を越えているのか見失う時がある。

加えて、常磐線、東武伊勢崎線、京成線と複数の路線と交わっていくので、自分が何線沿いに走っているのかも分からなくなる。
地図は持っているが、のんびり気ままに帰ればいいので、たまに見る程度だ。

荒川土手.jpg

午前9時、北千住駅周辺で迷った挙句に、僕は荒川の土手を走っていた。
こんなとこを走るつもりはなかったが、空は晴れ渡って見晴らしが良い。

面白い。
実に面白い。

とりあえずは荒川は越えた。
次は中川を越えなければならない。
国道4号から環状7号に入る。
一気に回転を上げ、時速30kmまでスピードアップだ。

しかし、信号につかまる。
せっかく加速したのに、また加速のし直しだ。
やっぱりのんびり行こう。

埼玉県八潮市に入った。
つくばエクスプレスの路線に沿って北東に進みたかったが、道路は高架線になってる路線の下を右に左にくぐるばかりで全然進まない。
それどころか、どんどん住宅地の中に連れていかれて、つくばエクスプレスの路線は見えなくなった。

中川周辺.jpg

どこだ、ここは?
中川の遊歩道らしいが、川からは離れているし、どこまでも田園風景が広がっている。
とにもかくにも、遠くに見える高速道路に向かっていくしかない。

中川つくば.jpg

道は途中からダートになった。
やっと、つくばエクスプレスの路線を見付けるが、道路がない。
仕方なく、延々と続くダートを走っていった。

時速20km以上で後輪を滑らせながら走る。
こういう道でこそ、マウンテンバイクが活きてくるのだ。
都内、国道、住宅地、河原の土手、ダートと、走る道が目まぐるしく変わっていく。

面白い。
実に面白い。

中川ダート.jpg

しばらく行くと、中川の河原に出た。
遠くに車の通る橋が見える。
あそこまで行けば、このダートからも出られるだろう。

3km近くダートを走って舗装路に戻った。
橋を渡ろうとしたが、この橋は高速道路だ。
自転車通行不可の標識がある。
僕は橋の下をくぐり抜けていった。

缶コーヒー.jpg

そのまま北上して行くと、コンビニがあったので休憩。
オマケ付きの缶コーヒーを10本買う。
ここにきて、2kgの重量を背負う事になった。

面白い。
実に面白い。

そのまま北上して行くが、どうも影の向きがおかしい。
このまま行くと、自宅からどんどん離れていってる気がする。
北上し過ぎてしまったようだ。
地図帳を見ると、やはりさっきの橋を渡らなければ、他に橋はないようだ。

中川橋.jpg

川沿いに道を戻って、さっきの橋まできた。
やっぱり自転車通行不可の標識があるが、よく見たら高速道路の横に一般道があって、その横に歩道があった。
その歩道を通って中川を越える。
これで残るは江戸川だけだ。

ジャンクション.jpg

走っていくと、高速道路のジャンクションがあった。
このジャンクションで、僕は方向感覚を失った。
複数の道がグルッと回っている為、方向感覚が90度ずれたと思われる。

どこをどう通ったか分からないが、つくばエクスプレスの三郷中央駅を通過した。
つくばエクスプレスの駅は、どこも豪華な造りをしている。
だが、駅周辺は原っぱだ。
これから発展していくのだろう。

気が付くと、太陽が正面から照らしている。
つまり南下しているのだ。
さっきは北上し過ぎて、今度は南下し過ぎている。
『N』の字を描くように進んでいるという事だ。

面白い。
実に面白い。

…いや、面白くなんかないのだ。僕は迷子です。
とっとと迷子になっているのを認めて、地図帳をよく見れば良かった。

江戸川土手.jpg

午前11時過ぎ、江戸川に辿り着いたが、橋はない。
橋のあるところまで、また北上しなければいけない。
走行距離は、いつの間にか50kmを越えた。

江戸川土手バンク.jpg

土手の上を走っていくと、いい感じのバンクがあった。
競輪のようにあそこを走ってみたいが、転ぶのがオチだ。やめておこう。

江戸川橋.jpg

5kmほど走って、一般道に合流。
これで江戸川も越えた。
千葉県に入り、もうあとは地元みたいなもんだ。
気も緩む。

行く手に坂道があった。上り坂だ。
僕は躊躇なく、無意識にその上り坂を回避した。
特に通らなくてもいい道だったのだが、元気ならば上っていったはずだ。
無意識に避けるという事は、どうやら僕はすでに疲れているようだ。
走行距離は60kmを越えている。

そして12時を過ぎて地元の柏市に到着。
地元の友人の三上君のお店に立ち寄って挨拶をしてから、自宅に帰った。

この日の走行時間は5時間半、距離は67kmになった。
ちょろっと帰るつもりが、思わず長距離サイクリングになってしまった。
この日の夜、僕は風邪をひいた…。
ニックネーム SNJ at 00:13| Comment(2) | 自転車奇行2006

2006年11月15日

自転車奇行・都内横断編2 〜不忍池〜

フロントタイヤから聞こえる異音は、ブレーキがホイールのリム(側面)に当たっている音だった。
ブレーキを掛けてなくても、かすかにブレーキが掛かった状態になっているのである。
これではペダルを漕ぐ抵抗も大きくなる。

ネジを締めなおしてみたり、ワイヤーを調整してみたりしたが、どうしてもブレーキが僅かにタイヤの左側に触れてしまう。
下手に分解したのがまずかったのかもしれない。
まぁタイヤが外れる訳ではないので、そのまま走っていく事にした。

6時半、池袋駅西口に到達。
大勢の通勤、通学客が駅に向かっている。
早朝の池袋駅もまた良い。
自宅に帰るなら環状7号沿いに走れば最短距離なのだが、今日は時間制限もないので、都内をのんびりと通って行くつもりだ。

ガード下をくぐって東口側に抜け、そこから目白方面へ南下して行く。
池袋から目白までは、下り坂だ。
そのまま真っ直ぐ下って行けば、神田川に辿り着く。
神田川直前で東に曲がって住宅街に入り、また坂を下って行く。

下り坂は楽だ。
ふと後ろを振り返ると、勾配25度以上あろうかという急坂が100m以上の距離に渡ってそびえていた。
僕は躊躇わずにUターンして、その急勾配を上り始めた。
箱根を越えて以来、坂道を上るのが面白く思えるようになったのだ。

一番軽いギアで上ったが、坂の半ばで体重が後ろに掛かって前輪が浮き上がりそうになり、足をついてしまった。
改めて坂の角度を見てみるが、塀と道路の接地面の角度は30度近くあるように思えた。
東京都内と言えども侮れない。
さすがに山の手と言うだけある。

目白通りから不忍通りに入って、東に向かう。
この道をずっと行けば、上野の不忍池に着く。

護国寺.jpg

途中、護国寺に立ち寄る。
境内にはたくさんのネコがいた。
ネコの写真を撮ろうとすると、ネコがこっちをジッと見返してくる。
(図太いネコだな)
そう思いつつ写真を撮ったら、ネコはフンをしている最中だった。
すまん邪魔した、ネコ。

護国寺を出て、また不忍通りを東に向かう。
不忍通りは、大きく北東へ迂回してから南下して上野に至るので、最短距離ではないが、道に迷う心配もないので安心だ。

千川通り、白山通り、本郷通りと交差していくが、意外に坂道が多い。
出発してからの距離も10kmを越えた。
少し疲れてきた。ここらで朝食を摂ろう。

不忍池.jpg

朝食を済ませると、やっと不忍池に着いた。
ランニングしている人や、体操している人や、通勤通学の人で賑わっている。
池の横を通って通勤するのも、清々しくて良い感じだな。
野良ネコも朝食の真最中だ。

不忍池2.jpg

スワンボートがある。
その内、自転車からスワンに乗り換えて漕いでみたいもんだ。

上野公園.jpg

池のほとりを回って、上野公園内に入る。
この辺を通るのも久しぶりだ。
前輪から相変わらずブレーキの擦れる音がしているので、蹴っ飛ばしてみたらあっさり直った。
ジョイントが少しズレていたのだろう。

上野駅.jpg

寛永寺から鶯谷駅裏を通って、陸橋の上から上野駅を撮影。
列車が次々に発着を繰り返していく。
上野駅は多くの列車の終着駅になっているので、乗り換え客も多い。
慌ただしい朝の喧騒。
こちらは悠々と自転車で通り過ぎてゆくだけだ。

上野からは国道4号(日光街道)に向かった。
柏の自宅に帰るには国道6号(水戸街道)が最も近道だが、いったん埼玉県に入るのもいいだろう。

国道4号.jpg

宇都宮まで102kmか。
行けない距離ではないな。
だが、今日はそこまではしないつもりだ。
のんびり気楽にサイクリングしようじゃないか。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 18:07| Comment(0) | 自転車奇行2006

2006年11月15日

自転車奇行・都内横断編1 〜自宅へ帰る〜

自転車で箱根を越えてから3週間が過ぎた。
その自転車は仕事場に置き去りのままだ。
季節が寒くならない内に自宅まで乗って帰らねばなるまい。

池袋から自宅までは、35kmもないだろう。
普通に乗って帰れば2時間ちょっとだ。

しかし、ただ乗って帰っても面白くない。
僕は、自転車を電車で運んで、もう少し遠いところから帰る算段を立てた。

仕事が終わって翌朝。
2時間ちょいの仮眠で起床。
時間的には4時間は眠れたのだが、どこに行こうか地図を見たりして考えてる内に時間が経ってしまったのだ。
箱根に行った時も2時間の仮眠で出発した。
走り出してしまえば眠くもならない。

(まぁ行くか〜)
朝5時過ぎ、僕は仕事場から最寄の駅に向かい、そこで自転車を分解し始めた。電車に持ち込む為である。

タイヤを外して、持参した袋に詰め込もうとすると、袋が小さすぎて自転車が入らなかった。
これでは、電車に持ち込めない。
仕方なく僕は、たった今分解した自転車を組み直し始めた。

朝は早いが、何人かが僕の横を通り過ぎていく。
邪魔にならないようにしてるが、こんなところで自転車を組み立てているのが何だか気恥ずかしい。

前輪がなかなか上手く嵌まらない。
こういうのは大体、分解は簡単だが組み立てるのは難しいものだ。
駅から階段を下りて来た若者が僕の横に近付いてきて、僕の作業を見ている。
(何だよ、物珍しいのか?あっち行けよ〜)
そう思いながらチラッと若者を見ると、僕の知ってる人物だった。
一緒に日光旅行に行って、そこで将軍に即位したタカギ将軍だ。

「こんなとこで何してるんですか、田中さん!?」
「何って、自転車を組み立ててるんですよ。電車に持ち込もうと思ったら、袋に入りきらなくて。」
「マジっすか〜」
「ええ、電車で秩父の方にでも行って、そこから千葉県まで帰ろうかと思ってたんですよ」
「マジっすか〜?」
「この前は自転車で箱根にも行ったんで、まぁ大丈夫ですよ」
「マジっすか〜!?」

将軍はしきりに驚いている。
僕は話しながらも自転車を組み立てていく。
「タカギさんは、どうしてこんな朝早く?」
「僕はまぁ、仕事帰りですわ。田中さんは仕事終わったんですか?」
「ええ、昨夜終わって、2時間ちょっと寝てきたとこです」
「マジっすか〜、えらいガッツありますね。何か珍しいんで写真撮っていいすか?」
「どうぞどうぞ」

パシャッ!

自転車が組み直った。
とりあえず、駅からタカギ将軍の自宅方面まで自転車を押して歩いていく。
「そいじゃ、お疲れさ〜ん」
「田中さんも気ィ付けて帰って下さいよ〜」

将軍と別れると、僕は自転車に跨って走り出した。
走り出してすぐに気付いた。
さっき外したフロントタイヤから異音がする。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 05:04| Comment(0) | 自転車奇行2006

2006年11月10日

自転車奇行・箱根編25 〜箱根越えを終えて〜

10月19日朝4時から始まり、21日午後3時帰還までの59時間。
その二日半の間に進んだ距離は、
一日目約175km、二日目90km、三日目62kmの、計325kmほど。
学生時の自転車通学での一ヶ月分の走行距離と同等だ。

越えた主な峠は、東京都から神奈川県に抜ける、高尾山の脇の大垂水峠、山中湖から御殿場市に抜ける篭坂峠、そして箱根峠の三つ。

地図帳でルートを決めただけで、標高差などの下調べもしないまま旅に出てしまったが、それだけに行く道々での思い掛けない出来事は、僕にとって新鮮なモノとなった。

大垂水峠(392m)。
人生で初めて自転車で越えた峠だ。
帰宅後に調べてみたが、自転車乗りなら難なく越えられる峠だった。
初心者の僕にはちょうど良かったのかもしれないが、この峠ですら、ろくに上れなかった。
思い返せば、この峠に至る前の、日野駅から日野自動車工場へ上っていく坂で、僕はすでにやられていたと言える。

峠を上ったのも初めてなら、下ったのも初めてだった。
自転車での山からのダウンヒルが、こんなに楽しいもんだとは思わなかった。
それも、上りの苦しみがあってこそ、達成感と爽快感の相乗効果でより素晴らしく思えるのだ。

車でなら幾つもの峠を越えてきたが、アクセルを踏んでれば上っていくし、下りも勝手にスピードが出てしまうな、くらいの感想しかなかった。
それと比べると、本当に自転車で峠を越えて良かったと思う。

篭坂峠(1104m)。
夜道を上った為、見晴らしは分からないが、御殿場へ向けての夜の下りは、霧がかって幻想的でとても美しく、そして面白かった。

山中湖から篭坂峠は100mほどの標高差しかないが、その山中湖に至るまでの、山梨の大月市から600m以上の標高差を30km近くかけて上り続ける行程で、僕はハンガーノックに陥るなど限界を迎えた。
僕は、ランニングなど持久系の運動をほとんどしてこなかった為、スタミナがないのはもちろん、エネルギー補給も下手だと自覚した。

そういう状況の後だっただけに、切望の下りという感じで楽しめたが、もし御殿場側から上っていたら、この1104mの峠はかなりの難敵となったろう。
この峠を下り終えた後のだらだら続く下り坂で、歩道の縁石に前輪を引っ掛けて転倒したのだ。
3週間経つ内に傷は癒えたが、傷跡は残りそうだ。
それもまた勲章か。

箱根峠(846m)。
ここを越える事が、この旅の一番の目的だった。
前日の、長い行程の後の峠と違って、峠の麓の三島市内からのスタートだったので、2時間で上り切るつもりでいたのだが、脚が攣るなど悪戦苦闘の末に4時間掛かってしまった。

それだけに達成感も大きかった。
峠を越えて眼下に見えた芦ノ湖は、決して忘れられないだろう。


僕は走るのが苦手だ。
自分の脚だけでは、1kmも走れない。
自転車と共に走る事で、進める距離は何十倍、何百倍にも膨れ上がる。

総走行距離、たかだか325km。
車で高速道路に乗れば3時間ちょいで移動できる距離だ。
だが、自分の脚をエンジンにして―性能はとても悪いのだけど―進んでいく事で、諦めずに一歩一歩進んで行けば、いつかは達成できるという事を学んだ。

自転車よ、ありがとう!

長らく書いてきましたが、これにて自転車奇行箱根編を終わります。
ニックネーム SNJ at 22:23| Comment(4) | 自転車奇行2006

2006年11月10日

自転車奇行・箱根編24 〜都内へ帰還〜

246.jpg

藤沢から国道467号をひたすら北上して、大和市に入った。
この辺には知人もいたので、時間があったら会って行きたかったが、今は仕事時間の午後2時に遅れないように走るのみだ。

次に国道246号に入る。
これを30kmほど行けば渋谷に着く。
すでに20km以上走っている。
出発してからの胸が詰まったような体調は、だいぶ良くなってきた。

大和市から横浜市に入ると、坂道も多くなってくる。
青葉区では、青葉台駅の辺りが長い上り坂になっていて、僕は今日もまた自転車を押して上るしかなかった。
途中から長らく目が痛かったのだが、目をこすったらムシが潰れて出てきた。
1時間くらい目に入っていやがった。

車の交通量も増えて、路肩を走るのが難しくなってきた。
しかし今日は土曜日なので、歩道は歩道で通行人が多くて走りにくい。
少し加速してはブレーキの繰り返しで、全くスピードが稼げない。
度重なる加速で、脚も疲れ果てた。

上り坂の度に、自転車を降りるようになった。
まだ半分くらいしか来ていない。
それにしても、箱根の坂に比べれば大した坂ではない。

(昨日は箱根を上っていたのか…)
何だか遠い昔のような気がする。
(一昨日には富士山も見えていたんだっけ…)
もっと遠い昔のような気がする。
(そんで転んだんだっけな〜…)
一気にいろんな状況を見てきたせいか、すぐ前の記憶すら遠退いている。

リアカー.jpg

時折、道路は自動車専用になり、自転車は遠回りをしなければならない。
歩行者や自転車の他に、リアカーの通行も禁止してある。リアカーで通る人いるのか?

やっと多摩川を越えて東京都に入った。
時刻は1時半を回った。
仕事場に、1時間遅れるとの連絡を入れた。

練馬の仕事場までは、国道246号から環状7号に入れば良い。
世田谷区で斜めに突っ切るショートカットを試みて、迷子になった。
斜めに突っ切るはずが、曲がり角ばかりでスピードが出せずに逆効果になった。

環七通りに入った。
後はこのまま道沿いに行けば良いだけだ。

途中、駅前で祭りをやっていて、人込みの中を通るしかないとこがあった。
歩道を走らずに、自転車通行禁止の標識を無視して駅を突っ切ってしまえば数秒で済んだのに、5分以上のロスだ。

練馬区に入った。
時刻は3時になった。
3時にも間に合わなかった。

そして、この旅に出る時に警官に尋問された道を通って、やっと仕事場に戻ってきた。
午後3時5分、お土産を掲げながら仕事場着。

この日の走行距離62km。所要時間5時間。
途中、休憩はあったものの、平均時速は14kmしかなかった。
ニックネーム SNJ at 10:53| Comment(2) | 自転車奇行2006

2006年11月09日

自転車奇行・箱根編23 〜藤沢周辺〜

藤沢のホテルにチェックインしてすぐに、コインランドリーに向かった。
ランドリーはホテルから自転車で8分くらい行ったとこにあった。
箱根で疲れた脚だったが、また走る羽目になった。

洗っている間に一旦ホテルに戻って、洗い終わった頃にもう一度ランドリーに行った。
今度は乾燥機に入れ替えるが、小銭がない。
夜ご飯を買ってきて小銭を増やし、乾燥機に200円を投入し、横で待っていた。

20分後、乾燥機が止まった。
乾燥機のドアを開けると、熱くない。
洗濯物を触ると、全然乾いてなかった。
乾燥機の故障か、洗濯物はただ回っていただけだった。

他の乾燥機に移し変え、200円損したので、ケチって100円だけ投入した。
10分後、乾燥機が止まった。
今度はちゃんと熱くなっていた。生乾きだったが。
洗濯の待ち時間で、30分以上費やしてしまった。

急いでホテルに戻り、夕食。
今日こそは豪勢に食べようと思っていたのに、カップラーメンだった。
飲めないが一応、ビールだけ飲んだ。すぐ酔った。

時刻を見ると、もう0時を回っていた。洗濯に時間が掛かったのがもったいない。
ようやく風呂に入ったが、相変わらず傷に滲みる。

しかし、箱根の坂には参った。
三島から箱根の区間15kmの内、自転車に乗って進んだ距離は1kmちょっとしかないんじゃなかろうか?
これでは箱根を制したとは言えない。

箱根から箱根湯本への下りの勾配と比べると、僕が上った三島側からのルートは、坂が緩やかだったんじゃないかと思う。
逆から上ってたら、4時間じゃ済まなかったかもしれない。

箱根の事を思い返しながら長風呂をしてたら、1時半を過ぎていた。
デジカメのデータ整理や、日記の更新、明日の走行ルート決めなどやる事はたくさんある。

ベッドに横たわって、明日の朝は早起き出来たら江ノ島方面でも走ってみるかと思っている内に、気が付いたら朝の8時40分。
2時までは覚えているが、いつの間にか眠ってしまったようだ。酔いと疲れと寝不足がたたったのかもしれない。
すぐ寝るんだったら、ネット環境のあるホテルでなくて良かった…。

今日は仕事だ。昼の2時までに練馬区まで戻らないといけない。
急がなくては。

とりあえず、昨夜たくさん食べるつもりで買って、結局余ってしまったカップ麺やおにぎりを食べた。
持っていくと重荷になるからだ。
箱根で買ったお土産は、かなり邪魔になった。
下り坂では、ハンドルに引っ掛けたお土産が風圧に煽られて、足にバンバンぶつかって鬱陶しいったらありゃしない。
お腹は空いていないが、なるべく身軽にしなければ。

そうして10時近くになって、走行ルートもままならぬまま、やっとチェックアウト。
けっこう豪華なホテルの前の植え込みの陰に停めておいた自転車が、ちょっと場違いな気がした。

都内に向かうには、藤沢から国道467号線を北上して行けば良いはずだが、出発してすぐに道を間違えた。
1kmくらい西に行き過ぎてしまった。

そこから467号に向かったが、キツい上り坂が二つあった。
ほんの少し道を間違えたために、下って上る谷のような地形を通る事になったのだ。
それに今日は何だか、最初から胸が苦しい。あまり体調が良くないのかもしれない。
先が思いやられる…。

   〜続く〜
ニックネーム SNJ at 16:00| Comment(0) | 自転車奇行2006

2006年11月04日

自転車奇行・箱根編22 〜東進〜

小田原からは道はほぼ平坦になり、たまに長い上り坂もあるものの、たいした坂ではなかった。

時速20km以上をキープしながら走り続けたが、長時間乗っていたので、やはり脚も痛けりゃお尻も痛い。
擦れて痛いのではなく、サドルの硬い角に太股の付け根が当たってて痛いのだ。

肩も痛い。
重さ10kgもないリュックなのに、ずっと背負って走っていると摩擦やら振動やらでダメージが蓄積してくる。
片手をハンドルに掛け、もう一方の手をリュックの下に回し、軽く持ち上げながら走った。

どうせなら海岸沿いに走りたかったので国道1号を外れてみたが、海岸沿いの道路は自動車専用道路で、自転車の通行は不可だった。
やむなく国道1号に戻る。
戻る途中、住宅街から出られなくなった。
こうやってうろうろしている時間で、より一層疲れる。

二宮駅周辺で、何故か箱根で嗅いだような肥料の匂いが漂っていた。
周りに牧場があるようには見えないが、もしかしたら暗闇の向こうに畑でもあったのかもしれない。

二宮を過ぎると、大磯ロングビーチがある。
僕は、今度こそ海岸沿いを走れるかと国道1号を外れていったが、この辺の海岸沿い一帯は大磯プリンスホテルの敷地のようで、入る事は出来なかった。

仕方ないので、また国道1号へ戻る。
もちろん、無駄な行動にまた疲れる。
行って、行き止まりなどで同じ道を戻ってくるのは精神的に疲れるものだ。
しかも、海岸沿いの道へはだいたい下っているので、戻ってくる時は上り坂なのだ。

やっと、サイクリングロードの看板があった。
車の進入できない、海岸沿いに走れる道だ。
夜の海岸沿いも乙である。
僕は喜び勇んでサイクリングロードに向かった。

夜のサイクリングロードは真っ暗だった。
入り口で、後輪が砂に取られて滑った。
やはり海岸沿いのこういう道は、砂が吹き溜まっているもんだ。
僕は国道1号へと引き返した。
昨夜、暗くて転んでいるので、慎重になっている。
(やっぱりこういう道は昼間に走るもんだし…)

平塚を通過した。
平塚の道は歩道も広く、よく整備されていて走りやすい。
なので、僕は歩道を走っていた。

…と思ったら、歩道が柵に覆われていて、歩道橋でしか向こう側に渡れない交差点があった。
しかも、スロープがなくて階段しかない。
自転車を持って登るのは嫌だったので、とりあえず横に向かって、歩道の柵の切れ目から渡ろうと思った。

しかし、行けども柵は途切れない。
結局300m以上行ったとこに交差点があった。しかもそこまで上り坂だった。
そこから国道1号に戻るのも癪なので、そのまま東に進んで行くと、国道1号に合流した。
三角形の底辺を行けば済むところを、わざわざ他の2辺を通っていった形だ。
まったくこれでは、距離ばかりが増えていく。

相模川を渡って茅ヶ崎市に入る。
この辺りは今まで来た事はないが、知っている地名ばかりだ。
湘南という地域のアピールが成功している事を思わせる。

横浜まではまだ遠い。
僕の